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4月11日(土) 13:00〜14:00 浦和、須原屋本店にて、トークイベント
4月11日(土) 13:00〜14:00
埼玉県、浦和にあります、
須原屋さん
という老舗の書店にて、国語辞典のトークイベントをいたします。

浦和駅すぐ近くです。
詳細は上記のサイトにて。

この界隈に住む知り合い二人ほどから、
「ポスターみたぞ。地元に根付くいい本屋さんだぞ」とメールをもらいました。
愛されている書店!
うれしいです。

どんな人たちを前にしゃべるのか。
人前で国語辞典のお話をするのは久しぶりなので、さてどんな話をしようかなー。



posted by: サンキュータツオ | お知らせ | 14:58 | comments(9) | trackbacks(0) |-
サンキュータツオ著『ヘンな論文』KADOKAWA 発売! #daycatch #tbsradio
私がライフワークとしている「おもしろ論文探索」、
このほどついに書籍化しました!

サンキュータツオ『ヘンな論文』KADOKAWA(角川学芸出版)
(上はAMAZONのリンクです。すぐ買えます!)


税抜き1200円、税込み1296円です。

多くの人に読んでいただきたいため、印税を減らして安くしてもらいました。

研究はエンターテイメント!
知らないことを知る楽しさ。
わからないことを考える面白さ。


これを伝えたく芸人活動を続けているといっても過言ではありません。



▼論文収集のキッカケ
私が「ヘンな論文」の収集をはじめたのは、国語辞典収集とおなじく大学院時代からです。
早稲田大学の図書館は、ほかの大学にない規模の、素晴らしい図書館でした。
当然、全国の大学の紀要や論文誌も豊富に所蔵しており、最新の論文棚に通っていろいろなジャンルの論文を読んで、
「ああ、自分より無駄な時間の使い方をしているカッコいい大人たちがこんなにいる!」
と刺激されました。
もちろん知らない世界を知る楽しみもあり、普通に生きていたら出会わないであろう研究の世界の一端に触れ、こんな手法でやるのか、こんな研究が成り立つのか、と素敵な論文を発見するたび、感動しています。

▼ラジオ
2009年、TBSラジオ『荒川強啓デイキャッチ』の「メキキの聞き耳」という17時台のコーナーで、論文のメキキとして出演する機会を与えてもらって以来、コーナーが終了する昨年まで、月に1度、おもしろ論文を紹介してきました。
これをキッカケにして、2013年には『笑っていいとも!増刊号』に出演する機会をいただき、都合2度、こういった論文を紹介したりもしました。その他、ラジオを中心として、ちょろちょろと紹介させてもらっています。
今回は、コレクションのなかでも、ラジオ出演初期に紹介してきた13本の論文(主に2000年代後半に発表されたもの)を中心に書きました。
これが売れれば、第二弾、第三弾と新しい論文を紹介していけると思います!
ので、ぜひ買ってね★
書店でもアマゾンでも、キンドル(電子書籍)でもよいです。

▼紹介した論文

飯倉義之(2004)「奇人論序説 −あのころは「河原町のジュリー」がいたー」『世間話研究』第14号

小林茂雄、津田智史(2007)「傾斜面に着座するカップルに求められる他者との距離」『日本建築学会環境系論文集』615

松本健輔(2010)「婚外恋愛継続時における男性の恋愛関係安定化意味付け作業 −グランデッド・セオリー・アプローチによる理論生成−」『立命館人間科学研究』21

本多明生、大原貴弘(2009)「行動伝染の研究動向 あくびはなぜうつるのか」『いわき明星大学人文学部研究紀要』22

塚本浩司(2007)「コーヒーカップとスプーンの接触音の音程変化」『物理教育』第55号4

白井裕子(2006)「男子生徒の出現で女子高生の外見はどう変わったか −母校・県立女子高校の共学化を目の当たりにしてー」『女性学年報』第27号

今野洋子、尾形良子(2008)「大学祭における「猫カフェ」の効果 −「猫カフェ」体験型のAAE(動物介在教育)が来場者に及ぼす影響ー」『北翔大学北方圏学術情報センター年報』

中村太戯留(2009)「隠喩的表現において“面白さ”を感じるメカニズム」『心理学研究』第80巻1号 日本心理学会

永田順也、藤本淳也、松岡宏高(2007)「オリックス・バファローズのスタジアム観戦者の特性に関する研究−元大阪近鉄バファローズファンと元オリックス・ブルーウェーブファンに注目して−」『大阪体育大学紀要』第38巻

下家由起子(2008)「現代に生きるマゲ 〜大相撲現役床山アンケートから〜」『山野研究紀要』第16号 山野美容芸術短期大学

乾伸雄、品野勇治、鴻池祐輔、小谷善行(2005)「最長しりとり問題の解法」『情報処理学会論文誌:数理モデル化と応用』46

岡部和代、黒川隆夫(2005)「走行中のブラジャー着用時の乳房振動とずれの特性」『日本家政学会誌』56−6

伊藤紀之(2007)「湯たんぽの形態成立とその変化に関する考察」『共立女子大学 家政学部紀要』53


以上が、第一弾で紹介した、俺的イグノーベル賞受賞論文、「オレノーベル賞」の論文たち!

このほか、コラムでは、おもしろい画像の載った論文も紹介いたしました。
掲載許可をいただきました学会、大学、執筆者の皆様、誠にありがとうございます。
テレビ関係者の皆様、先生方を紹介するのは大歓迎ですが、研究の意図を汲んでくださいね!

▼コラムも必読!
1「論文とはどんなもの?」
2「研究には4種類ある」
3「画像がヘンな論文たち」
4「タイトルの味わい 研究者の矜持」

研究はエンターテイメント。決してわかりにくいものではない、楽しいものなんだ、読み方がちゃんとあるんだ、ということを書きました。

▼素敵なイラスト
書籍化にあたっては、イラストレーターの岡田丈さん(HPも素敵!)が、コミカルで愛らしいイラストを描いてくださいました!
すっげーうれしい!
しかもこの岡田さんはTBSラジオ「東京ポッド許可局」もお好きな許可局員だったということがのちに判明!
こんなにありがたいことはない!

▼電子書籍版には、特別コラムも
電子書籍版には、
「傾斜面に着座するカップル」の小林先生訪問記、
「コーヒーカップとスプーンの接触音の音程変化」の塚本先生訪問記
がついております。


どうかどうか、お買い求めありがとうございます!
土下座! お布施と思ってお願いします。

iPhoneImage.png

今日もどこかで、だれかが研究している!

