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【今年の『M-1グランプリ』は上沼恵美子が優勝】 #tokyopod

TBSラジオ『東京ポッド許可局』に手塚とおるさんが来てくださったときに、けしかけられて見出した今年のM-1、

いろいろとメモったのだけれど吐き出し口がないやと思っていたら、そういえば半年以上放置しているブログがあった。

米粒写経の例大祭の御礼と、地方公演の告知もかねようと思って、久しぶりに更新しようとしたら、すっかりログインの暗証番号みたいなものまで忘れてしまっていた。更新したらしたで原稿を待たせてしまっている人たちにも怒られる。これが私がブログをずっと後進していなかった理由です。

 

◆『M-1グランプリ2019』のコンセプトは「自然な掛け合い(会話)」であった

 

第一期のM-1グランプリが2004年に大きく動いた(南海キャンディーズ、POISON GIRL BAND、千鳥、タカアンドトシ、トータルテンボス、東京ダイナマイト)のと同様に、

第二期のM-1は今年動いたのは、3回戦から準々決勝に残ったメンバー、そして準決勝のメンバーを見れば明らかだった。

今年の中盤に発売されたナイツ塙宜之さんの『言い訳 関東芸人はなぜM-1で勝てないのか』では、第二期M-1が決勝15年以内の規定になった結果、ウマイ人大会になってしまったことに触れていたが(この本は朝日新聞の書評欄で紹介しました)、

そのことの影響も少しはあったのじゃないかと思えるほどに、決勝に残したメンバーはこれまでの保守本流路線とは別で、

「次の日にもどんなネタやったかだいたい覚えていられる」人たちだった。

 

個人的に注目していた後輩のキュウ(タイタン所属になりました)が満を持して挑んだにも関わらず、かなりウケて3回戦止まりだったこともあって、「今年は、掛け合い重視なんだな」と予感した。いかにも自然な会話ななかで笑いを取りに行く「活きた会話」。

方言だろうが、肯定したツッコミであろうが、ちゃんとキャラクターにウソがなく地に足のついた会話。コント的ではなく、その人たちが「台本を読んでいる」感じのない、普段からしゃべっていそうな会話。そんななかでも、ツッコミが「なんでだよ」系ではない、ひねりのあるもの。そういうコンビが結成10年以内にもゴロゴロいた。

なにより和牛を決勝に残さなかったのは、大会のそういうコンセプトを反映していたかもしれない。

 

ミルクボーイも、かまいたちも、気付いたら自然とネタに入っていた。じゃれ合いから生まれる笑いが、次第に「形」として反復され、計算された会話であることに気付いたときには次の展開に入っている。そういう漫才を良しとした。

「自然主義」的な漫才だ。

変なことを言うやつに「なんでだよ!」とか吠える様式を「ロマン主義」(お笑いご都合主義)とするなら、「自然主義」なんだよね。

 

GYAO!で見た決勝進出メンバーの3回戦のネタを見るにつけ、この課題がクリアできていて、きちんとインパクトも残せていたのは、ミルクボーイ、オズワルド、ぺこぱかなと思った。

からし蓮根は、ツッコミが活きているがボケの表現力がどうしても足りない。硬く見えてしまうが、そういった初々しさも悪くなかった。しかしかまいたちの自然さには勝てない。あとは敗者復活は実質人気投票なので、過去に決勝進出した人が露出が多いので有利に決まっている。ということは8割和牛といったところ。そうなるとあとはどの順番で和牛ないしそれに準じる人気者が出るかで展開が左右される。

 

実際に決勝のフタをあけてみれば、前半にかまいたちと和牛の直接対決が用意され、後半に注目のミルクボーイ、オズワルド、ぺこぱが固まった。

結果はご存じの通りであるが、オズワルドの点数が低かったのは解せない。彼らは決してシュールではなかったはずだ。だれもが理解できるスピードと展開で、単に「引き芸」だっただけだ。押しつけがましく笑いを取りにいくのではなく、ただ自然にゆったりと会話をする。苛立ちも隠さなかったし、声を張ったツッコミもした。予想の少し先を行く気の利いた言葉選びで、ツッコミでも笑わせてくれたし、声も良かった。どこがシュールなのだろう。

