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【今年の『M-1グランプリ』は上沼恵美子が優勝】 #tokyopod

TBSラジオ『東京ポッド許可局』に手塚とおるさんが来てくださったときに、けしかけられて見出した今年のM-1、

いろいろとメモったのだけれど吐き出し口がないやと思っていたら、そういえば半年以上放置しているブログがあった。

米粒写経の例大祭の御礼と、地方公演の告知もかねようと思って、久しぶりに更新しようとしたら、すっかりログインの暗証番号みたいなものまで忘れてしまっていた。更新したらしたで原稿を待たせてしまっている人たちにも怒られる。これが私がブログをずっと後進していなかった理由です。

 

◆『M-1グランプリ2019』のコンセプトは「自然な掛け合い(会話)」であった

 

第一期のM-1グランプリが2004年に大きく動いた(南海キャンディーズ、POISON GIRL BAND、千鳥、タカアンドトシ、トータルテンボス、東京ダイナマイト)のと同様に、

第二期のM-1は今年動いたのは、3回戦から準々決勝に残ったメンバー、そして準決勝のメンバーを見れば明らかだった。

今年の中盤に発売されたナイツ塙宜之さんの『言い訳 関東芸人はなぜM-1で勝てないのか』では、第二期M-1が決勝15年以内の規定になった結果、ウマイ人大会になってしまったことに触れていたが(この本は朝日新聞の書評欄で紹介しました)、

そのことの影響も少しはあったのじゃないかと思えるほどに、決勝に残したメンバーはこれまでの保守本流路線とは別で、

「次の日にもどんなネタやったかだいたい覚えていられる」人たちだった。

 

個人的に注目していた後輩のキュウ(タイタン所属になりました)が満を持して挑んだにも関わらず、かなりウケて3回戦止まりだったこともあって、「今年は、掛け合い重視なんだな」と予感した。いかにも自然な会話ななかで笑いを取りに行く「活きた会話」。

方言だろうが、肯定したツッコミであろうが、ちゃんとキャラクターにウソがなく地に足のついた会話。コント的ではなく、その人たちが「台本を読んでいる」感じのない、普段からしゃべっていそうな会話。そんななかでも、ツッコミが「なんでだよ」系ではない、ひねりのあるもの。そういうコンビが結成10年以内にもゴロゴロいた。

なにより和牛を決勝に残さなかったのは、大会のそういうコンセプトを反映していたかもしれない。

 

ミルクボーイも、かまいたちも、気付いたら自然とネタに入っていた。じゃれ合いから生まれる笑いが、次第に「形」として反復され、計算された会話であることに気付いたときには次の展開に入っている。そういう漫才を良しとした。

「自然主義」的な漫才だ。

変なことを言うやつに「なんでだよ!」とか吠える様式を「ロマン主義」(お笑いご都合主義)とするなら、「自然主義」なんだよね。

 

GYAO!で見た決勝進出メンバーの3回戦のネタを見るにつけ、この課題がクリアできていて、きちんとインパクトも残せていたのは、ミルクボーイ、オズワルド、ぺこぱかなと思った。

からし蓮根は、ツッコミが活きているがボケの表現力がどうしても足りない。硬く見えてしまうが、そういった初々しさも悪くなかった。しかしかまいたちの自然さには勝てない。あとは敗者復活は実質人気投票なので、過去に決勝進出した人が露出が多いので有利に決まっている。ということは8割和牛といったところ。そうなるとあとはどの順番で和牛ないしそれに準じる人気者が出るかで展開が左右される。

 

実際に決勝のフタをあけてみれば、前半にかまいたちと和牛の直接対決が用意され、後半に注目のミルクボーイ、オズワルド、ぺこぱが固まった。

結果はご存じの通りであるが、オズワルドの点数が低かったのは解せない。彼らは決してシュールではなかったはずだ。だれもが理解できるスピードと展開で、単に「引き芸」だっただけだ。押しつけがましく笑いを取りにいくのではなく、ただ自然にゆったりと会話をする。苛立ちも隠さなかったし、声を張ったツッコミもした。予想の少し先を行く気の利いた言葉選びで、ツッコミでも笑わせてくれたし、声も良かった。どこがシュールなのだろう。

これは、「この人たちこれからなに言うんだろう」とお客さんを集中させる技術のひとつであり、前のめりなお客さんにはもっとも有効な芸風だ。しかし、大阪の審査員はともかく塙さんまでもが彼らに辛い点数をつけるのは、いくらなんでも大会に染まり過ぎだろう。あるいは、こういう「してやったり」的な芸風がそもそも好みではないのかもしれない。

しかし、M-1はトレンドを先取りする役目もある。多様性をいまから否定してしまうとこの先のお笑いの未来まで潰してしまいかねない。この手のスタイルの挑戦する人たちがいなくなる。コントや落語のほうがこういうネタをやりたい人たちがきちんと実現してしまっているのが悔しい!