良かったら、一緒に『国語辞典の遊び方』もどうぞ。おなじ出版社です。




 
posted by: サンキュータツオ | おもしろ研究論文 探索 (2009年11月〜) | 14:35 | comments(0) | trackbacks(0) |-
渋谷らくご(シブラク) 4月10日(金)~14日(火) プレビュー #シブラク #rakugo #ぷらすと
今月も「渋谷らくご」の時期が近づいてきた。
毎月第二金曜から5日間連続、
渋谷らくご
よろしくお願いします。

4月はこのような番組を組みました。
過去最高に真打の多い、豪華な番組になりましたが、
ちゃんと二つ目さん、若手真打を堪能できる贅沢な場所に入れておりますので、どうぞお楽しみに。


2015年4
10() 夕席
18─19
「ふたりらくご」
 
POISON GIRL BAND
立川こしら
夜席
20─22
「渋谷らくご」 立川吉笑、隅田川馬石
神田松之丞、立川生志
11() 昼席
14─16
「渋谷らくご」 三遊亭歌太郎、橘家文左衛門
瀧川鯉八、春風亭一之輔
夜席
17─19
「渋谷らくご」 柳亭小痴楽、瀧川鯉斗、立川こしら
瀧川鯉昇
12() 昼席
14─16
「渋谷らくご」 立川志ら乃、玉川奈々福、
春風亭昇々、桂春蝶
夜席
17─19
「渋谷らくご」 立川吉笑、柳家喜多八、
春風亭正太郎、林家彦いち
13() 夕席
18─19
「ふたりらくご」 瀧川鯉八、瀧川鯉昇
夜席
20─22
「渋谷らくご」 春風亭昇々、三遊亭遊雀、
神田松之丞、橘家圓太郎
14() 夕席
18─19
「ふたりらくご」 隅田川馬石、入船亭扇辰
夜席
20─22
林家彦いちプレゼンツ
創作らくごネタおろし会
「しゃべっちゃいなよ2」
柳家わさび、春風亭吉好、玉川太福、
立川志ら乃、林家彦いち
開場:各開演時間の30分前。(出演者は予告なく変わることがあります)「渋谷らくご」は持ち時間は30分。
「渋谷らくご」は、二席目と三席目の間に、1
分間のインターバルが入ります。


「渋谷らくご」を楽しむためには、なんの知識も準備もいりません。
想像する脳みそさえあれば、どなたでも楽しめます!
少しくらいわからない言葉があっても、そういうのがあるんだなくらいに思って聞けば大丈夫。すべてわかる必要もありません。
 
私の仕事はこの番組を組むまで、なのですが、もういてもたってもいられず、今月も見どころなどを簡単に説明したいと思います。
落語気になってんだよ、どこ観に行けばいいかわかんないんだよね、という方から、
普段の落語会とは雰囲気のちがう「なにが起こるかわかんないとこ」を見てみたいという上級者まで、
全方位で、どの回も楽しめる番組に設計したつもりです。

「渋谷らくご」は二つ目と若手真打中心の番組ですが、講談、浪曲、そして中堅、ベテランの域に入る方まで出演しております。
どなたか一人でも気になって追いかけてくだされば、最終的には落語界全体を俯瞰して観られるよう、工夫しているつもりですので、まずはこの「渋谷らくご」をプラットフォームとしていただけるとものすごくうれしいです。

全体としての見どころは下記です。
 
▼どの回でも充実のトリ陣 持ち時間は全員30分!
10の生志師匠、
11日の一之輔師匠、鯉昇師匠
12の春蝶師匠、彦いち師匠
13日の圓太郎師匠、
14日の彦いち師匠 

どの日のどの回にいっても安定感抜群の師匠方がトリをとってお客さんを満足させてくれるはずです。
二つ目も真打も、持ち時間は全員30分! 思い切り力が出るぶん、たっぷり楽しめます。最初の出演者から楽しめる番組です。
 
どなたでも楽しめる、新しい落語が生まれる瞬間『しゃべっちゃいなよ』
林家彦いち師匠の声かけではじまった、創作らくごのネタおろし会「しゃべっちゃいなよ」。
90年代には活発だった創作らくごの会も、あまりにエネルギーがかかることや、各自の独演会でのネタおろしに集中し、10年代ではあまり見かけなくなりました。彦いち師匠は、若い人にもとっつきやすい落語、昔の落語にはなかったモチーフやテーマで、落語の可能性を広げようと、この会を立ち上げました。歴史的な会です。
現代を生きる人であれば、だれでもが楽しめる創作らくご。ぜひお友だちをお誘いあわせの上、ご参加ください。

 
▼平日18時「ふたりらくご」にも注目
18時から19時までの一時間。ちょっと仕事を早めに切り上げてこられる人、学校帰りの学生、買い物の帰りに1時間、気軽に落語を聴くことができる平日の夕方公演。
10日の「ふたりらくご」では、漫才のPOISON GIRL BANDが初出演。立川こしら師匠が後ろの30分を務めます。熊と八が会話しているような落語的な漫才と、お笑いの人がやっているような漫才的落語。ものすごい化学反応が起こるはず。
13日の「ふたりらくご」では、今月「渋谷らくご」初登場の瀧川鯉昇師匠が、弟子の鯉八さんと師弟で一時間。いわゆる「親子会」といわれる番組になっております。
14日は隅田川馬石師匠と入船亭扇辰師匠という、それぞれコアな熱狂的落語ファンに愛されているお二人がまさかの邂逅。純米大吟醸は下戸でも飲める。ぜひ落語になじみのない方にも、この奇跡の組み合わせを観ていただきたい!
終わったあとに食事をして20時からの公演に来ていただくのもオススメ! 1200円で楽しむ1時間、お友だちを誘ってどうぞ。


▼10()ニコニコ公式生放送『WOWOWぷらすと』で生中継
2万以上を動員し、90%以上の満足度を獲得する「渋谷らくご」の中継。
もちろんアーカイブには残しません。ストリーミング配信です。
出演者の方々にご協力いただき、ありがたく中継という段取りとなりました。ぜひ現場に来ていただきたいです。
落語はお客様と一緒に作り上げる演芸ですので! 
なお、ご来場のお客様はなんら気を使う人はありません。顔も映りませんし、無理に笑う必要もありません。あくまでメインは、会場にいるお客様です。

あとは、充実のラインナップ、具体的に見どころを手短に説明したいと思います。

※「渋谷らくご」には、二席目と三席目の間に「1分間のインターバル」が入ります。
これは、休憩ではなく、「脳を休める時間」です。
落語は脳をつかい想像し楽しむものです。普段あまり使っていない人でも、使っている人でも、2分休めると、より楽しめると思います。
※また、「脳の筋肉使用」の目安を三段階で設けました。初心者でも楽しめるかと思いますが、脳筋肉痛に注意してください。
※「渋谷らくご」は、開演してすぐ出てくる人から30分をお任せし、「トリ」のつもりでやってもらいます。出演者全員「トリ」です。また、出演順は年功序列ではありません。最初からトップギアでお客様を楽しませることをモットーとしております。
※開演前と終演後に「落語体験」というトークコーナーがある回があります。あくまでおまけのようなもので、いろいろな仕事の方をお呼びして、落語を生で体験し、現代人としての意見をうかがいます。お時間ある方はおつきあいください。
 
 
 
▼10 金 18:0019:00 「ふたりらくご」  脳の筋肉使用
立川こしら たてかわ こしら
POISON GIRL BAND ぽいずんがーるばんど
 
POISON GIRL BANDは、00年代のお笑いブームのなかにあってもっとも影響力のあった「M-1グランプリ」において、三回も決勝に進出した東京漫才界の至宝です。私はいまでもお金を払って彼らの漫才を観に行っています。
彼らの魅力をわかっていただける場所はどこか? 考えたら、落語のお客さんかもしれない、と思いました。いわゆるボケ・ツッコミ的な漫才とはちがって、まるで落語の熊さんと八っつぁんがしゃべっているような、ふたりともどこか抜けている感じ、愛らしい会話。ずっと聴いていられるのです。そして、そんな彼らのファンの方にもまた、落語の幅広さを味わってもらいたい。そういったわけで、まずは「ふたりらくご」で、立川こしら師匠と共演、という形にしました。
「渋谷らくご」の漫才は初登場です。漫才の破壊者、POISON GIRL BANDと、落語の破壊者、立川こしら。この二組を一緒に見ていただければ、破壊こそ創造、という見方もできるかもしれません。
談志師匠の孫弟子の、こしら師匠。すべてが「落語家らしからなぬ」ところが魅力です。髪は染めているし、ネットゲームはやるし、とにかくITに強い。「現代人が落語をやっている」とリアルに実感できる方です。この二組の化学反応に期待!