これは、「この人たちこれからなに言うんだろう」とお客さんを集中させる技術のひとつであり、前のめりなお客さんにはもっとも有効な芸風だ。しかし、大阪の審査員はともかく塙さんまでもが彼らに辛い点数をつけるのは、いくらなんでも大会に染まり過ぎだろう。あるいは、こういう「してやったり」的な芸風がそもそも好みではないのかもしれない。

しかし、M-1はトレンドを先取りする役目もある。多様性をいまから否定してしまうとこの先のお笑いの未来まで潰してしまいかねない。この手のスタイルの挑戦する人たちがいなくなる。コントや落語のほうがこういうネタをやりたい人たちがきちんと実現してしまっているのが悔しい!

私は決して好みで言っているのではない。すゑひろがりずを「古典の人たち」と一段上に置いて評価してみるのに、「引き芸」は下に見るというのは、固定観念で見過ぎではないだろうか。

私は今回、拍手が起こるほどの大きな笑い、会場がひとつになった笑いと、半分くらいの観客が笑った数を、計測した。

ミルクボーイが大16と中14で、特に序盤からピークがきてそのまま維持されたのは、まさに歴代最多得点も納得の出来だった。

しかしCMをはさんだ直後のオズワルドも、大11の中13と、少なくなかった(みなさんも、印象批評や好みで論じるのではなく、客観的な事象で論じてみてはいかがでしょうか)。むしろこの芸風での最終形態かもしれない。のきなみ90点台を出していたほかのコンビとおなじか、むしろ少し多いくらいである。

結成5年目というキャリアで評価するわけではないが、15年目と5年目を同列で扱ってこの仕打ちはどうだったんだろう。

そこまで尖っていない、だれでも楽しめる「引き芸」だったのだが、「引き芸」に対するアレルギーが国民的にすごいのだとしたら、「漫才とは普通こういうものだろう」という先入観でしか漫才を観ていないことになる。それはあまりにもったいない。

今年は「多様性」の年だった。

グルーヴを生み出し、バイブスは大事な要素だが、その発生のさせ方を狭めるのはもったいない。オズワルドはたしかに会話をしていた。掛け合っていた。「からし蓮根」よりキャリアが浅く、ミルクボーイの後に出てあれだけ堂々とやりきったのに、80点台をつけるのは少し厳しすぎではないだろうか。

そこが唯一の不満といえば不満。全体的には面白かったよね。ただ、長くておじさん疲れちゃった。

 

◆「審査員」に文句を言う人はM-1真面目に見過ぎ

 

この大会を真面目に観ている人のモノマネをプチ鹿島さんがしていて、これが面白くてしょうがないのだけれど、

今回それを思い知ったのが、審査員のコメントに「長い」とか「しつこい」とか「間延びする」とか言っている人たちが本当に多いということだ。

いや、松本さんが「ツッコミが笑うのはちょっと…」のあとの、「ツッコミが怖すぎた」は明らかなボケなのだが、それが伝わっていないってどういうことだろうか。

審査員たちも芸人さんなんだよね。しかもボケ側の人たちが多くて、ふられたら一言いいますよ。

でも観客もお茶の間もひいちゃったら、もうみんな真面目なコメントするしかなくなる。こういう観客はオンエアバトルでも見てればいいのでは。真面目に見ちゃうと、お笑いは萎縮するんだよ。大目に見ようよそこは。

でもそんな大会だれが見たいんだろう。NHKじゃあるまいし、そもそも点数化しているから公平っぽく見えているけど、公平ではないわけだし、お笑い番組なんだからおおらかに見てもいい。

ネタを見るのは集中力がいるぶん、疲れる。だから合間合間に息抜きの時間をとる。あとは尺調整もする。すべて司会の裁量で、ふられた審査員はマトモなことと、ボケ織り交ぜて、バラエティ番組であることをなんとか保とうとする。

でも、あそこでボケられる人は日本にはもうあまりいない。

松本さんや塙さんがボケても受身が取れないのでは、こわくてなにも言えないわけですよ。

そこに風穴を空けたのが、上沼恵美子さんです!!

