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【電子書籍『yomyom』連載 はじまりました】2020.03.27 Friday
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電子書籍ですが、
新潮社『yomyom』という雑誌で連載はじめました。
61号、2020年4月号。
期限つきの連載で、3ヶ月に一度の掲載。
分量は6000〜8000字ということで、
私にしてはけっこうな文字数です。
しんどいです。
でも、現在いろいろ考えていることを、
なんとなくでも言語化するいい機会だと思って
覚悟を決めて書きました。
円城塔さん、トミヤマユキコさんとの交互連載で
「世界のαに関するカルチャー時評」
というコーナーらしいです。
ですので、季刊連載ということになるのでしょうか。
初回は、
「失った感覚と手に入れた感覚、
私たちはいつだって諦めず漸近線上」
というコラムを書きました。
友人の山下陽光が、最近「20代の男の子で、エロ本でオナニーしたことがないって人が居た」という話をしていたのですが、まさにそんなことを考えていたので、ビタッときました。
そんなコラムです。
タツオ
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【『柳家花緑 特選まくら集 多弁症のおかげです!』あとがき担当】2020.03.26 Thursday
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2020/03/26に発売になりました、
花緑師匠の文庫、そのあとがきを!
なんとタツオが書きました。
畏れ多いよ!
ゲラ段階で拝読しましたが、
めちゃくちゃ面白い!
これは、話が面白いのもあるんだけど、
花緑師匠の面白さなんですよ。
タイトルだけで読みたいのでてくるでしょう。
花緑師匠は、「努力を努力とも思っていない努力の人」つまり、天才だと思っています。
弟子の緑太さんが、入門前に師匠をはじめてみたとき「師匠が光ってみえた」とおっしゃっていたのですが、
その理由がわかります。
この師匠は、眩しいです。
想いの丈を、書かせてもらいました。
納期一週間とかでビックリしましたけど、死ぬ気で書かせてもらいました。
普段はこういう納期では受けませんので、編集者の方々、私には頼まないように。
締切が怖いのです。
「渋谷らくご」の花緑師匠、すごくいいのだ!
これまでの落語の文脈を知らない人に、どれだけこの師匠がぶつかっていくのか。
そのドキュメントがほんとに見ごたえあるんです。
花緑師匠は進化し続けてます。そこが楽しい。幸せになります。
桃李もの言わざれど下自ら蹊を成す
といいますが、この師匠の場合は、
桃李もの言いまくり下自ら蹊を成す
ですね。
タツオ
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【月刊会報誌「スカパー!と暮らす」 レコメンドコーナー連載】2020.01.10 Friday
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月刊会報誌「スカパー!と暮らす」レコメンドコーナー
アニメ担当として3ヶ月に一度、スカパー!で観られるアニメの見どころをご紹介しています。
こんな感じです。
編集者の方やまとめてくださっている方も、アニメ詳しくない方なので新鮮。
そういう方に聞き手になってもらえるというのは本当にありがたいですね。
読んだ人のなかで、一人でも印象に残ってくれている人がいたら、嬉しいな。
タツオ
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【『早稲田文学』笑い特集 インタビュー掲載】2019.12.30 Monday
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にてインタビューを受けたものが掲載されております。
ありがたいことに巻頭です。
こちらの様子は、早稲田文学2020年春号 にも転載されています。
1995年に早稲田大学に入学し、
平岡篤頼先生にすすめられる形ではじめた早稲田文学の学生編集委員。
私は、年が明ける頃には学生編集郷で「笑い」の特集をしていました。
こないだまで高校生だったのに。
そこから四半世紀たつとインタビューされるっていうストーリーができちゃうんですね。不思議です。
学術的にも職業的にも専門でもあるので、光栄なことです。
えらそうだね。生意気な。平岡先生には見せられないですね。江中先生が見たら発狂するねたぶん。
当時は泣きながら大日本印刷に自転車で入稿しにいったり再校ゲラ届けに行ったりしていた。
向井豊昭さんが新人賞を受賞した頃です。
古今亭右朝師匠、当時二つ目の柳家喬太郎師匠、立川志らく師匠、ピン芸人の清水宏さん、落語王の渡辺敏正さんにインタビューをしにいったことは私の財産です。
当時は携帯電話もなく、待ち合わせ場所を間違えたり、連絡が取れなかったりして、清水宏さんを激おこさせました。これがキッカケでこんな恐ろしいことは人生で二度とないと思えるようになったのでした。いやあ、何度も会うたびに、清水さんにはいまだに頭が上がらないのです。
読んでください。普段どういうことを考えているかわかるものです。
タツオ
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【竹宮惠子『少年の名はジルベール』小学館文庫 あとがき】2019.11.30 Saturday
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ブログ更新久しぶりなので、ちょろちょろ最近の仕事を紹介します。
昨年一番ブチあがった仕事のひとつは、
竹宮惠子先生の『少年の名はジルベール』の文庫版あとがきを書いたことです。
『風と木の詩』の!