私は決して好みで言っているのではない。すゑひろがりずを「古典の人たち」と一段上に置いて評価してみるのに、「引き芸」は下に見るというのは、固定観念で見過ぎではないだろうか。

私は今回、拍手が起こるほどの大きな笑い、会場がひとつになった笑いと、半分くらいの観客が笑った数を、計測した。

ミルクボーイが大16と中14で、特に序盤からピークがきてそのまま維持されたのは、まさに歴代最多得点も納得の出来だった。

しかしCMをはさんだ直後のオズワルドも、大11の中13と、少なくなかった(みなさんも、印象批評や好みで論じるのではなく、客観的な事象で論じてみてはいかがでしょうか)。むしろこの芸風での最終形態かもしれない。のきなみ90点台を出していたほかのコンビとおなじか、むしろ少し多いくらいである。

結成5年目というキャリアで評価するわけではないが、15年目と5年目を同列で扱ってこの仕打ちはどうだったんだろう。

そこまで尖っていない、だれでも楽しめる「引き芸」だったのだが、「引き芸」に対するアレルギーが国民的にすごいのだとしたら、「漫才とは普通こういうものだろう」という先入観でしか漫才を観ていないことになる。それはあまりにもったいない。

今年は「多様性」の年だった。

グルーヴを生み出し、バイブスは大事な要素だが、その発生のさせ方を狭めるのはもったいない。オズワルドはたしかに会話をしていた。掛け合っていた。「からし蓮根」よりキャリアが浅く、ミルクボーイの後に出てあれだけ堂々とやりきったのに、80点台をつけるのは少し厳しすぎではないだろうか。

そこが唯一の不満といえば不満。全体的には面白かったよね。ただ、長くておじさん疲れちゃった。

 

◆「審査員」に文句を言う人はM-1真面目に見過ぎ

 

この大会を真面目に観ている人のモノマネをプチ鹿島さんがしていて、これが面白くてしょうがないのだけれど、

今回それを思い知ったのが、審査員のコメントに「長い」とか「しつこい」とか「間延びする」とか言っている人たちが本当に多いということだ。

いや、松本さんが「ツッコミが笑うのはちょっと…」のあとの、「ツッコミが怖すぎた」は明らかなボケなのだが、それが伝わっていないってどういうことだろうか。

審査員たちも芸人さんなんだよね。しかもボケ側の人たちが多くて、ふられたら一言いいますよ。

でも観客もお茶の間もひいちゃったら、もうみんな真面目なコメントするしかなくなる。こういう観客はオンエアバトルでも見てればいいのでは。真面目に見ちゃうと、お笑いは萎縮するんだよ。大目に見ようよそこは。

でもそんな大会だれが見たいんだろう。NHKじゃあるまいし、そもそも点数化しているから公平っぽく見えているけど、公平ではないわけだし、お笑い番組なんだからおおらかに見てもいい。

ネタを見るのは集中力がいるぶん、疲れる。だから合間合間に息抜きの時間をとる。あとは尺調整もする。すべて司会の裁量で、ふられた審査員はマトモなことと、ボケ織り交ぜて、バラエティ番組であることをなんとか保とうとする。

でも、あそこでボケられる人は日本にはもうあまりいない。

松本さんや塙さんがボケても受身が取れないのでは、こわくてなにも言えないわけですよ。

そこに風穴を空けたのが、上沼恵美子さんです!!

からし蓮根を贔屓して、和牛をディスるって、これ生活笑百科とかでさんざん見た「若い男の子に甘い」上沼さんそのまんまなのに、なんかスベッたみたいになっている。司会もフォローしきれない。そうなると、上沼さんは寄り切るしかない。力技でねじ伏せてくれたわけである。会場は笑いに包まれた。こうしてM-1はなんとかバラエティ番組である体裁を守れたわけですけど、

あそこ上沼さん抜けたらどうするのだろう。

オール巨人師匠はもう来年出ないと宣言している。

冨澤さんはコメントも天才的な空気の読み具合で、パーフェクトな仕事ぶりだった。

上沼恵美子さんのコメントぶりは本当に見ごたえあった。だってガチなんだもん!生活笑百科みたいに台本めくったりしてなかったし!