からし蓮根を贔屓して、和牛をディスるって、これ生活笑百科とかでさんざん見た「若い男の子に甘い」上沼さんそのまんまなのに、なんかスベッたみたいになっている。司会もフォローしきれない。そうなると、上沼さんは寄り切るしかない。力技でねじ伏せてくれたわけである。会場は笑いに包まれた。こうしてM-1はなんとかバラエティ番組である体裁を守れたわけですけど、

あそこ上沼さん抜けたらどうするのだろう。

オール巨人師匠はもう来年出ないと宣言している。

冨澤さんはコメントも天才的な空気の読み具合で、パーフェクトな仕事ぶりだった。

上沼恵美子さんのコメントぶりは本当に見ごたえあった。だってガチなんだもん!生活笑百科みたいに台本めくったりしてなかったし!

あれこそ漫才師なんだよなあ。

各個人の点数にああだこうだ言うのはいいけど、仕事と役割を全うしているコメントに文句を言うのは筋違いだと思うわけです。

 

というわけで、ミルクボーイさんの、

 

「うちのおかんが好きなxがわからない」

→ヒント

→Aだろう

→おかんが言うにはZ

→ならAじゃないか Aはa1

 

→ヒント2

→Aだろう Aはa2みたいなところもある

→それがおかんが言うのはY

→ならAじゃないか Aはa3

 

というブロックの繰り返しが、雪だるま式にグルーヴを生み出したのは言うまでもない。

ちなみに、2本目の「モナカ」のネタは、

お菓子の家系図という概念も導入して、

配列に必然性を与えた(つまり縦の関係にも必然性を持たせた)ので、

2本目として最高の出来だったと思う。

 

それでも、毎年ちょっとずつ変えてきても完成度を保ったかまいたち、

あるいはもっとも自然な会話で笑いに繋げたかまいたちを評価したのが、松本さんだったのかもしれません。

 

ぺこぱも素晴らしかった。一番マネしやすくて流行るのは彼らかもしれない。

ツッコミをセンテンスで分解して、A(直感的なツッコミ)+B(思考したツッコミ)の形にした。

「さっきとおなじボケ」+「じゃない」がもっとも端的だった。

Bの部分には「という時代がすぐそこにきている」「のは俺かもしれない」「がいたっていい、だれも悪くない」みたいに変化させた。ちなみに、「言及の相手」で分類すると、Aは「相方」、Bは「観客」である。

彼らだけは「ロマン主義」でも「自然主義」でもない「新感覚派」だ。

 

いじられていたボケのキャラだけど、来年は毎月キャラを変えるとか、そういう遊びをしてもいい。

ネタ番組出るたびにキャラ変わってるとか。

それをしたらツッコミの汎用性がより証明される。

 

もし、松陰寺さんにツッコミをさせるならば、

「今年のM-1は審査員の上沼恵美子 が優勝でいい。そういう大会の形があっても僕はいいんだ。みんな、ありがとう」

というところだ。

 

手塚とおる局員、納得してくれたかなあ。

今日のNHKラジオ『すっぴん!』でも「漫才文体論」でミルクボーイをコピーしたネタをやりましたので、らじる★らじるで聴いてみてください。

そして今日24時からのTBSラジオ『東京ポッド許可局』で、みんなでワイワイモードです。

 

こういうことを書くと、「お前のネタはどうなんだ」と鬼の首とったようなこと言う人いるんですけど、そういう議論は10年くらい前に片付いているので、私のところにはコメントしないでください。

 

M-1メモ

・太鼓という小道具の使用はOKだったようだ。

・「腹違い」はOKだったのだろうか。

・最終決戦の笑い ぺこぱ 大9 中9、かまいたち 大10 中10、ミルクボーイ 大12 中17

  ※計測は手動なので、20人くらいでやって平均値をとるのが一番いい。

 

 

posted by: サンキュータツオ | フィールドワーク | 00:10 | comments(0) | - |-
【『畑亜貴の弱り目に祟られろレディオ 3rdシーズン』開始しました】#たたラジ

『畑亜貴の弱り目に祟られろレディオ』

 

3rdシーズン開始しました。

 

 