 
 
▼10 金 20:00〜22:00 「渋谷らくご」  脳の筋肉使用★★
立川吉笑 たてかわ きっしょう
隅田川馬石 すみだがわ ばせき
神田松之丞 かんだ まつのじょう
立川生志 たてかわ しょうし
 ◎ニコニコ生放送にて、生中継!ライブストリーミング
 
およそ二万人の潜在的落語ファンが視聴する「渋谷らくご」のストリーミング配信。
ご理解のある演者さんのご協力と、配信スタッフの心意気だけでもっているのだが、生志師匠の熱演がはやくも会場のお客さん、そして視聴者の間でも話題になっている。「紺屋高尾」「柳田格之進」と、名演を残したからである。
また、松之丞さんは前回の出演時、「末広亭でつるんつるんに滑ってきたところ」という話から入り、一瞬にして観客の心をわしづかみにするマクラで強烈なインパクトを残した。
この回は、若き天才、立川吉笑からはじまり、馬石師匠の本当に粋の美学が詰まった無駄のない落語が炸裂し、講談の松之丞さんが8年目とは思えない堂々たる高座をつとめ、トリの生志師匠がなにをしてくださるのか、楽しみに待つという、最初から最後までまったく気を抜けない回です。
生志師匠の緩急自在、表現力のありあまる高座は、あのかわいらしい出で立ちからは想像もつかないような登場人物たちの人物像を活き活きと再現してくださいます。馬石師匠の、省略の美学ともいえるいなせな落語も、吉笑さんのロジックの落語も、すべて落語。その懐の深さを堪能してください。
 
 
▼11日 土 14:00〜16:00「渋谷らくご」  脳の筋肉使用★★★
三遊亭歌太郎 さんゆうてい うたたろう
橘家文左衛門 たちばなや ぶんざえもん
瀧川鯉八 たきがわ こいはち
春風亭一之輔 しゅんぷうてい いちのすけ
 
文左衛門師匠と一之輔師匠。この組み合せに心躍る人も多いと思います。
文左衛門師匠は、先月の「猫の災難」では、ただ、どうしてもお酒を飲みたくなった人がお酒を飲む、これだけのシーンだけで爆笑を誘い、直木賞作家 三浦しをんさんを感動させました。いかつい出で立ちの師匠がかわいく見える、それが落語の芸のマジック! 文左衛門師匠、実はロックバンドなんかもやっていたりして、歌もお好きなんですよ。親近感湧きますよね!
一之輔師匠は、ユニクロのCMでもおなじみですが、毎週日曜日には朝から生のラジオ番組「サンデーフリッカーズ」のパーソンリティをなさっていたり、この3月までは「酒とつまみと男と女」というBSの番組で、ただひたすら酒を飲む、なんていう番組でもレギュラーで出演していたりした大の酒好きでもあります。そんな師匠が土曜にいくら飲んでも、日曜の朝の番組を欠かさない、というのが、ホントにすごいです。
さて、そんな両巨匠の激突の間に、「渋谷らくご」は二つ目さんの奮起を見てもらう、ということで二つ目さんをフィーチャーするのが慣わしです。トップにでる歌太郎さんは、後ろに文左衛門師匠、一之輔師匠が控えるとあって、なんとか存在を最後まで記憶してもらおうときっとがんばってくれるんじゃないかなと。そして鯉八さん。独特のキャラクターと落語で、両師匠を喰うか!?
最初から気を抜かずに見てください! とっても貴重な回です。
 
 
▼11 土 17:00〜19:00「渋谷らくご」  脳の筋肉使用★★
柳亭小痴楽 りゅうてい こちらく
瀧川鯉斗 たきがわ こいと
立川こしら たてかわ こしら
瀧川鯉昇 たきがわ りしょう
 
鯉昇師匠、渋谷らくごに降臨! 記念すべき回です。
シブラクではおなじみの鯉斗さんや鯉八さんの師匠、瀧川鯉昇師匠。「春風亭」から「瀧川」に名前を変えたのが05年なので、ちょうど「瀧川」という亭号が復活して10年、いまや10人以上の門弟をかかえる大きい一門になった。私が鯉昇師匠を知ったころは、まだ弟子をとっていなかったし、ご結婚もされておらず、お見合いを50回以上したことがあっていまだ独身、というのをよくマクラでおっしゃっていたが、古典の本格派としてすでにその名を知られた存在だった。そんな鯉昇師匠のお弟子さんも多彩で、暴走族出身の鯉斗さんもいれば、新作をやる鯉八さんもいる、まさに「自由」な一門だ。基本がしっかりしている師匠に学び、個性を発揮したいという人が集まっているように見える。まずはこの、鯉昇師匠の、おばちゃんかおじさんがわからない境界線にある存在感を味わってもらいたいです。
というわけで、小痴楽さん、鯉斗さんというヤンチャな二つ目さんコンビの奮闘を聴いてもらいつつ、こしらさんという異分子が「アーティストにしては落語がうまいほう」(本人談)という落語モドキを演じ、最後にちゃんとした落語を聴いていただきたく思います。
 
 
▼12 日 14:00〜16:00 「渋谷らくご」  脳の筋肉使用★
立川志ら乃 たてかわ しらの
玉川奈々福 たまがわ ななふく
春風亭昇々 しゅんぷうてい しょうしょう
桂春蝶 かつら しゅんちょう
 
立川志ら乃師匠、このほど国立演芸場の花形演芸大賞銀賞を受賞した。国のお墨付きが出た、ということである。これが「立川志ら乃」のとって、どれくらいすごいことか説明しておくと、まず落語界内に「賞」が非常に少ないということと、賞があっても参加できる落語家が限られている、ということを知っておかなければならない。つまり、寄席の定席に出ている、落語協会と落語芸術協会の落語家しか参加資格がない賞もあるのだ。そんななかにあって、立川流の若き真打がこの賞を受賞するということは、ほぼ「一回しかないチャンス」をものにしたということと同義だ。しかも、志ら乃師匠は、NHK新人演芸大賞で大賞を受賞しており、コンテストでの勝負強さはすごい。真打トライアルでは非常に苦労した師匠だが、その経験がコンテストに活きているのだろうか、とにかく喜ばしいことだ。そんな志ら乃師匠がトップから飛ばしまくる。こういう位置で出てくださることもありがたいし、志ら乃師匠がトップで出る落語会もほかではありません。
この回では、浪曲の奈々福さん、そして上方落語の桂春蝶師匠に挟まって、二つ目さんをもみます。それが春風亭昇々さん。昇々さんはシブラクレギュラーとして月二回のペースでヘビーローテーション中ですが、創作に古典にさまざまな魅力を持った若手注目株です。必ずや世に出ます。最初から最後まで非常にエッジの効いた回になると思います。
 
 
▼12 日 17:00〜19:00「渋谷らくご」  脳の筋肉使用★★
立川吉笑 たてかわ きっしょう
柳家喜多八 やなぎや きたはち
春風亭正太郎 しゅんぷうてい しょうたろう
林家彦いち はやしや ひこいち
 