あれこそ漫才師なんだよなあ。

各個人の点数にああだこうだ言うのはいいけど、仕事と役割を全うしているコメントに文句を言うのは筋違いだと思うわけです。

 

というわけで、ミルクボーイさんの、

 

「うちのおかんが好きなxがわからない」

→ヒント

→Aだろう

→おかんが言うにはZ

→ならAじゃないか Aはa1

 

→ヒント2

→Aだろう Aはa2みたいなところもある

→それがおかんが言うのはY

→ならAじゃないか Aはa3

 

というブロックの繰り返しが、雪だるま式にグルーヴを生み出したのは言うまでもない。

ちなみに、2本目の「モナカ」のネタは、

お菓子の家系図という概念も導入して、

配列に必然性を与えた(つまり縦の関係にも必然性を持たせた)ので、

2本目として最高の出来だったと思う。

 

それでも、毎年ちょっとずつ変えてきても完成度を保ったかまいたち、

あるいはもっとも自然な会話で笑いに繋げたかまいたちを評価したのが、松本さんだったのかもしれません。

 

ぺこぱも素晴らしかった。一番マネしやすくて流行るのは彼らかもしれない。

ツッコミをセンテンスで分解して、A(直感的なツッコミ)+B(思考したツッコミ)の形にした。

「さっきとおなじボケ」+「じゃない」がもっとも端的だった。

Bの部分には「という時代がすぐそこにきている」「のは俺かもしれない」「がいたっていい、だれも悪くない」みたいに変化させた。ちなみに、「言及の相手」で分類すると、Aは「相方」、Bは「観客」である。

彼らだけは「ロマン主義」でも「自然主義」でもない「新感覚派」だ。

 

いじられていたボケのキャラだけど、来年は毎月キャラを変えるとか、そういう遊びをしてもいい。

ネタ番組出るたびにキャラ変わってるとか。

それをしたらツッコミの汎用性がより証明される。

 

もし、松陰寺さんにツッコミをさせるならば、

「今年のM-1は審査員の上沼恵美子 が優勝でいい。そういう大会の形があっても僕はいいんだ。みんな、ありがとう」

というところだ。

 

手塚とおる局員、納得してくれたかなあ。

今日のNHKラジオ『すっぴん!』でも「漫才文体論」でミルクボーイをコピーしたネタをやりましたので、らじる★らじるで聴いてみてください。

そして今日24時からのTBSラジオ『東京ポッド許可局』で、みんなでワイワイモードです。

 

こういうことを書くと、「お前のネタはどうなんだ」と鬼の首とったようなこと言う人いるんですけど、そういう議論は10年くらい前に片付いているので、私のところにはコメントしないでください。

 

M-1メモ

・太鼓という小道具の使用はOKだったようだ。

・「腹違い」はOKだったのだろうか。

・最終決戦の笑い ぺこぱ 大9 中9、かまいたち 大10 中10、ミルクボーイ 大12 中17

  ※計測は手動なので、20人くらいでやって平均値をとるのが一番いい。

 

 

posted by: サンキュータツオ | フィールドワーク | 00:10 | comments(0) | - |-
【フジテレビ『ノンストップ!』出演 国語辞典特集】





8/28、
フジテレビ『ノンストップ!』、
国語辞典特集で出演しました。

久しぶりに設楽さん、又吉さんとご一緒できてうれしかったなぁ。

三省堂書店さん、岩波書店の平木さん、境田稔信さん、
ご協力ありがとうございます。

若いディレクターさんががんばって勉強してくれました。

ひとりでも、国語辞典に興味持ってくれたらいいな。

posted by: サンキュータツオ | フィールドワーク | 09:47 | comments(0) | trackbacks(0) |-
【成城大学 2017年春夏学期】

この春から日本人相手に授業をもつことになった成城大学。

東谷護先生にお声かけいただき、文章表現の授業をやることになりました。

 

しかも初年次教育といって、

大学入り立ての10代の子たちに、

書く、読む、議論する、

みたいなの教えてねっていうザックリ授業で。

 

さらに、

授業を受ける学生は、

自動振り分けでただそのクラスになるわけで、

つまり取りたくて取っている授業ではないという、

行きずりの関係なわけですよ。

 

ぶっちゃけ日本の大学生のやる気のなさって

日々留学生に触れているとうんざりしちゃうし、

しかもこちらのことにもまったく興味なし、

ただの消化試合という状態に、

どうしようかと授業をはじめる前には思いました。

 

大学は小田急線の成城学園前、

木曜の午後は13時入りでTBSラジオの「デイキャッチ!」の仕事が毎週あるのだけれど、

小田急から直通でいけちゃうので2限に授業ができてしまうこともあり、

こうなりゃ怖いもの見たさでやってみるか!