作詞家の畑亜貴さんに呼び出されたのは本年開けてすぐ。

すぐに3rdシーズンをやろうということで話がつき、

音楽シーンで言葉や歌詞について語る人や、語る土壌がまだできていない、という問題意識をうかがって、畑さんなりの音楽に対する姿勢や考えを、多くの人に聞いてもらいたいなと思った次第です。

題して「感情言語化研究所」というコーナーが立ち上がったわけです。

 

アニメソングやキャラクターソングを手掛けることの多い畑さんですが、

たしかにアニソンなどを味わう人たちは、作品の世界観だったりキャラクターをより深く知るために、考察などをします。

ですが、作品と曲、という関係も楽しいのですが、曲単体のなかで歌詞の占める役割だったり、そもそも音とコトバのバディー関係に考える指標はあまりないようです。

 

もちろん、従来の「日々のくだらない疑問」もお送りします。

これはお金のためじゃない、畑さんの日々の考えをストレートに知ることができる、音楽ファン必聴の番組になるのではないでしょうか。

ひとまずYoutube、そして今後はnoteなどでの配信もあるようです。

 

初回のゲストは、「たっちレディオ」また、畑さんとプロデュースユニット「Q-MHz」としても活動している、

作曲家の田代智一さん、そして田淵智也さんをお迎えしてしゃべっています。

面白いよ。

 

ますます音声コンテンツ人間になっておりますが、

それが一番合ってるのかもね!

月一配信ですがこちらもよろしく。

 

整理すると、

月曜 NHK『すっぴん!』、TBS『東京ポッド許可局』

水曜『熱量と文字数』(Podcast)

金曜『渋谷らくご まくら』(Podcast)

月一『弱り目に祟られろレディオ』(Youtube)
といった具合です。
個人的には、毎日なにがしかの音声をお届けしたいくらいの感じですが、
オススメのポッドキャストなどもあり、
個人的には毎日なにか聴くものがあって移動が楽しいです。
2019.04
posted by: サンキュータツオ | ラジオ | 23:48 | comments(0) | trackbacks(0) |-
【NHKラジオ第1『すっぴん!』月曜担当になりました】

『すっぴん!』のホームページにも掲載されたので、お知らせです。

NHKラジオ第1『すっぴん!』(平日朝8:30〜11:50)

月曜パーソナリティになりました。

 

ありがたいことですね。

以前、高橋源一郎さんの金曜日にゲストで出演したことはあるのですが、

その際に気にかけて下さり、今回のパーソナリティという流れになったものと思っております。

縁は大事にするものですね。

 

自分なりにできることを精一杯、楽しく、やろうと思っています。

ひたすら「自分が楽しい」を目指して、それを聞く人も楽しくなってもらえればと思います。

 

前任の宮沢章夫さん、

私も大ファンだっただけに複雑な想いですし、おなじように思ってらっしゃる方も多いと思いますけれど、

おなじようなことはできませんが、タツオもタツオでいいじゃないか、と思ってもらえるような放送を心掛けようと思っています。

 

ちなみに、近いところにいるのに、すれ違っている人ってけっこういて、

なかなか現場で一緒にならないとか、話すチャンスがない人っているんですよね。

私の場合は、いとうせいこうさん、武田砂鉄さん、宮沢章夫さんなど、入れ替わりになることが多くて、いつかちゃんとお話できるようなタイミングがあるといいなと思っています(武田さんは一度だけイベントでご一緒しました)。

きっと、時がきたら、ご一緒することもあるのだろうと、希望を持ちながら。

 

初回の放送は4/8(月)です。

朝の番組ですし、気楽な感じで楽しめる内容を目指したいと思います。

ですが、タツオならではの味も出したいと考えているので、一緒に番組を作ってください。ラジオはリスナーとパーソナリティが一緒に作るものですもんね!

よろしくね。

 

藤井彩子さんとご一緒できるのは夢のよう。あの藤井さんですよ!

楽しみ!