『地球へ…』の!
『ファラオの墓』の!
私の家には当たり前のようにあった名作の数々を残してくださった竹宮先生は、
『俺たちのBL論』(文庫では「ボクたちのBL論」)の私にとってはまさにいろいろな意味で
いろいろなことを教えてくださった先生です。
そんな先生の自伝、これは単行本が出版された時点で拝読して感激、
思わずラジオ『東京ポッド許可局』でも紹介したわけですけれど、
文庫化にあたってあとがきを書かせてもらう機会を得ました。
感無量です。
この本のことは、「あとがき」にすべて書いてありますので、
どうぞお買い求めください。損はしないです。
そして!
幸せのおすそ分けですが、
竹宮先生から直筆のメッセージとサイン、そしてジルベール…
死ぬかと思いました。
生きてて良かった。
2019年11月に発売された文庫ですが、3ヶ月くらいカバンにいれており、
だれかれ構わず(といっても、限られていますが)自慢しておりました。
三浦さんと雲田さんに自慢できた、私の数少ない仕事です!
少々踏み込んだ内容だったかもしれず。
掲載を許可してくださった竹宮先生、
本当にありがとうございます!
京都精華大学、就職したかったです。
タツオ
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【朝日新聞 書評委員 任期終了】2019.03.30 Saturday
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2017年から2年の任期で務めた朝日新聞書評委員の任期が、この3月で終了です。
はじめての経験だったのでどれくらいの作業になるのかも想像がつかなかったのですが、終わってみればとても充実した二年間でした。
鞄のなかには常に本、「読みたい」から「読まなくてはいけない」になりそうでならないギリギリのラインで、それでもだれかにこの本読んで欲しいな、あるいは存在を知られていないだけでもっと多くの人に知ってもらいたい本だな、というものを書きました。
私の在任期間には、野矢茂樹先生や宮田珠己さん、山室恭子先生、小説家の佐伯一麦さん(大学一年のときに平岡先生から読みなさいと言われた小説家!)、美術評論家の椹木野衣さん、政治学者の齋藤純一先生(後輩のマザー・テラサワの指導教授だったそうです)など、個性的な顔ぶれでした。
新聞の書評においてはかなり挑戦的な書評、そして柔らかい書評をする面々が揃い、だれでもわかる言葉で本質的なことを言う人たちが多かったように思います。
私は、みなさんとご一緒して「しなやかな知性」とはなにか、と考え続けました。考えただけで、なんら身にはつきませんでしたが。
また、柄谷行人先生や横尾忠則さんともご一緒することもでき、18歳のときの自分に教えてやりたいことがまた増えました。
私が書評したのは全部で37本、昨年夏の「明治150年」の特集鼎談や「ひもとく」という特集ページでの書籍の紹介も含めると、だいたい1ヶ月に1.5本くらいの書評をやっている感覚でした。
私のだいたいの書評は、朝日新聞の「好書好日」というサイトで読むことができます。
この期間は読みたい本は後回しにして、ひとまず書評のことばかり考える毎日でした。
演芸では松之丞さんの本やたけしさんの本、上方らくごの書籍、広瀬さんの本や圓朝研究、
学術的な書籍では、重力派や坐の文明論、なぜペニスはそんな形なのか、悪態の科学、
文学ではヌーボーロマン、評論をはじめ、古典に関する書籍も紹介することができました。
日本語に関する書籍は、研究領域が近いぶん、なかなか機会に恵まれなかったのですが、それでもオノマトペの謎、ダーリの辞典など紹介できたのはうれしいです。
どれほど貢献できたかわかりませんが、日本で影響のある書評のひとつであることはたしかです。紹介すると本が売れます。重版がかかったなんて話も聞きました。
だからいい加減な気持ちでなく、心から惚れた書籍を紹介しました。
担当してくださった記者のみなさんにも感謝しています。
このような機会を与えてくださりありがとうございます。
いやー、それにしても芸人が書評委員をやる日がくるなんて。
最初の一年は最年少だったしリズムをつかむまでに時間かかった!