 芸人は、普通の人の人生を歩まないという意味では「冒険家」です。また、お客さんは、そんな彼らの日常を「非日常」の話ときくことを楽しみにしています。つまり、芸人は「冒険譚」をするのが使命のような部分もあります。彦いち師匠、先月のシブラクには出演していなかったですけれど、それはヒマラヤに行っていたらから。普通の会社員が長期休暇して行くのはなかなか難しい場所です。彦いち師匠、お仕事お忙しいなかでも、むりやり時間を作ってヒマラヤにいって、帰って写真だけでおしゃべりする「エベレストしゃべり倒し」を先日を開催していました。なんというフットワークの軽さ、なんという芸人性。芸人も、日常に埋没してしまいがちです。いま無理やり動かなくても、まわっているという世界のなかで、自分からアクションを起こすことに、みな疲れてしまいがち。そんななか、彦いち師匠はこの「渋谷らくご」でも創作らくごネタおろしの会を企画してくださったり、「この回でこないだネタおろししたネタやりたい!」とおっしゃってくださっています。つまり、この回で彦いち師匠が演じるネタは、前回の「しゃべっちゃいなよ」で演じたネタです。どう変わっているのか、楽しみです。初めて聴く方もぜひお楽しみに。
 通りすがりの天才、二つ目の吉笑さん、そして私が大好きな喜多八師匠、先月は「愛宕山」を熱演してくださった二つ目、正太郎さん。個性的な面々が揃った回です。必ずや満足していただけると思います。
 
 
▼13 月 18:0019:00 「ふたりらくご」  脳の筋肉使用★★
瀧川鯉八 たきがわ こいはち
瀧川鯉昇 たきがわ りしょう
 
今月「渋谷らくご」に初登場してくださる鯉昇師匠。その鯉昇一門にあってひときわ異彩を放つ鯉八さん。
落語を聴いてみれば、まったく方向性が違うような二人に見えますが、こうして親子会的な雰囲気で見てみると、その神出鬼没といってもいいような、飄々とした佇まいが師弟で共通していることが伝わってくるかと思います。
落語の世界には「フラ」という言葉があります。「持って生まれた面白さ」とでも言いましょうか、なにもしゃべらなくても、なんかおかしな空気を持っている人。私はこのフラでさえ、演出として意図的に出せるものだという立場の考え方なのですが、意図的かどうかは置いておいて、このお二人には「フラ」があります。
次にどんな言葉が出てくるのか、つい期待をしてしまう落語家。非常に貴重な存在ですが、鯉八さんが鯉昇師匠に入門したことは、最初はとても不思議でしたが、よくよく考えてみればわかる気がします。「この師匠に学べばまちがいない」、爆笑の神髄を知る師匠から、弟子がどのようにそれを学んだか。ぜひ堪能していただければと思います。
ハッキリいって、こんなにお得な会はありません。業界広しといえども、渋谷らくごだけです。そうそう何回もできるものでもありません。この機会をお見逃しなく。
 
 
▼13 月 20:00〜22:00 「渋谷らくご」  脳の筋肉使用★★★
春風亭昇々 しゅんぷうてい しょうしょう
三遊亭遊雀 さんゆうてい ゆうじゃく
神田松之丞 かんだ まつのじょう
橘家圓太郎 たちばなや えんたろう
 
ものすごい力と力の激突が起こるであろうこの13日の夜。
昇々さんはどんなときでも必ず結果を残してくれる、ものすごい二つ目さんです。古典もできるし新作の完成度も高い。「落語っておもしろいなあ」と思えることはまちがいないですが、誤解しないでください、おもしろいのは、昇々さんです。
遊雀師匠、おしゃれなオジサマがお昼から一杯ひっかけてきて話し相手になって聴いてる、くらいの感覚で聴くと最高です。古典落語を、力まずに、70くらいの力で100点の結果を残すという、寄席の落語家さん特有の雰囲気がたまりません!
そして、神田松之丞さん。古典の鬼が前後にいるなかで、果たしてどうでるか? 渋谷らくごは忙しいなかスケジュールを縫って出てくださっています。DVDも出ているので、ぜひ観てみてください! ちなみに、趣味は「落語を聴くこと」。チェスが趣味の羽生善治名人みたいですね。よくぞ講談を選んでくださった!
 トリの圓太郎師匠は2月「化物使い」、3月「棒鱈」と、会場を爆笑に包んで、まさに鬼気迫る出来だったと会場のお客様からの感動の声が届いています。そんな圓太郎師匠は福岡出身、意外にも元は不良だったということですが、やんちゃな部分があるのは面白くなる要素のひとつですね。
 
 
▼14 火 18:0019:00 「ふたりらくご」  脳の筋肉使用★★
隅田川馬石 すみだがわ ばせき
入船亭扇辰 いりふねてい せんたつ
 
とんでもない番組になってしまった。
この日の「ふたりらくご」、紆余曲折を経て、このお二人での会になったわけですが、贅沢すぎます。今後あるような番組ではありません。いったいどうなるのか、まるで想像が尽きません。どうか、はじめて落語を聴くという方にぜひ観ていただきたい!
馬石師匠、スラっとしていて手が長い。江戸の職人や、気の早い棟梁、市井の人を演じているところがもう抜群にいい! モタっとやらない。「もう少し観ていたいな」くらいのやりとりで切り上げるアッサリ味がまたたまらない。決して物足りない、というわけではなくて、そうしてアッサリやってくれることで「余白」が生まれるぶん、あの棟梁は普段からああなんだろうなあ、とか、あの二人はいっつもこんなやりとりしてるんだろうなあとずっと想像できる。それが楽しい。
扇辰師匠。スピードでまくしたてるわけでもない、オーバーに演じるわけでもない。静かに語り始めるのに、「圧倒的」なのだ。
このお二人が繰り広げる「一時間」は、ファンタスティックな体験になると思います。2本のお芝居を観たような気持ちになるほどに濃密な時間を過ごせることをお約束します。
 
 
▼14 火 20:00〜22:00 林家彦いちプレゼンツ 創作らくごネタおろし会 「しゃべっちゃいなよ」  脳の筋肉使用★★★
柳家わさび やなぎや わさび
春風亭吉好 しゅんぷうてい よしこう
玉川太福 たまがわ だいふく
立川志ら乃 たてかわ しらの
林家彦いち はやしや ひこいち
 
猛烈な熱気のうちに終了した第一回創作らくごネタおしろ会「しゃべっちゃいなよ」。
何度も言いますが、日々オーバー60歳のお客様を相手にすることが圧倒的に多い落語家さんにとっては、落語を新しく創作するメリットはあまりないかもしれません。落語家と聴いてまずイメージするのは「古典落語」を演じる人のことであり、また寄席に来るお客さんが求めるものも大概は「古典」を求めてくるのです。そんな心の葛藤を、先月春風亭百栄師匠は創作「天使と悪魔」で演じられていましたが、落語界で創作(新作)を求められている場所は極めて少ないのです。
ですが、それだけではお客さんが先細るだけだ、どうしても見た目にわかるわかりやすさや面白さ、同時代感が必要だ、と考える演者さんたちがいます。そしてその人たちは、自分の主催する独演会という、自分の「理解者」が一番多い場所で、創作のネタおろしをして、自信をもらうのです。ですから、創作の、しかもネタおろしを、自分の会ではない落語会でやることに、なんのメリットもありません。ですが、「渋谷らくご」という、若いお客さんが集う場所だったら、と決意してこの胃がヒリヒリする会に出演してくださる演者さんがいます。だからこそ、「しゃべっちゃいなよ」は二回目を迎えることができるのです。こういった会は、落語会が多く開催されていても、なかなかほかにありません。業界の注目度も非常に高い回です。
前回の「しゃべっちゃいなよ」が終わったあと、玉川太福さんから直接、「出させてもらえませんか」と連絡をいただきました。こんなにうれしいことはありません! 花形演芸大賞銀賞の志ら乃師匠に、ネタおろしの会どうですか、とうかがったら「のぞむところです」とお返事いただきました。
林家彦いち師匠が音頭を取るこの回に、熱意のある演者さんたちが集まってくださっているます。
二つ目のわさびさんは古典も創作も手掛ける方、オタク落語の吉好さんは創作を大量になさっている方。今回も、個性豊かなメンバーが揃いました。
歴史に立ち会ってください。
 