 

2019.04

posted by: サンキュータツオ | ラジオ | 00:29 | comments(1) | trackbacks(0) |-
【東谷護 編著『表現と教養』ナカニシヤ出版:寄稿しました】

東谷護 編著『表現と教養 スキル重視ではない初年次教育の探求』ナカニシヤ出版

2019年3月30日に発売されました。

 

第1部第3章「日本語のうち・そと 第二言語としての日本語教育から考える」

と、

第1部第4章の「初年次教育んおける論文の書き方指導を考える 日本語学の有効活用は可能か」

を担当しました。

 

後者は昨年の成城大学でのシンポジウムを文字化したもので、

ゼミの先輩でもある石黒圭さん(国立国語研究所)、飯間浩明さん(三省堂国語辞典編纂者)、そして本書の企画立案者でもある東谷先生と、四人で台風がきた日に行ったものです。強行したんですよね。

でも、全国から大勢の大学の教員の方々がきてくださり、本当に有意義な時間でしたので目を通してもらいたいです。

 

これまで、日本語教育に携わる先生方への指導書的な書籍には、文章表現の授業の組み立て方やカリキュラムの組み方という切り口で、何度か寄稿してきました。

ですが、大学の初年次教育(大学一年生のための、レポートや論文の書き方をはじめとした文章表現)について、間接的にでも関ったのははじめてです。

2017年から、成城大学にて初年次教育の授業を担当していますが、それより前では初年次教育は、半期ずつくらい別の大学で教えていた程度で、とても新鮮な気持ちでここ2年過ごしています。外国人に対する日本語教育とはちがった問題がよこには横たわっており、それは果たして「文章表現」といったコマで扱う問題なのか、あるいはそれ以上の根深い問題があるのか、といったことをずっと考えています。

 

とにかく日本の学生たちは、高校3年までに徹底的に「学校人格」での文章表現を叩きこまれ、大学や試験に「通る」ための大人が喜ぶ文章、そして人格を操ることに長けてしまっている分、むき出しの自分を学校という「場」で表現することに、慣れていないどころか、頑なに抵抗をする人までいます。気持ちはわかります。大人や教員を信用していないからです。それは、18歳までに度重なる「教育」によって身体で理解してしまったことなのです。

 

つまり、外国人留学生(韓国、中国といった受験が熾烈な国は状況が似ているので置いておく)のほうが、表現という「出力」に関しては、ストレートに抵抗なく「自分」を出したり「意見」を述べることができている。なんか、おなじ年齢の学生の文章を読んでみると、スタート地点が違う気がしてならないわけです。

 

 

 

こうした問題意識だったり、単純に文章を書く、という作業をほとんどしていなくても入れてしまう大学が多く存在していたり、そもそもの学習意欲の問題があったりと、けっこう問題は多層的かつ複雑です。

が、ひとまずは目下の現実的な課題である「初年次教育」をどうしたらいんだ、と悩みまくっている現場の先生たちが、シンポジウムにも集結したわけで、そういう方々にとっては有用な情報や考察がふんだんに盛り込まれているのではないかと思います。

谷美奈先生の章とかホントおすすめ。

 

要するに、専門書です。

ファンは手に取る必要はないやつです。

お仕事報告的に記録しておきました。

こういうのけっこうちまちまやってんです。この仕事は自分のなかでは比較的大きいですけど。

 

東谷先生、ありがとうございます。

成城の学生は楽しいです。

 

2019.03 

posted by: サンキュータツオ | - | 01:30 | comments(0) | trackbacks(0) |-
【所属事務所・窓口について】 

こちらのブログは一年以上更新が滞ってしまいました。

この一年は、所属事務所の変更などもあり、

また多くの締め切りを抱えている状態でもしブログなど更新しようものなら、「こいつこんな時間あるんじゃないかと思われるのではないのか病」にかかってしまい、まったく更新できませんでした、お許しください。

 

ちょろっとした情報などはツイッターなどでつぶやいてるんですけど、ツイッターもおじさんメディアになりつつあるので、こういう記録の残る感じで書いておいたほうがいいかなと思いまして更新しておきます。

 

というわけで、昨年所属事務所が変更しました。

 

【お仕事窓口】
ワタナベエンターテインメント 担当:藺牟田(いむた)
米粒写経:https://www.watanabepro.co.jp/mypage/4000093/
サンキュータツオ:https://www.watanabepro.co.jp/mypage/40000223/


【原稿等執筆窓口】
39tatsuo@herikutsu.co.jp まで
(※個人メッセージ窓口ではありません)

よろしくお願いします。

執筆仕事に関しては専用の窓口を設けております。

 

