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原田まりる『私の体を鞭打つ言葉』
 原田まりる『私の体を鞭打つ言葉』
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以前、『WOWOWぷらすと』でもよくご一緒した、原田まりる氏。
腐男塾というアイドルグループを卒業後、もともと大学などで学んでいた哲学の素養を活かし、このたび書籍を出版した模様。

まりる氏は漫画オタク、アニメオタクでもあり、BL好きということもあって話しも合う数少ない友人なのであるが、
ショーペンハウエルやベルクソンの話をできる女性ということもあって、
その存在の希少性は計り知れない。
アイドルの口から「ショーペンハウエル」とか出てこないよ普通!

というわけで、そんな自我の方が大人しくアイドルやっているわけはない。
もちろん、そういうアイドルがいても面白いのだが、本人的にどこかで区切りをつけたのだろう、ほどなくしてこういうことになった。

さらに驚くべきことにこの人は文章がうまい。
いや、自我のある人は表現という行為に対して昔から意識的なので文章がうまいのは当たり前といえば当たり前なのだが、なかでも描写が素晴らしい。
この本はサンマーク出版という、自己啓発でおなじみの出版社から出ているのだが、
自伝的小説として読むのが一番適正だと思う。

アイドル時代に暴漢に襲われたときのこと、恋人に猛烈に嫉妬すること、SとMを平然と語り、自然に具体的なエピソードから哲学の話へとシフトしていっている。
これは、過去の哲人と対話する女性が主人公の、小説なのである。

暴漢に襲われたくだりひとつとっても、
「浅黒く焼けた大きな手を口に押し当てられ、息のできない状態にされていた。逞しい骨格と、独特の匂いから、すぐに日本人ではないことはわかった。
 私はもがきながら必死に抵抗した。
 口に押し当てられている手に噛みつき、相手がひるんだ瞬間を見計らい、
 「誰かー! 助けてー!」
 大声で助けを求めた。
 すると男は驚き、さらに力強く私の首を締め、黙らせるために舌を強引にねじ込み、口を塞いできた。私はさらに抵抗し、思いっきり相手の舌を噛む。攻撃は効いたようで、相手は体勢を崩した。
 その瞬間、私は相手の急所を蹴り上げ、マンションの外へ逃げようと急いで立ち上がった。立ち上がった瞬間、男に再び後ろから羽交い絞めにされる。マンションの外へ引きづられ、再び押し倒される。しっかりと覆いかぶさられ、身動きの取れない状態で、口を塞がれて息ができない
 頭の中が、視界が、意識が、かすんでくる。」
(p.72「本当にあった怖い話」から抜粋)
という緊張感あるシーンの文章。
センセーショナルなお話かもしれないが、文章はいたって冷静。

なにがすごいかって、まず過去形と現在形の混在。
最初は過去形で状況を描写しながら、「私はさらに抵抗し、思いっきり相手の舌を噛む。」で突如現在形が顔を出す。
ここからは動画再生されるように、徐々に現在形が優位に立ち、再現VTRはフラッシュバックするよう。
「羽交い絞めにされる。」以降は、「押し倒される」、「息ができない」「かすんでくる」とすべて現在形で描写される。
これは明らかに意識的であり練達ぶりを感じさせる。これは個人文体で代筆ではない。
「誰かー!助けてー!」のあとも、普通なら「と、大声で助けを求めた。」と「と、」を入れるのが普通だが、ここでは省略されている。「説明」ではなく、「状況の再現」に比重が置かれているので、事実を時系列に羅列することで緊迫感がでる。
「頭の中が」「視界が」「意識が」という「が格」の畳み掛けは、マンガ的手法と言ってもいい、じょじょに絵が黒くなっていく瞬間を3分割に切り取って描写している。
「立ち上がった。立ち上がった瞬間、」も、普通は「その瞬間」と引き継ぐが、ここは音楽性というか、リズムと「動作の羅列」を優先して「立ち上がった」を反復する。

 
だから小説的なのだ。いたるところに隠し切れない描写センスを感じさせる。本編の内容とは別に、またこういうところで読み手を愉しませてくれる。少なくとも私はそういうところを重点的に楽しんだ。
 
この本は面白い!
それは原田まりるがなんとも説明しにくいパーソナリティであり、説明しにくさとは同時に「唯一性」でもあるから、当然その人が語るものは面白くなるからだ。
次は原田まりるの小説を読みたい。
 
ところで、また仕事をしたいものである。

2014.11.8
posted by: サンキュータツオ | ★コラム | 06:20 | comments(0) | trackbacks(0) |-









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