どの回も見逃せない!
だれかに勧めるのなら、まず「渋谷らくご」!
落語初心者から、落語通まで。全方位落語導入イベントです。どうぞお楽しみに!


 
posted by: サンキュータツオ | 渋谷らくご | 19:07 | comments(2) | trackbacks(0) |-
<読売新聞 連載:サンキュータツオのただアニ!『弱虫ペダル GRANDE ROAD』>


本日発売の読売新聞夕刊、
月一連載の「サンキュータツオのただアニ!」(ただのアニメには興味ありません!)。

『弱虫ペダル GRANDE ROAD』を紹介しました。
テレビアニメでは難しいと思われていた自転車競技もの。
それを可能にしたCGと手描きの融合。
さらに、超ヒール役の御堂筋くん。

今シリーズはインターハイを描き、ほぼ全編レース中という内容ですが、
ものすごく楽しい!

今泉と坂道の間にもののけ化した御堂筋くんのカットをカラーで紹介できたのがなによりもうれしい!

ぜひ読んでいただければ思います。

 
posted by: サンキュータツオ | 書き物 | 12:26 | comments(0) | trackbacks(0) |-
TOKYO FM『妄想科学デパート AKIBANOISE』、ありがとうございました。
TOKYO FM『妄想科学デパート AKIBANOISE』、聴いてくださった皆様、誠にありがとうございました。
25日25時からの放送をもって、番組は最終回を迎え、2年間の放送が終了しました。
 
TOKYO FMが25時台を大変革するという話ではじまった、2013年4月からの30分番組。
私は、番組の顔合わせではじめて もふくちゃん に会い、番組がスタートすることになりました。



番組公式HP
番組は、次世代のクリエイターに聴いてもらいたい、ということで、商品開発の過程を含めてそれをすべて放送しちゃおうという趣旨のもの。
もふくちゃんは、当時は「でんぱ組inc.」などのプロデューサーにして、秋葉原ディアステージを経営するモエジャパンの経営者でもあった。面白い女性ですよね。時代を象徴してます。
私は、メインパーソナリティとも、アシスタントとも、最後まで説明されたことはなかったのですが、三次元のアイドルをプロデュースするもふくちゃんと、二次元専門の私、ということで秋葉原文化をカバーするぞ、みたいな雰囲気です。

音楽を作っている人、流通している人、コンテンツを作っている人、売っている人、歌っている人、システムを組む人、書く人、本当にいろんなクリエイターのみなさんと出会えて、すっごくおもしろかったです。毎回収録に向かうのが楽しみでした。
番組で作ったCDとかも売ったりして、いろんな妄想商品を具体化していく感じです。

いくつかの改編を耐え、2年間もあの時間帯で続いた番組になったのは、まさにもふくちゃんパワーでしょう。
ラジオ局側と、ラジオ局がほしがっているアイドルの会社との結節点になっていたのが彼女だったんだと思います。
2年目以降は、そんな事情からかアイドルさんの出演が増え、毎週のようにアイドルさんをメインにお話をきく内容がほとんどでした。

個人的には、もふくちゃんは興味深い人物であるし、彼女の生の声を拾える数少ない機会だったので、NHKのNEWS WEBでは聴けないような話もたくさん聴いてきたということもあって、そういったものをオンエアできるような番組にしていきたいなあと考えたり、それらをアーカイブ化していけば、まだ番組の存在を広め、そういった話に興味のある人たちにリーチできる自信があったのですが、2年かかってもそこにいたることはできませんでした。

アイドルさんたちはもふくちゃんだけに挨拶をし、局の社長もプロデューサーも、わざわざスタジオの外にもふくちゃんだけを呼び出して挨拶する雰囲気。会議や食事会などにも一度も呼ばれたことがなければ、最終的にイベントにも声をかけられず、番組終了が決定した最後のイベントも、「この日になりましたー」という報告を受けたとき、すでに私のスケジュールは埋まっていたという次第で、リスナーのみなさんにはまったくご挨拶できず終い。正確にはどの人がプロデューサーかも自己紹介されたことがないのでわからないですが、それらしき人に2年の間で挨拶しても無視しかされないという、よくわからない局でした。
早い話が、私は現場のスタッフが挙げた人選でキャスティングされたまでなので「よく素性のわからない芸人」ということだったのでしょう、扱いにくかったんだと思いますが、それはそうだろうなと思います。私は、説明しにくい芸人なので。
むしろそういったポジションを自覚するまでに時間がかかってしまった私の未熟さだったのですが、そういった事情で、だれでもよいというようなポジションにハマったわけですが、そこはそれ、はじまりはそうでも、「タツオでなければならない」というところまでがんばってもっていこうと思って毎回収録にのぞみました。そこは、張り合いのあるところでした。

番組の現場スタッフはそんななかでもがんばっていて、柴崎Dと構成作家のエドボルさんは最後まで士気をさげず仕事していました。
もふくちゃん、柴崎D、エドボルさん、そしてリスナーのみなさん、そういった方々に会えたことはとても幸せなことでした。
そして彼らとの付き合いは今後も続いていけたらいいなと思います。
彼らは携わった番組は成長しているし、仕事も増えています。もふくちゃんも新たなアイドルのプロデュースをはじめています。私も同時期にTBSラジオではじまった『東京ポッド許可局』は昨年日比谷公会堂を埋め、この春から三年目を迎え時間帯も変わります。
そう思うに、これだけ着実にものを成長させることができる人たちが集まっているのだから「もっとやりようはあったはず」という想いはあるのですが、志半ばで終わったという感じもあるし、いや、半年とか一年で終わるはずだったけどよく続いた、とも感じます。とにかく、現場にいない人たちの間でいろいろ決まっているものが多かったようで、これは構造破綻というべきか、システム上うまくいくわけがないので、そんななかでも楽しい番組ができたのは本当に救いでした。

私のことを知っている人はわかると思うのですが、私はこういう内情のことを書いちゃう芸人なのです。
番組のシステムの話と、内容の話、出演者の話はすべて切り離して考えるべき、なのでしょうが、私はこれらは関連付けて考えないと、いいものは作れないと思います。
有名な人だけを出して、いまだアンケートでの聴取率調査を唯一のデータとしてスポンサーを募る、といういまのラジオ業界の在り方では、右肩下がりになっていくことは必至です。内容はともかく「あの人出てたな」だけが重要になるからです。
志のある局や番組は早くからこのことに気付いて、従来の方法とはちがうアプローチの仕方で番組を誠実に作っています。スポンサーの在り方も、従来の方法ではなくなるかもしれません。少なくともいまのままのラジオの聴取率の調査方法が続くのであれば、そういうことになるだろうと思います。