ワタナベエンターテイメントさん、まさかの大ポップ帝国ですけれど、実は北野にいたときから吉田会長さんはじめライブに足を運んでくださっていたのが縁で、お世話になることになりました。

同様に、マキタスポーツ、プチ鹿島もこちらの所属になりました(担当マネージャーはそれぞれ違います)。

とにかく私どものことを知ってくださっていて、なんとかしようと思ってくださった、そのことがとてもありがたいし嬉しいです。

 

所属になってからも、事務所のライブなどにも出させてもらいました。

生え抜きの芸人さんたちのご迷惑にならないように、ぬるっと活動しますけれど、いつか恩返しできるような存在にもなれたらいいなと思ってます。

 

活動に関しても、理解をしていただいていて、

昨年から今年にかけて、コンビでの活動、とりわけ地方公演などを積極的に行ってきました。

米粒写経としての活動の幅も広がり、あとはコンビで番組など持てるところまで行きたいなあと思っています。

 

2019年3月で終わる仕事が多いです。

また、文化に関わる、すぐに結果のでない仕事、あるいは数字の出にくい仕事はどこも削減傾向なのかも。

それで私が消えていくのであれば、それも時代の定めなのかもしれませんが、チェックメイトになるまで、まだまだしぶとくがんばろうと思います。

いつ、どんな仕事が来ても大丈夫なように、刀だけは磨いておきます。

 

よろしくお願いします。

 

タツオ

 

2019.03.30

posted by: サンキュータツオ | お知らせ | 09:00 | comments(1) | trackbacks(0) |-
【朝日新聞 書評委員 任期終了】

2017年から2年の任期で務めた朝日新聞書評委員の任期が、この3月で終了です。

はじめての経験だったのでどれくらいの作業になるのかも想像がつかなかったのですが、終わってみればとても充実した二年間でした。

鞄のなかには常に本、「読みたい」から「読まなくてはいけない」になりそうでならないギリギリのラインで、それでもだれかにこの本読んで欲しいな、あるいは存在を知られていないだけでもっと多くの人に知ってもらいたい本だな、というものを書きました。

 

私の在任期間には、野矢茂樹先生や宮田珠己さん、山室恭子先生、小説家の佐伯一麦さん(大学一年のときに平岡先生から読みなさいと言われた小説家!)、美術評論家の椹木野衣さん、政治学者の齋藤純一先生(後輩のマザー・テラサワの指導教授だったそうです)など、個性的な顔ぶれでした。

新聞の書評においてはかなり挑戦的な書評、そして柔らかい書評をする面々が揃い、だれでもわかる言葉で本質的なことを言う人たちが多かったように思います。

私は、みなさんとご一緒して「しなやかな知性」とはなにか、と考え続けました。考えただけで、なんら身にはつきませんでしたが。

 

また、柄谷行人先生や横尾忠則さんともご一緒することもでき、18歳のときの自分に教えてやりたいことがまた増えました。

 

私が書評したのは全部で37本、昨年夏の「明治150年」の特集鼎談や「ひもとく」という特集ページでの書籍の紹介も含めると、だいたい1ヶ月に1.5本くらいの書評をやっている感覚でした。

 

私のだいたいの書評は、朝日新聞の「好書好日」というサイトで読むことができます。

この期間は読みたい本は後回しにして、ひとまず書評のことばかり考える毎日でした。

 

演芸では松之丞さんの本やたけしさんの本、上方らくごの書籍、広瀬さんの本や圓朝研究、

学術的な書籍では、重力派や坐の文明論、なぜペニスはそんな形なのか、悪態の科学、

文学ではヌーボーロマン、評論をはじめ、古典に関する書籍も紹介することができました。

日本語に関する書籍は、研究領域が近いぶん、なかなか機会に恵まれなかったのですが、それでもオノマトペの謎、ダーリの辞典など紹介できたのはうれしいです。

 

どれほど貢献できたかわかりませんが、日本で影響のある書評のひとつであることはたしかです。紹介すると本が売れます。重版がかかったなんて話も聞きました。

だからいい加減な気持ちでなく、心から惚れた書籍を紹介しました。

 

担当してくださった記者のみなさんにも感謝しています。

このような機会を与えてくださりありがとうございます。

 

いやー、それにしても芸人が書評委員をやる日がくるなんて。

最初の一年は最年少だったしリズムをつかむまでに時間かかった!