と、日本人相手にやりたい放題やっちまおうと意気込んだわけです。

 


 

しかしこの大学の学生たちは、

おおかたやる気があり、

大学に入り立てっていうのもあるのか、

まだうぶでちゃんと話を聞いてくれました。

(もちろん最初から寝てるバカは一定数います。

 お金払って朝から寝に来てるわけですが、

 自分の大学生だった頃は授業すら来ていなかった系だったので、

 まったく否定できません。後になって後悔してくれたらそれでよい)

 

文章も面白いのから真面目なのから、

いろんなことを書いてくれて、

毎週手書きでちょっとした文章を書いてもらったりして、

それを授業でシェアしたりもしたんだけれど、

最終的には文字を見ればだれのかわかるくらいのとこまでいけました。

 

できれば、1年生の彼らが、4年の最後の半年を迎えるとき、

もう一度おなじメンバーで授業したいなと思ったんだけど、

もう彼らにも会うことはないです。

3ケ月の授業。どんな大人になるものやら。

 

3ケ月、はじめての大学での、はじめての授業というのは、

教える側も教わる側も特別です。

 

彼らの人生のなかで、

一瞬でも私の言ったことが活きるシーンがあれば最高。

 

2017.07.26

 

posted by: サンキュータツオ | フィールドワーク | 22:18 | comments(0) | trackbacks(0) |-
【一橋大学 2017年春夏学期】

4月からはじまった一橋大学の2コマもようやく7月下旬にきて終了した。

この大学で教えるようになったのは2008年。

というわけで、10年目なんですよねかれこれ。

 

私の場合、芸人として雇われたわけではなく、

日本語学の博士課程を終えてから、

日本語教育の人間として雇ってもらえた最初の大学。

 

その大学が、4学期制を導入するにあたり、

この4月から1コマ105分、それを2コマ、

さらに学生が最初は爆発的に増え、

このままだと過労死ってところまでいきましたよ。

 

 

なんで105分になるのかっていうのは、説明すると面倒くさいんで省きますけど、

人間の集中力って105分持たないです。

教えてるほうだって、芸人の単独2回廻ししてるのとおなじですから。

正気の沙汰ではありません。

しかも学生は一日何コマもあるわけです。

 

なんだかんだGWを過ぎると、

人数の絞り込みに成功し、通常運転より少し多いくらいの人数におさまりました。

 

一橋では日本人学生ではなく、留学生に教えています。

半年でのお別れ。

この3ケ月で、一生会わない人もいます。

国に帰って働く人も、こちらに残って研究する人も、

また別の国に留学する人も。

 

人間交差点なわけです。



 

今期はバチクソ優秀な韓国人留学生がおり、

感動しました。

 

外国語であの領域までいけるって、

どんな気持ちなのだろう。

 

毎週水曜日、この大学に来て、

日常のいろいろをリセットします。

それくらい、国立の街自体が好きです。

 

生まれ変わったら、一橋大学に入学して、

ちゃんと恋愛をして、留学したいですけど

大学受験できっとくじけることでしょう。

 

2017.07

 

posted by: サンキュータツオ | フィールドワーク | 22:17 | comments(0) | trackbacks(0) |-
【京都精華大学:後藤靖香展『必死のパッチ』:トークイベント「戦争と物語」米粒写経で登壇】

京都精華大学にて、後藤靖香(ごとうやすか)さんの個展「必死のパッチ」

が昨年12月から1月に開催されており、

期間中のトークイベント「戦争と物語」において、

後藤靖香さん×米粒写経 という三人で座談形式でお話してきました。

1月10日のことです。

 

後藤さんの作品については、上記のリンクをご覧ください。

戦争という出来事は、私たちは祖父母などの世代から間接的に聞くか、メディアなどを通じて知るといった、二次的な体験でしかありません。

ですが、戦争期間中もきっと楽しいことはあったし、起こっていた出来事が大きすぎて、むしろ生活のこまごましたディテールが語り漏らされている可能性もあります。

映画『この世界の片隅に』は、そんな人たちの生活を描いた作品でしたが、

後藤さんも広島のご出身で、原爆前にも広島には生活していた人たちがおり、どうしても原爆だけをピックアップしてドラマチックに語られがちなのですが、それ以前の人々の生活も想像しようという試みで、志がおなじようなものを、実際に展示を拝見して感じました。

 

また、男同士の友情や戦友だけがわかる共通体験を通して、いろんなドラマ(あるいは疑似恋愛的な?)もあったと思います。

 

後藤さんは「米粒写経のガラパゴスイッチ」をYOUTUBEで見てくださっていて、居島、タツオ双方のことをよくご存じの方でした。

というわけで、出張版ガラパゴスイッチのように、あとからあとから三人が思いつく話を、相手の話に反応しながらすることができ、楽しかった!