番組自体はポテンシャルを秘めていつつも、「次に欲しい人」への橋渡しという役目が終わったから、この番組は終わるのです。
そういった意味では健全な役目を果たしたともいえます。
ただし、いろいろなことが宙ぶらりんになっていたように思うリスナーも多かったと思います。ですが、こういったこともあるということを、批判的にではなく受け止めてほしいと思います。

私はこの局ではまだ「素性のわからない芸人」であり、「交換可能なアシスタント」みたいな存在にしかすぎませんでした。
そしてそのポジションで居続けるには、私はあまりにも自我が強すぎると改めて自覚しました。
私には時間はありません。早くそうではない存在になるために、これからも精進したいと思います。


 
posted by: サンキュータツオ | ラジオ | 11:22 | comments(0) | trackbacks(0) |-
<『DVD&ブルーレイ VISION』連載:サンキュータツオのアニメ論考 『夜ノヤッターマン』>


毎月20日発売、『DVD&ブルーレイ VISION』、
連載「サンキュータツオのアニメ論考」。



今月は『夜ノヤッターマン』!
ポッドキャスト「熱量と文字数」などでもなかなか話す機会がなかったので、ここでたっぷりと。

読んでみてくださいませ。
posted by: サンキュータツオ | 書き物 | 00:43 | comments(0) | trackbacks(0) |-
TBSラジオ『安住紳一郎の日曜天国』&『荻上チキ SESSION-22』 出演しました!
拙著『ヘンな論文』(角川学芸出版)3月26日の発売にあわせて、
世界で一番最初にこの本の内容についてお話する機会を与えてくださったのは、
TBSラジオ『安住紳一郎の日曜天国』です。
3月15日に出演いたしました。

安住さんは、一昨年『国語辞典の遊び方』を出版した際にお声をかけてくださり、ありがたいことにこの放送を聴いてくださったメディア関係者からも多くの反響をいただきました。
そもそもはとある番組の前説で国語辞典を十数冊か持ち込んで話していたのを司会の安住さんが前室で聴いてくださっていたのを覚えていてくださり、番組に呼んでいただいたのですが、それから日本語に関してのことでまた出演の機会を与えてくださったりもし、大変ありがたいことです。
そして、3回目の出演となった今回は一年半ぶりにスタジオにお邪魔したのですが、本当にしゃべりやすい雰囲気で、朝の番組ということもあり個人的には多少落ち着いた声でゆっくりしゃべってみたのですが、どうだったでしょうか。
気になった人が、本を読んでくださると、いいな☆


19日には、TBSラジオ『荻上チキ SESSION-22』に呼んでいただきました。
荻上さんの番組には、バスケット関係の話と、論文の話で出演したことがあります。
24時台のミッドナイトセッションの時間に、今回は、NBAの話をたっぷりとしゃべる、そしておまけで『ヘンな論文』を紹介する、という形で出演いたしました。
楽しかったァ!
今年のゴールデンステート・ウォリアーズは、これまでのバスケットの在り方、NBAという世界最高峰のバスケットリーグの、ファイナルの戦い方を根底から覆す可能性を秘めたチームで、その超攻撃的スタイルが、守備力優位の歴史のなかでどこまで通用するか、本気で見物です。

荻上さんといえば、放送中にも話題になりましたが、少し前の『SPA!』で専門紙についての対談をしました。

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おもしろかったなァ。チキさんいちおしは、『パンニュース』でした。
目の付け所も素晴らしいし、頭の回転も速いし、あったまいい人って、気持ちいいね!すごいや。
日々呑気に生活していると、こういう人にお会いしたとき、めちゃくちゃ楽しい時間になる。
あれ、だから、日々呑気に暮らしていきましょうって結論?

この時期に出演させてもらって、本当にありがたい限りです。
さすがTBSラジオです。

引き続き『荒川強啓デイキャッチ!』、『東京ポッド許可局』をよろしくお願いします。
許可局は、4月から土曜27時に時間移動しますので、おまちがいなく。

 
posted by: サンキュータツオ | 書き物 | 01:06 | comments(0) | trackbacks(0) |-
「渋谷らくご」(#シブラク #rakugo)3/16日 20-22時「まくら王」 レビュー 笑福亭羽光/桂宮治/瀧川鯉斗/柳亭市楽/春風亭昇々/立川志ら乃
3月16日 月 20:00〜22:00
「まくら王」
ご挨拶:立川志ら乃
笑福亭羽光
桂宮治
瀧川鯉斗
柳亭市楽
春風亭昇々
立川志ら乃-文七元結

この回のレビューは、落語系女子(らくじょ)タレントの池田裕子さんにモニターをお願いして書いてもらいました!
池田裕子さんは、シブラク設立の2014年11月から落語に目覚め、以降毎月シブラクに通ってくださっている落語系女子!
好きな落語家さんは、入船亭扇辰師匠。独演会にも行かれたそうです。
そんな裕子氏に、「まくら王」はどう映ったのか?
 
▼タツオによるプレビュー

「まくら王」、そもそもの設立の意図は、 「おもしろい人が落語をやればおもしろくなるわけだから、まずは落語の練習ではなくて、おもしろい漫談をするところから見てもらったほうがいいのではにないか」というところにありました。
どうしたって落語は、異世界の話です。演芸に触れたことがない人は、異世界というだけで壁を感じてしまうかもしれません。映画を観ない人に、いきなりファンタジーを見せて、「これはなに?」と言われるのとおなじくらい、ナンセンスなことなのですが、壁を感じてしまうのはどうしようもありません。なにも身構えなくても、なにも勉強しなくても、落語は楽しめる。想像さえしてくれたらいいのです。
では、壁を感じないためにどうすればよいのか? しゃべる人は、自分と等身大の、現代人であることを実感してもらうしかありません。おなじ世界に生きてて、何を思うのか、どう切り取るのか、自分の身の回りの話で、どれだけ共感させたり、興味をもってもらうのか。そういうのがいまの言葉で語られれば、「あ、落語家さんも、おなじ世界に生きているんだ」と思ってくれるにちがいない。
今回は5人の二つ目さんにお願いしました。1015分の漫談です。小噺もあるかもしれません。
そんな5つの「まくら」のあとに、トリの志ら乃師匠に、どれかひとつを選んでもらい、その「まくら」のあとに演じる落語を、やってもらいます。お楽しみに!


▼レビュー



5人の噺家さんがまくらだけを話すという企画「まくら王」。今回からは少し変わって、5人のまくらを受けて真打の噺家さんが落語を一席話してくれます。いつもとは違った顔が見られて、なんだか親近感が湧いてくるのでこの企画が大好きです。
 


今回のトップバッターは笑福亭羽光さん。落語まくらあるあるをお話ししてくれました。落語初心者の私でも「こういうの聞いたことある!」と共感できたのが嬉しかったです。以前のまくら王で「セックスできるかランキング」をお話しされていた姿が印象的だったのですが、今回はゲス度の低い羽光さんが見られました。



お次はそんな羽光さんよりゲスだという桂宮治さん。羽光さんにまつわるゲスエピソードを次々暴露されていたのですが、これが本当にゲスかったです。もっと聞きたかった!