 

書評するタイミングがなかったけれども、ほかにも良書に巡り合うことができました。

これまで献本などもいただきましたが、一冊も読む時間がありませんでしたので、それじゃ意味がないと叱られそうですが、これからこっそり読もうと思います。

そして、これは委員を終わってから読もうと楽しみにしていた本も、これから読んでやろうと思います。

 

なんか隔週だったんだけど、この委員期間中にご一緒した方々との時間は、宝物でした。

 

タツオ

 

2019.03

 

posted by: サンキュータツオ | 書き物 | 06:58 | comments(0) | trackbacks(0) |-
【TBSラジオ『荒川強啓デイキャッチ』終了】

10年以上出演の機会を与えてくれた

TBSラジオ『荒川強啓デイキャッチ』

2019年3月で放送終了しました。

 

思い出がありすぎてなにも書けません。

この番組によって私は世に出たと思っておりますし、「メキキの聞き耳」での論文紹介、お笑い文体論を経て、書籍に繋がったりもしました。他局からもお声がかかるようにもなりました。

2014年からは「ニュースランキング」のニュースプレゼンターとして毎週木曜日に出演していました。

プチ鹿島、阿曽山大噴火という、昔から近いところで活動しているふたりと、出勤は半分とはいえばおなじ並びで仕事ができるのは悦びでした。

 

私が大学に入った1995年からはじまったこの番組、

思えば気付けば聴いている番組でした。

 

強啓さんの軽さ、それは毎日聴ける番組に必須のものと私は思っています。

どんなに真面目で重たいニュースでも受け止め、それでも真面目すぎず、ふざけすぎず。

対象との距離感があるからこそユーモアが出てくる。

 

芸人としても、人としても、これから生きるときに必要なことは、すべて、強啓さんに教わりました。

そして横浜ベイスターズについての想いを毎週木曜にぶちまけることも、もうなくなるかと思うと少々怖いです!

 

とはいえ、強啓さんが死ぬわけではないです。

強啓さんのことは最後の指導教授だと思っています。

 

こういう心の師ともいえる人が、私には気づいたらいてくれることが、なによりも幸せです。

 

これまで聴いてくださった皆さん、

関わってくれたスタッフさん、

杉浦舞さん、片桐千晶さん、

ありがとうございます。

 

強啓イズムを引き継げるよう、適度にがんばる。

 

タツオ

 

2019.03

posted by: サンキュータツオ | ラジオ | 23:20 | comments(2) | trackbacks(0) |-
【『談志独演会 一期一会(上)』解説を書きました】

ブルーレイBOX

竹書房『談志独演会 一期一会(上)

が2018年12月に発売になりました。

 

今回、私はこのシリーズの解説を担当しました。

CDでいうライナーノーツ的なものです。

 

正直言って畏れ多いです。

そして私なんぞが語ってはいけない巨大な存在です。

関係者の皆様には本当に申し訳なく思っております、

いろいろな方を差し置いて、と言われることも目に見えてますが、

お引き受けすることになったのです。

 

私よりふさわしい、資格のある方はたくさんいらっしゃいますし、

私には資格すらないと思っています。

 

とはいえ、これから立川談志を知る人にとっても、次世代との年齢が近い人が書いてみてもよいのではないかという制作者の意思を無碍にすることもできず、こうして世に出るまでになりました。

 

 

私は立川談志師匠を、なぜか「家元」と呼べません。「談志師匠」としか呼べません。

「家元」というと、どこか、仲間意識というか、連帯感のようなものがあるのかもしれませんが、

私にとって談志師匠は存命中も、そして亡くなってからも、

ずっとずっと遠い存在で、おいそれと「家元」なんぞという資格もない人間だと思っています。

 

でも、ひとつだけ自信をもっていえることがあります。

それは、談志師匠の落語が大好きで大好きで仕方ないということです。

こんなにピュアでロマンチストで粋で、面白い人はいないと思っています。

こういう最終形態を見せてくれたってことだけでも、もう感謝の気持ちしかないです。

 