こういう出張版、やりたいですねえ!

日本全国、うかがいます。

 

京都は久しぶりでした。

 

京都精華大学。

立派な大学でした。

 

 

少し早めに京都に到着したので、国際会館駅で下車し、借景の庭園で有名な圓通寺に。

ここがもう最高すぎて、一時間以上庭を見ていました。

圓通寺からは歩いて数分の京都精華大学に到着、職員の方に「圓通寺いいですねえ!」と興奮気味に伝えると、「どこですかそれ?」と聞かれたので、おいおいここなんの大学だよ、という微笑ましい一コマも。

 

iPhoneImage.png

一枚一枚が巨大な作品です。

後藤さんの作品はおしなべて大きいです。

それだけに存在感がすごいです。

 

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お風呂帰りのふたり。いい感じじゃないですか。

うん、いろいろ妄想をかきたてられますな。


 

実在した人たちのさまざまなエピソードや、資料などから関係性を読み解き、当時の人々の生活の息遣いや心のやりとりまでが伝わってくるような、楽しい展示でした。

 

後藤さんは資料を読み込むのが大好きらしく、おなじことを別の人が語っているのを読んだりして、ここで彼が言っているのは、もしかしてこういうことなんじゃないか、などという「行間」の読みの名手でもあり、

歴史の居島、萌え(行間読み)のタツオ、双方が楽しめるトークショーでした。

 

ご来場のお客様にも大変喜んでいただけました。

楽しい時間を過ごせました。

翌日、一橋大学の通常の授業があったため帰らなきゃいけなかったんですが、

できればいつかゆっくり飲みかわしたいものです。

 

後藤さん、また京都精華大学の方々、どうもありがとうございます。

またやりたいです。

 

以上

posted by: サンキュータツオ | フィールドワーク | 17:04 | comments(0) | trackbacks(0) |-
【平成二十八年 米粒写経 例大祭】

10月3日(月)、4日(火)の二日間、

平成二十八年 米粒写経 例大祭「寿限無論」
深川江戸資料館で行いました。

 

写真:橘蓮二さん ありがとうございます!(春風亭一之輔師匠の独演会での撮影)

 

プログラムには、このように書きました。一部抜粋です。

 

芸人としてのピークがいつ頃なのかはわかりませんが、ここから10年は技術的、体力的にピークだと思います。
そういう時期に、後悔のないものを世に出したいと思っています。

私たちは浅草キッドさんのライブでこの世界に入った人間です。
文字量、情報量、サービス精神、常に限界MAXに挑んでいる二人を見て育ちました。
なので、いま我々がこういうことになっているのも、自然な流れだったのかなと思っています。

いろいろなキッカケで居島、タツオを知ってくださっている方がいると思います。
ですが、米粒写経はひとつです。
どこから入っても、コンビとして愛してくだされば幸いです。

平成二十八年十月三日、四日
米粒写経
 居島一平 サンキュータツオ

 

これに尽きます。

3分とか4分のネタもありますが、そういうものだけではなくて、文化の一シーン、というと気恥ずかしいですが、自分たちが思い描く理想形をひとつやっておきたいと思うに至りました。

本気で、寄席10日間出たとして、毎日ネタ変えられる、それでいて若い人にもちゃんと伝わる漫才。トリだったとしても耐久力のある漫才。

 

また、全員が笑うというのもいいのですが、2割、3割がつねに反応していて、またそれを「よし」としている客席もまた、いいものです。そういう多様性を許容するような「寄席的な」雰囲気のライブを模索したわけです。

イメージとしてはトーキングブルースの漫才版。

 

淡々と、オファー仕事をこなすプロ意識もあるにはあるんですが、自分たちの達成度を得るという意味で、そして自分たちの現在地を確認するという意味で、漫然とここからのキャリアを過ごすよりも、新たな刺激を欲する道を選びました。