瀧川鯉斗さんは、あまり事前に決めずにその場の空気でお話しをされていた印象。とっても勢いのある姿がが見ていて楽しかったです。



柳亭市楽さんは、ゲスなお話をする方々の中で正統派な爽やかさが際立っていました。爽やかですが物足りない感は全くなく、しっかり笑わせてくださいました。今回のまくら王唯一の良心。



最後はゲイ話で会場を盛り上げてくれた春風亭昇々さん。以前、昇々さんが落語の中で演じる女性を見て「あんまり女の人が好きじゃないか、身近に女の人がいないのかも?」と思っていたので、なんだか納得。最後は着物がくちゃくちゃに乱れるほどの熱を発しておられました。


 「二万でどう?」「知らないご当地アイドル」「ググる」「ゲイセンサー」などなど、5人の噺家さんの口から俗っぽい言葉がバンバン飛び出すことに驚きです。もっとお上品な言葉を使うものだと思っておりました。ましてや噺家さんが乱れた着物で座布団を抱きしめながら転げ回る姿なんて、一年前は想像もしていませんでした。落語って自由なんですね。落語界にタブーは無いのでしょうか!?
 
この自由すぎる5人の二つ目さん達のまくらを受けて登場した立川志ら乃師匠。



登場するやいなや、なんとまくらなしで一言目からいきなりの落語本編!漂う緊張感!一瞬で会場の空気が変わります。それまでの流れで「青菜」の話が出ていたので、「青菜」をやるのかな?なんて予想をしていましたが、もちろんそんな単純なものではありません。5人のまくらの中に出てきたキーワードがあちらこちらに散りばめられた「文七元結」です。




なんてサービス精神旺盛なんでしょう!こんな「文七元結」は聞いたことがありません。5人のまくらを聞いた後の短時間で仕上げられる反射神経というか、アドリブ力に感動です。噺家さんってものすごく頭の回転が早いんですね。
いつもの落語体験とは一味違った、「5人の噺家さんのまくらを聞いて笑った」という体験を、志ら乃さんと会場の皆で共有してるという楽しさがありました。これはクセになりそうな面白さです。
この先「文七元結」を聞く度に「マンゴープリン!!!」という叫び声を思い出すことでしょう。

(文・池田裕子、落語好きタレント)


タツオコメント:
この回は、「1つのマクラを選択して、それにあった落語」という見せ方なのですが、志ら乃師匠、全員のまくらを聴いて、すべてを一席のなかにブチ込むという離れ業をやってのけました。
この日だけ、この一回だけしか聴けない「文七元結」。
このご恩は一生忘れません。たぶん。

ものすごい熱気の回でした!
 
posted by: サンキュータツオ | 渋谷らくご | 15:31 | comments(0) | trackbacks(0) |-
「渋谷らくご」(#シブラク #rakugo)3/16日 18-19時「ふたりらくご」 レビュー 柳家ろべえ/柳家喜多八
2015/3/16() 18:00-19:00 「ふたりらくご」
柳家ろべえ-お見立て
柳家喜多八-寝床


この回のモニターは、宮地昌幸さん(アニメ監督・演出)にお願いしました。
宮地監督は、「渋谷らくご」の喜多八師匠出演回は皆勤賞!
喜多八師匠だいすき男なので、お願いしました。

▼タツオによるプレビュー

喜多八師匠と、その弟子、ろべえさん。落語の世界では、こういう師弟の会を「親子会」なんて言ったりします。
ですが、一時間の「親子会」なんていうのは聞いたことがありません。「渋谷らくご」でも初の試みです。
弟子の高座を背後で聴く師匠。師匠の高座を、出番のあとに聴く弟子。お互い、なにを思うのでしょう?
ろべえさんは、前座の期間中に一度も師匠の自宅に入ったことがない、お正月も一門で集まる前にいろいろと打ち合わせが必要……なんて話を、前回してくださいましたが、あ、これは師匠に内緒に話だったかもしれません!
喜多八師匠は、先月、寒い夜に火の用心の見回りをする「二番煎じ」を演じてくださいました。二班にわかれ、先に見回りを終わったほうが、休憩中にお酒を飲んだり鍋を食べたり、という楽しい噺! 健気に生きてて、でもやなことがあって、そんななかでも楽しくする工夫や心をもっている、名前もわからない人々。茶目っ気があって、適度に不真面目で、愛らしい人々。この師匠は、そういう人たちを演じたら、右に出る人はいないのです。でも、それだけじゃありません、ホントに芸の幅の広い師匠です。生涯をかけて追いかけてくださいませ!


▼レビュー

あいにくの雨。平日月曜夕方。
なのに、古くからの落語ファンや若いお客さんまで、客席はぼちぼち埋まっている。
柳家ろべえさんの噺から。



小三治大師匠に同伴したスキー旅行のマクラで滑り出し、「全く関係ないですが郭話に続きます」と『お見立て』に入る。
ろべえさんの噺は初見の私。
贅肉のないスマートさ、トメハネの美しさで心地よい。まだ若い噺家さんなのに、高座に流れる時間を堂々と牽引してくれる。
シブヤとラクゴ。
ギャップあるこの二つの関係が、江戸のファンタジー空間を作り出す。
雨さえもはや情緒だ。
で。
柳家喜多八師匠の『寝床』。



今まで私が観た喜多八落語の中で、トップクラスの出来映え。
いつものようにやる気無くアゴを撫でながら始まるマクラ。噺が進むにつれ、グイッグイッと惹き付けられ、いつの間にか釣り上げられてしまう。ギャグや小ネタの目先の笑いに誘惑されない語り方。
人物を的確に描き分け、繊細な感情を捉える事で絶妙な滑稽さを積み重ねる。
虚構の人物間に流れる空気感さえ、こちらに匂ってくるほど。
人間の色気、喜多八落語の醍醐味。



義太夫を語りたがる旦那のテンションに合わせ、会場を包む笑いが一体となっていく。
あっという間に30分。
「面白かったぁ〜」と学生の呟きが残った。

(文・宮地昌幸、アニメ監督・演出)

喜多八師匠、シブラクでは積極的に大ネタかけてくださっているような気がします。
ホントにありがたことです。ひとりでも多くの方が、この師匠の魅力を全面的に受け入れてくださる日がくるその日まで!
たくさんの落語を聴かなければ気づけない部分も初心者にはあるのだろうけれど、可能であれば出ていただこうと思ってます。
純米大吟醸は下戸でも飲めます。
 
posted by: サンキュータツオ | 渋谷らくご | 15:18 | comments(0) | trackbacks(0) |-
「渋谷らくご」(#シブラク #rakugo)3/15日 17-19時「渋谷らくご」 レビュー 春風亭昇々/玉川奈々福/立川こしら/春風亭一之輔
3/15 日 17:00-19:00
「渋谷らくご」
春風亭昇々ー湯屋番
玉川奈々福/沢村豊子ー金魚夢幻
立川こしらー夢の酒
春風亭一之輔ー花見の仇討ち