というわけで、(上)に収録の8席に関して、

2018年の夏は何度も聴き、また過去の音源もあたり、聞き比べ、さらに記述のある書物を読むとか記録をひもとくとかして、談志漬けの日々でした。

それでもやっぱり飽きません。それどころか、まだ面白いです。

 

「線」で追う楽しさを最後まで提供してくれた人です。

 

そういえばこの年、「立川談志」は広辞苑に掲載されました。

まさか私がその広辞苑にちょっぴりとでも関わることになろうとは。

90年代、何度も「やかん」や「洒落小町」にぶつかっていた私に教えてやりたい。

ちなみに、私の担当ジャンルであった「田河水泡」の項目に、「落語作家としても有名。」の記述を入れたのは私です。

「猫と金魚」とかも入れたかったんだけど、それは叶いませんでした。

 

8席分の解説、買ってくれた人には、読んでもらいたいなあ。

渾身の力で、でもマニアックにならないように「文脈と味わい」を書いたつもりです。

 

(下)も出ます。そこでも全高座の解説を担当しました。

そうです、つまりずっと談志漬けです。

この噺のことを、談志師匠はどう思っていたのだろうか。そんなことを毎日考えています。

 

「ずっと考えさせてくれる」

そんな人なかなかいませんよ。

 

マニアからは袋叩きにされても構わないのです。

50年後くらいに、立川談志って人を聴いてみようと思った人が読めるものを心がけました。

 

2019.03

 

 

posted by: サンキュータツオ | 書き物 | 23:37 | comments(0) | trackbacks(0) |-
【サンキュータツオ 春日太一『ボクたちのBL論』河出文庫より発売】

2018年の仕事を振り返るシリーズ。

 

春日太一さんとの共著『ボクたちのBL論』が河出文庫から発売されました。

河出書房新社さんありがとうございます(担当の岩崎さんに感謝)。

 

こちらは、2016年の『俺たちのBL論』という単行本から大幅な加筆週世うを加えて改めね世に出した文庫です。

およそ2年半の間に、BLを取り巻く環境はまた激変し、

春日さんの腐メガネはクリンビューかけたんかというほどクリアになり、

最終的に、いま語っておかねばならぬことを一生分加筆するという、マジで大幅な加筆が行われました。

注なども2018年版として書き換えた箇所もあり、文字通り「版ちがい」といったくらい内容が変わりました。

 

 

出版記念イベントにも、私の聖地「ブックファースト新宿」(内田さんという超優秀な棚担当者のいる書店)に大勢の方がいらしてくださり、マジで感謝サンキュー★

せっかく来てくれたんだからと、当日限定のペーパーなんかも力入れて作ってきたりして、楽しい時間でした。


 

ペーパーの一部。

「信頼している腐女子」というテーマで何人かご紹介しました。

 

いやマジで環境変わりましたよ。

そしてもう引き返せません。

こうなると、この本が少しでも相互理解の手助けになると思います。

 

だいたいの壁やすれ違いは、想像力で補える、想像力がすべてを解決に導く、と私は思っています。

自分を否定されないかわりに、相手も否定しない。

そういう人間としての大事さも、BLから学べる!

 

というわけで、未読の方はぜひ買って読んでみてね。

 

タツオ

2019.04

 

posted by: サンキュータツオ | 書き物 | 22:35 | comments(0) | trackbacks(0) |-
【『ダ・ヴィンチ』書評コーナー担当しています】

お知らせ遅くなっておりますが、

昨年秋からKADOKAWAさんの月刊誌『ダ・ヴィンチ』にて、

ブックウォッチャーという形で連載の場をいただいています。

こちらも任期いっぱいまで精一杯やろうと思っています。

 

ぜひ、読んでみてくださいね!

 

 

 

こんな感じです。

いやー、それにしても『オフザロード』という本の感動がいまだ冷めやらず。

趣味全開のギンギンのやつです! 車好きは最高に楽しめる!

こういう本待ってたわァ。

 

そう思える本を毎月ご紹介しています。

なにかのキッカケになれば!

チェックしてね。

 

2019.04
 

posted by: サンキュータツオ | 書き物 | 17:17 | comments(0) | trackbacks(0) |-