書評するタイミングがなかったけれども、ほかにも良書に巡り合うことができました。
これまで献本などもいただきましたが、一冊も読む時間がありませんでしたので、それじゃ意味がないと叱られそうですが、これからこっそり読もうと思います。
そして、これは委員を終わってから読もうと楽しみにしていた本も、これから読んでやろうと思います。
なんか隔週だったんだけど、この委員期間中にご一緒した方々との時間は、宝物でした。
タツオ
2019.03
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【『談志独演会 一期一会(上)』解説を書きました】2018.12.04 Tuesday
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ブルーレイBOX
竹書房『談志独演会 一期一会(上)』
が2018年12月に発売になりました。
今回、私はこのシリーズの解説を担当しました。
CDでいうライナーノーツ的なものです。
正直言って畏れ多いです。
そして私なんぞが語ってはいけない巨大な存在です。
関係者の皆様には本当に申し訳なく思っております、
いろいろな方を差し置いて、と言われることも目に見えてますが、
お引き受けすることになったのです。
私よりふさわしい、資格のある方はたくさんいらっしゃいますし、
私には資格すらないと思っています。
とはいえ、これから立川談志を知る人にとっても、次世代との年齢が近い人が書いてみてもよいのではないかという制作者の意思を無碍にすることもできず、こうして世に出るまでになりました。
私は立川談志師匠を、なぜか「家元」と呼べません。「談志師匠」としか呼べません。
「家元」というと、どこか、仲間意識というか、連帯感のようなものがあるのかもしれませんが、
私にとって談志師匠は存命中も、そして亡くなってからも、
ずっとずっと遠い存在で、おいそれと「家元」なんぞという資格もない人間だと思っています。
でも、ひとつだけ自信をもっていえることがあります。
それは、談志師匠の落語が大好きで大好きで仕方ないということです。
こんなにピュアでロマンチストで粋で、面白い人はいないと思っています。
こういう最終形態を見せてくれたってことだけでも、もう感謝の気持ちしかないです。
というわけで、(上)に収録の8席に関して、
2018年の夏は何度も聴き、また過去の音源もあたり、聞き比べ、さらに記述のある書物を読むとか記録をひもとくとかして、談志漬けの日々でした。
それでもやっぱり飽きません。それどころか、まだ面白いです。
「線」で追う楽しさを最後まで提供してくれた人です。
そういえばこの年、「立川談志」は広辞苑に掲載されました。
まさか私がその広辞苑にちょっぴりとでも関わることになろうとは。
90年代、何度も「やかん」や「洒落小町」にぶつかっていた私に教えてやりたい。
ちなみに、私の担当ジャンルであった「田河水泡」の項目に、「落語作家としても有名。」の記述を入れたのは私です。
「猫と金魚」とかも入れたかったんだけど、それは叶いませんでした。
8席分の解説、買ってくれた人には、読んでもらいたいなあ。
渾身の力で、でもマニアックにならないように「文脈と味わい」を書いたつもりです。
(下)も出ます。そこでも全高座の解説を担当しました。
そうです、つまりずっと談志漬けです。
この噺のことを、談志師匠はどう思っていたのだろうか。そんなことを毎日考えています。
「ずっと考えさせてくれる」
そんな人なかなかいませんよ。
マニアからは袋叩きにされても構わないのです。
50年後くらいに、立川談志って人を聴いてみようと思った人が読めるものを心がけました。
2019.03
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【サンキュータツオ 春日太一『ボクたちのBL論』河出文庫より発売】2018.11.08 Thursday
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2018年の仕事を振り返るシリーズ。
春日太一さんとの共著『ボクたちのBL論』が河出文庫から発売されました。
河出書房新社さんありがとうございます(担当の岩崎さんに感謝)。
こちらは、2016年の『俺たちのBL論』という単行本から大幅な加筆週世うを加えて改めね世に出した文庫です。
およそ2年半の間に、BLを取り巻く環境はまた激変し、
春日さんの腐メガネはクリンビューかけたんかというほどクリアになり、
最終的に、いま語っておかねばならぬことを一生分加筆するという、マジで大幅な加筆が行われました。
注なども2018年版として書き換えた箇所もあり、文字通り「版ちがい」といったくらい内容が変わりました。
出版記念イベントにも、私の聖地「ブックファースト新宿」(内田さんという超優秀な棚担当者のいる書店)に大勢の方がいらしてくださり、マジで感謝サンキュー★
せっかく来てくれたんだからと、当日限定のペーパーなんかも力入れて作ってきたりして、楽しい時間でした。
ペーパーの一部。
「信頼している腐女子」というテーマで何人かご紹介しました。
いやマジで環境変わりましたよ。
そしてもう引き返せません。
こうなると、この本が少しでも相互理解の手助けになると思います。
だいたいの壁やすれ違いは、想像力で補える、想像力がすべてを解決に導く、と私は思っています。
自分を否定されないかわりに、相手も否定しない。
そういう人間としての大事さも、BLから学べる!