これは、それぞれが自分のお客さんをコンビのライブに誘導できるくらいに魅力的な存在にならないと意味のないことでした。なのでここにくるまで時間はかかりましたが、やってよかったことだと思っています。

 

 

 

漫才は楽しいです。

普段、大学で日本語教えたり、単体での仕事もありますが、すべてから解き放たれ自由でいられるのは舞台の上だけです。

そして私はピンのネタをやる主義ではありません。

18歳のとき、大学で出会った居島一平という人物の奇怪さに魅入られ、この人の魅力をどうしたら伝えられるのか、ずっと考え続けた日々です。もちろん、自分の魅力も伝わらないと漫才としての魅力はかけてしまうので、コンビ芸としての漫才にも向き合う結果になりました。

それは大学院での研究ともつながり、ライフワークである文体論とも繋がっています。

 

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二日とも超満員で、おかげさまで550強のお客様に見ていただくことができました。

 

内容は来てくれた人だけの宝物なのですが、

落語「寿限無」のメッセージってなんなのってところから、落語全体を俯瞰するような歴史ミステリーでもあり。

個人的にここ10年くらい考え続けた「なんだこの噺!?」という想いに決着をつけるのと、居島さんの異常すぎる歴史記憶スキルをいかんなく発揮できた舞台だったと思います。

またどっかでやりたいね! 30分〜90分の可変域のあるものだから。ネタというよりは、トークというか、でもネタなのかな。トーク以上ネタ未満な。予定調和的でない、台本追う系ではないもの。

オファーあったらやりまっせ★

 

関係者のなかには、いわゆるネタ的なものを求めていらした方もいたかと思い、面食らったかもしれませんが、それが正しい反応です。

でも、落語の知識がなくても、なんとなく寿限無はだれもが知っていますし、はじめて聞いた言葉なんかもあったかもしれませんが、理解に必要なだけの説明はしたと思う。わかんなくてもいいところは、流したし。身近なところにいろんなミステリーがあるんだよ、という学究的エンタメのあり方は伝わったかと思います。それがおもしろいかどうかは置いといたとして。

 

基本的に人間不信なので、「とっても素晴らしかった!」「おもしろかった!」と言われても、さすがに面と向かってはつまんないとは言わないよな…と思ってしまう自分もいるにはいるんですが、それでも少なくともそう伝えようと思った事実はうれしく受け取りました。自分も、面白いと思ったものは嘘なしに面白いと演者さんに伝えることにしているので、そういう方ももちろんいるだろうし、とってもうれしいです。

なにより、会場となった深川江戸資料館の舞台スタッフの方が、打ち合わせから「なんだお前ら」的な雰囲気を出していたにも関わらず、終わったあとに「いやあ、いいもん見させてもらった!」と言ってくださったのが一番うれしかったです。自分たちのことを知らない人でもそう思ってくださったということは、まちがってはいなかったかな、と。

 

まさかカーテンコールまであるなんて。予想していませんでした。楽しんでいただけたのかな。

 

ポッドキャスト「米粒写経のガラパゴスイッチ」

こちらでのプロモーションや、Youtubeで米粒写経を追いかけてくださっている方も大勢いて、動員の助けになりました。

TBSラジオ「たまむすび」でも浅草キッドの玉袋筋太郎さんがコンビで出させてくださり、

また水道橋博士さんはツイッターに番組に、私たちのことを応援してくださり、

本当に感謝感激、戦車突撃です。

私は、自分たちの歴史のなかに位置づけてみたとき、どうしても浅草キッドさんに憧れてこの世界に入ったことを忘れるわけにはいきません。その後、東京ボーイズさんや前田隣先生、喜多八師匠にもお世話になり続けていますが、漫才としてはまず最初にキッドさんなのです。

 

長尺の、噛みごたえのあるエンタメをできる芸人は減っています。

ネタ尺が短くなっているのと同時に、横断的になにかを語れる人が少なくなっているからです。

 

今回は、台本を作らず、おおまかな進行だけを用意して、本番に挑みました。

お客さんあってのものなので、通し稽古もできず、なんとなく45分くらい、進行確認の稽古をしただけにすぎません。

また、私たちの場合は、稽古しすぎるとおもしろさがわからなくなっていくので、しすぎないようにもしています。

そういう意味では、大いなる一回性でもあるのですが、

二日とも、こういう感じにもなるんだなあという、やってて面白い90分になりました。これは芸人人生すべてが問われる舞台なんだなとつくづく思いました。

 

やって良かったです。

 

少なくとも、私たちのようなスタイルを望んでいる人たちが、平日の夜、万難を排してお金を払って会場にくる人たちだけでも数百人はいることが確認できました。

「わからないからこそ面白い」、「わからない部分は将来わかる楽しみがある」という思想のもと、「でも届いたときは楽しい」というものに仕上げました。

 

わかんなくなって、顔がおもしろきゃ笑えるし。それでいいんだよ。

 


 

差し入れでいただいたお酒「寿限無」。


 

居島一平画伯の原画の前にて記念撮影。

 


落語研究会の遠藤、池田、藤山さん、ありがとう!