タツオによるプレビュー

 こしらVS一之輔。お二人の師匠の成長を見続けている人ならば、このカードに奮い立たない人はいないだろう。
 落語評論でもおなじみ広瀬和生さん主催の、二人会。恥も外聞もなく、ここではパクらせていただきました。とはいえ、その激突は後半に。広瀬さんすみません。
冒頭は、代演で急きょ出てもらうことになりました、昇々さん! 今月は、「まくら王」でまくらをしゃべるだけかな、と思っていたら、急に声をかけられて、ビックリさせてしまったにちがいない。ですが、この会のコンセプトは、「三番手まですべて色物」。めちゃくちゃ客席を楽しませてくれるエンターテイナーにお願いしました。昇々さんのパワフルな高座は、計算のうえになりたっている繊細なものでもあり、それでいて芸人的「いい加減さ」も持ち合わせているので、得難い才能だと思います。「こいつなにかやるぞ!」という目つき、みなさん注目してください。
 奈々福さんの浪曲、映画を見ているようです。浪曲というのは、30分でも濃密な物語世界、そして濃密な人間関係を見せてくれます。想像する芸能という意味では落語とおなじですが、人情に重心があるのは浪曲ならではです。だから、素敵な人でないと。その点、奈々福さんは素敵な人なのです。
 一之輔師匠、1月は、「ひとりらくご」で4席立て続けに演じて、お客さんのなかには悦びで泣いちゃう人が続出しました。不思議な感情にさせてくれる落語家さんです。落語の未来を聴いているようです。


この回のレビューは、つぐはらさとむ(25歳、会社員)さんにお願いしました。

▼レビュー


 
昇々さん
柳亭小痴楽さんの代演とのことで、登場。
最初からテンションが高くて、本当に怒っていると勘違いするくらいエネルギーにあふれていました。
ハイテンションのマクラから、ご両親のエピソードを怒涛のように連発し続け、それに合わせて客席がどんどん一体化していくのがわかりました。昇々さんのエネルギーが客席に伝播していき、ある種の興奮状態に入ったところで、湯屋番へ。
 
本編に入ってもマクラと変わらないテンションで登場人物を演じる昇々さん、
というより、若旦那としての昇々さんがそこにいました。


 
途中で、左右に首を振って登場人物演じ分けるのをやめたり、座布団から離れて半身で動き始めたりと、
昇々さんと若旦那が一体化して落語の世界から飛び出し、舞台上でただただ面白いことしているように錯覚しました。
観客の熱気と昇々さん+若旦那のエネルギーがぶつかり合い、笑いという火花になってばちばちはじけとぶ、そんな光景を真横で見ているようでした。
演者、観客、落語、3つのぶつかり合いの結果、ユーロスペースに爆笑の渦が巻き起こったのを目撃できて幸せです。
 
 

奈々福さん/沢村豊子師匠
まさに興奮冷めやらぬ中、静かに沢村豊子師匠登場。
恥ずかしながら浪曲を初めて聞くため、これからどんなことが始まるのか、ドキドキして待っていました。
そんな中、三味線の生の演奏に合わせて奈々福さん登場。
奈々福さんの
 「講談・浪曲と落語の大きな違いは「語り」があるかどうかです。ただ、それはさておき聞いてください」
というまずはジャンルに捉われずに感じてくださいね、という優しい言葉で、気が楽になりました。
 
まず、スターウォーズのオープニングさながらの荘厳な雰囲気を醸し出す語りから始まりました。
その後は、奈々福さんの語りと豊子さんの三味線とが響き合っていました。
和の響きに包まれながら、物語の世界にすーっと吸い込まれて行きました。
シンデレラやライオンキングなどのディズニーアニメーションのように、悪役までもが魅力的で愛らしかったです。
また、要所要所に散りばめられた奈々福さんのユーモアが、とても素敵でした。
 
冒頭の人間同士の会話の後、場面が人間界から金魚の世界へと移ります。
そのとき、単純に場面がパッと変わるのではなく、
カメラが水の中に潜っていくように、人間界と金魚の世界とのつながりを想像できてしまいました。
語りと三味線の響きだけで、細部まで想像させる芸の凄みを感じました。
 
ふわっと優しく包み込んで、ファンタジーの世界へ連れて行ってくれる。
そして、知らない間にそっと現実に送り返してくれる、そんな素晴らしい浪曲の時間でした。
 
昇々さんが高めた興奮と、奈々福さんが包み込んで出来上がった一体感を味わいながら、インターバルを過ごしました。
このあと、どんなことが舞台上で巻き起こるのかが待ちきれず、2分がとても長く感じました。
 


こしら師匠
インターバル後もなお残る奈々福さんの余韻を切り裂くように、軽妙なマクラで会場の空気を一気に変えたこしら師匠。
ぐっと力の入った観客をなだめるように、こしら師匠らしい軽妙なエピソードを自然体で喋り始めました。
 
こしら師匠が終始観客に喋りかけながらマクラが進んでいき、気づけば古典落語、夢の酒へ。
落語の世界を壊さず、マクラと同じように軽く自由に演ずる。
現実の世界と夢の世界の描き方も、落語のタブーを犯しているようで、そうではないように思えました。
実はちゃんと現実の世界では、現実でギリギリ起こりうることを、
夢の世界では、夢でギリギリ起こりうることを、描き分けられていました。
世界観が壊れるギリギリをせめながら話を進めていく、
サーカスの曲芸のように落語の世界を自由に飛び回るこしら師匠の
ハラハラする落語を存分に楽しませていただきました。
 
 

そして最後は一之輔師匠です。
こしら師匠が作り出した世界でいっぱいいっぱいになった頭の中を、まずはすっきりさせるところからマクラがはじまりました。
最近出会ったおかしな人たちの2つのエピソードをじっくりゆっくり丁寧にお話しされました。
おかしな人たちと一之輔師匠とのふれあいが、舞台上で今まさに行われているかのように聞こえ、笑うしかありませんでした。日常の出来事が、こうやって落語になっていくのかなぁと、落語の萌芽を見ているようでした。
 
3月なので春の話、ということで花見の仇討ちへ。
その前に、「花」という言葉が示す「花」が国によって違う、というオシャレな小話のあと、本編へ。
 


一之輔師匠の落語は、全ての人物を一之輔師匠が完璧に演じきっているように見えました。
一つのお芝居・人形劇を見ているときに感じるような、登場人物一人一人の立体感・重厚感がありました。
そして、登場人物が次から次へと困り始める姿がコミカルで、可愛らしかったです。
そんな愛らしくて面白い人々が、舞台上に現れては消え、消えては現れていく、そんなシーンの連続でした。
頭の中で想像しているのではなく、目の前に確かに登場人物が現れる、目が離せない面白さがありました。
  
終演後、舞台上に映し出された本日の演者・演目リストをスマホで撮る方がたくさんいらっしゃいました。
この日、この時、この場所に起こった感動を誰かに伝えたい、
そしてなによりこんな幸せな時間を宝物として大切に残したい、というお客様の気持ちの表れのようで、
こんな場に立ち会えて、とても嬉しくなりました。
 
落語も様々で、また落語というジャンルに縛られない、
自由でエネルギー溢れる渋谷らくごの可能性を感じた、一夜となりました。
集まったお客様、演者の皆様、そしてタツオさん・ユーロスペースのスタッフのみなさんをはじめとして、
渋谷らくごに関わった皆様に感謝の気持ちでいっぱいになり、会場を後にしました。

(文:つぐはらさとむ、25歳、会社員)

タツオコメント
この日の一之輔師匠の「花見の仇討」は、大人がふざけている感じがとっても良くって、この話は、その「ふざけている感じ」を、アクションという「激しい動き」とともに描かなければならない大変難しい噺だと気付かされたのですが、この師匠の手によると、いとも簡単に噺を「御している」感じがして、とても気持ち良かったです。
もう、このレベルにまできているのか、と驚愕しました。

 
posted by: サンキュータツオ | 渋谷らくご | 15:07 | comments(0) | trackbacks(0) |-