というわけで、未読の方はぜひ買って読んでみてね。
タツオ
2019.04
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【『ダ・ヴィンチ』書評コーナー担当しています】2018.11.01 Thursday
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お知らせ遅くなっておりますが、
昨年秋からKADOKAWAさんの月刊誌『ダ・ヴィンチ』にて、
ブックウォッチャーという形で連載の場をいただいています。
こちらも任期いっぱいまで精一杯やろうと思っています。
ぜひ、読んでみてくださいね!
こんな感じです。
いやー、それにしても『オフザロード』という本の感動がいまだ冷めやらず。
趣味全開のギンギンのやつです! 車好きは最高に楽しめる!
こういう本待ってたわァ。
そう思える本を毎月ご紹介しています。
なにかのキッカケになれば!
チェックしてね。
2019.04
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【『談志最後の落語論』文庫版 解説を書きました】2018.10.10 Wednesday
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2018年10月10日発売
立川談志『談志 最後の落語論』ちくま文庫(税抜き740円)
解説を執筆しました。
こちらもなんでお前がいけしゃあしゃあと書いてやがんだ案件なのですが、
もううだうだ断っていても仕方がない、
あの人もこの人も断ったのでこれも順番なので
と言われたら、もうやるしかないじゃないですか。
と、いろいろ業界のことをご存じの方は、察していただけるかもしれませんが、
それはそれとして、
40代前半の私がお引き受けするからには、存命中のファンのみならず、これから「立川談志」を知る人に読んでほしい、という想いを込めて、この本が全体のなかでどういう位置づけのものなのか、そしてこれを書き残したのはなぜなのか、どこに重点を置いているか、などをはじめて手に取る方にご理解いただけるよう書いたつもりです。
すでに、談志師匠を追いかけてやまず、家元のことならなんでも聞いてよという方にはあまり新鮮ではないかもしれませんが、それでもこうして談志師匠が亡くなって数年が経ち、落語界を取り巻く環境がこれだけ変わってきたなかで、いま談志師匠を読む意味聴く意味というものも、大きく変わってきていると思います。
「談志最後の落語論」で検索すると、2009年に私がこのブログで書いたものがわりと上位に出てきたので、ああそういうことかぁと納得もしたのですが、とにかくこの頃はテンション高めで天真爛漫に感想を書いていたものです。
「江戸の風」というワードが独り歩きした印象のある本書ですが、個人的には談志師匠のなかに(師匠は直接は言わないけれど、小さんのエッセンスと)志ん生のエッセンス、ひいては志ん生の引用元というかインスピレーション元である金語楼、三語楼、あるいは先代権太楼までたどって紹介している点は歴史的にみても非常に意義深いと思います。
志ん生師匠好きは多いけれど、出典元やインスピレーション元、はたまた共通するエッセンスをもつ先人をしっかり明記したことの重要性です。談志師匠自身もっとも影響を受けたかもしれない人について、そこで思考停止せずに、なぜ志ん生は志ん生となったのかを独自分析しているのが面白いです。
編集者とは一度も会ったことがないし会いにも来なかった、
その上再校チェックなどをさせてもらえなかったので『家元談志のオトコ対決十一番』がなぜか『オトコ対決八番』などと信じられないミスもそのまま印刷されたりしていますが、書名のミスは許されないものと思います。
この場を借りて修正(といっても修正にならないと思いますが)しておきます。
このまま再販も出ないとなると、何十年後かに本書を手に取る人に、タツオが署名間違ってると罵られること必至なのですが、それでもそれで済むならば良しとしましょう。談志師匠にさえ傷がつかなければ!
やー、そういうわけで、2018年の夏は、DVD見たりCD聴きまくったり全集読み返したりで、ホントにホントに談志漬けだったのでした。談志師匠、死んだんだろうか。そこがもうわからなくなってきている。
2019.03
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