たまむすびさん、新宿レフカダさん、ありがとう!

JFNさんからもお花いただきました!イマドキ用語の基礎知識、聞いてね!


WOWOWぷらすとさん、ありがとう!

 

 

唯一使用したOPとEDの音楽は、大好きなアニメ「PING PONG」から(松本大洋先生原作のあのPING PONGです)使いました。

出会ったときから居島さんは私のなかでペコです。私はスマイル……だったらよかったんですが、アクマですね。どう考えても。

アクマ好きだし。

でもアクマとペコの漫才ってのもいいもんです。

ペコっていうと、立川こしら師匠とかも私のなかではペコっぽいかも。ヒーローだぜあいつ。

 

今も居島一平はかっこいいですし面白いです。

コンテストのことだけ考えたら、このコンビではない人生があったかもしれません。が、18歳のとき感じたあの感覚を裏切りたくはないのです。

この相方で良かったと思えた夜になりました。

そして私も負けません。お互いが斬るか斬られるかくらいの緊張感と距離感があるから、コンビは面白いのです。

 

ありがとうございます。

 

タツオ

 

2016.10.09

posted by: サンキュータツオ | フィールドワーク | 15:07 | comments(2) | trackbacks(0) |-
【米粒写経「朝日カルチャーセンター」で講演@新宿 5/24(火)、30(月)夜】
米粒写経で、カルチャーセンターに講演しにいきます!
朝日カルチャーセンター「楽しく学ぶイマドキ用語」

JFN系列で3分番組「米粒写経のイマドキ用語の基礎知識」をやっておりますが(リンク先から音声が聴けます)、
その出張版とでもいいましょうか。

新語、流行語を紹介している番組ですが、この講演では新語ができる流れや、言葉そのものについてお話できればと思います。
5月24日(火)、30日(月)19:00〜20:30です。

どんな人たちが聴きにきてくださるのか、楽しみです!

2016.05.12
 
posted by: サンキュータツオ | フィールドワーク | 18:07 | comments(0) | trackbacks(0) |-
【『米粒写経のガラパゴスイッチ』ご来場ありがとうございます #米粒写経】
4月29日(金)『米粒写経のガラパゴスイッチ』、
ご来場くださった皆様ありがとうございます。

隔月最終金曜日に開催しているこの単独ライブも、もう数年に渡って完売記録が続いております。
今回は祝日にも関わらず大勢の方にご来場いただきうれしいです。

第一部のネタパートは、新ネタ「モノマネしりとり」と、「ふくわらい」(外国人の教えにくい日本語 その2)でした。
オフィス北野のホロッコ、シルキーラインにも出てもらいました。
なお、最初の30分ほどフリートークのコーナーでは、来る5月21日(土)にオンエア予定のCBCテレビ『本能Z』の収録の様子や、その後の水道橋博士さん邸での、居島一平 VS 博士チルドレン の様子を。やー、笑った笑った。

第二部のトークパート、今回は映画史、時代劇研究家の春日太一さんをお招きして、「陰謀史で読み解く徳川260年 その1 家康編」という話をしていただきました。おもしろかったなぁ!


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今回のオリシマーズは、春日太一さん


このライブ、年に一度くらい大きめなところでやるとか、なんかしたいですね。
私たちは知的好奇心を満たすお笑いを標榜しているので、そういうものを求めている層がたくさんいるといいな。
地道に続けるしかないのだけれど、こういう方向性の人たちがいるってことだけでも、知ってもらえたらと思います。

次回は6月24日(金)。

 
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【CD-BOX『志ん朝 東宝』 スペシャルサイトに寄稿】
故・古今亭志ん朝師匠のCD-BOX『志ん朝 東宝』が発売され、
ソニーのスペシャルサイトにコメントを寄せました。

高田文夫先生、東出昌大さん、『昭和元禄落語心中』の雲田はるこ先生、中野翠さん、読売新聞の森重記者など、
錚々たる顔ぶれに入れていただいのは光栄でありますが恐縮です。
山寺宏一さんはじめ、志ん朝師匠を愛する著名人は山ほどおります。
私以下の世代となるとなかなか生で聴いた、追いかけたという方は少ないかもしれませんが、
それでもここに名を連ねることになったことはとにかく畏れ多いことです。

志ん朝師匠は、私にとって太陽でした。

発売元であるソニーの来福レーベルは信頼のおけるところです。
監修の京須偕充さんには、著作から多大な影響を受けました。
『落語コスモス』という本で、志ん朝七夜という独演会シリーズを仕掛けるにいたる経緯が書かれていますが、志ん朝師匠を知らずともドキドキして読むことができることと思います。名文です。
この独演会を録音した音源がソニーから出ている志ん朝師匠存命中に発売されたCDです。これも奇跡かっつーくらいの傑作です。

没後、さまざまな音源やDVDが発売されました。
きっと存命だったら許可なさらないであろうものも世に出ました。
それもまた仕方のないことなのですけれど、伸び伸びしている明るい志ん朝師匠に出会える音源、それがこのシリーズです。

特典でついているネタ帳は、当時の古今亭志ん八、のちの古今亭右朝師匠によるもの。
右朝師匠は寄席文字の橘右近師匠のお弟子さんとなり、本格的に寄席文字に携わっていた時期もあり、そののち落語家になられたので、尋常ではないうまさです。
右朝師匠は、18歳のころに「早稲田文学」という文芸誌の編集をしていた際に出会って以降、たいへんお世話になりました。
いろいろなところへ飲みにつれていっていただきました。
厳しさのなかに優しさもあり、どこの馬の骨ともわからぬ学生相手にいろいろ教えてくださいました。
私だったらできないです。

そんな右朝師匠について、おなじサイトで高田文夫先生が書かれています。
日本大学芸術学部の落語研究会で、お二人は同級です。

雲田はるこ先生がお描きになっていた、志ん朝師匠の「手」の表現。
志ん朝師匠は着物姿がとても美しかったですが、なにより手のかたちの美しい師匠でした。
といってうるさくない。
ヒザの上にほんの少し置いているような、いや、もしかしたらヒザの上に「浮かせている」くらいおなじところに両手を添えていました。ベタっとヒザに置かないという。
手を動かすときは一挙手に意味があるとき。そんなストイックなところからも、どちらかというと父・志ん生師匠よりは、八代目桂文楽ないし、兄馬生の影響を見ることができました。ですけれど、身体全体から発する愛嬌などは、どうしたって志ん生譲りなのです。
すごかったです。

志ん朝師匠をじかに聴けたというのは末代までの自慢ですが、あまりしゃべりすぎると最近落語を好きになった人に、面倒なマニアが思い出話をするような、昔自分がもっとも嫌いだった人種になるので、あまりしないようにしたいなと自戒しています。
ですけれど、いまの時代の人でもすっと身体に入ってくる落語なので、音源でもその魅力は充分に伝わると思います。

非常に恐縮しましたが、これをキッカケに志ん朝師匠を知る人がひとりでも居てくれたらそれで仕事は果たしたかなと思うので、そういう方がいましたら、ぜひお手にとっていただだきたいと思います。

04.19
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【大学がはじまりました】
一橋大学、2016年夏学期、はじまりました。

早稲田に在学していたときは、都電沿いの早稲田から面影橋あたりまでの桜が日本一だと思っていたけど、
一橋で教えることになってから毎年国立駅から大学までのこの桜並木を見ていると、
まわりに高い建物のないこのおおらかな場所にあるこの桜が、
一番なんじゃないかと思ってきました。





この日は、風が強く桜が散りはじめ、文字通り桜の雨でした。

今セメスターでは、どんな留学生がくるのか。
毎回強烈な個性が現われるので楽しみだ。
添削は泣くほどつらいんだけど、学生にやる気があるから救われる。

今年度も日本語上級前半のクラスと上級後半のクラス。
どんな課題で書いてもらおうかな。

2ヶ月ぶりに教員のみなさんの顔を見たりしたのだけれど、
あれ、あの先生どうしたんだろうと思ったら、特任教授だったので任期つきだったので、別の大学に就職されましたよ、と聞きビックリ!
知らなかった!
唯一毎年ツールの話できる先生だったのに!
N先生…今年このサガンの活躍に期待してください。

学生にやる気がなくて添削の授業とか、マジ地獄だろうなあ。

2016.04.07
 
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