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【朝日新聞 書評委員 任期終了】

2017年から2年の任期で務めた朝日新聞書評委員の任期が、この3月で終了です。

はじめての経験だったのでどれくらいの作業になるのかも想像がつかなかったのですが、終わってみればとても充実した二年間でした。

鞄のなかには常に本、「読みたい」から「読まなくてはいけない」になりそうでならないギリギリのラインで、それでもだれかにこの本読んで欲しいな、あるいは存在を知られていないだけでもっと多くの人に知ってもらいたい本だな、というものを書きました。

 

私の在任期間には、野矢茂樹先生や宮田珠己さん、山室恭子先生、小説家の佐伯一麦さん(大学一年のときに平岡先生から読みなさいと言われた小説家!)、美術評論家の椹木野衣さん、政治学者の齋藤純一先生(後輩のマザー・テラサワの指導教授だったそうです)など、個性的な顔ぶれでした。

新聞の書評においてはかなり挑戦的な書評、そして柔らかい書評をする面々が揃い、だれでもわかる言葉で本質的なことを言う人たちが多かったように思います。

私は、みなさんとご一緒して「しなやかな知性」とはなにか、と考え続けました。考えただけで、なんら身にはつきませんでしたが。

 

また、柄谷行人先生や横尾忠則さんともご一緒することもでき、18歳のときの自分に教えてやりたいことがまた増えました。

 

私が書評したのは全部で37本、昨年夏の「明治150年」の特集鼎談や「ひもとく」という特集ページでの書籍の紹介も含めると、だいたい1ヶ月に1.5本くらいの書評をやっている感覚でした。

 

私のだいたいの書評は、朝日新聞の「好書好日」というサイトで読むことができます。

この期間は読みたい本は後回しにして、ひとまず書評のことばかり考える毎日でした。

 

演芸では松之丞さんの本やたけしさんの本、上方らくごの書籍、広瀬さんの本や圓朝研究、

学術的な書籍では、重力派や坐の文明論、なぜペニスはそんな形なのか、悪態の科学、

文学ではヌーボーロマン、評論をはじめ、古典に関する書籍も紹介することができました。

日本語に関する書籍は、研究領域が近いぶん、なかなか機会に恵まれなかったのですが、それでもオノマトペの謎、ダーリの辞典など紹介できたのはうれしいです。

 

どれほど貢献できたかわかりませんが、日本で影響のある書評のひとつであることはたしかです。紹介すると本が売れます。重版がかかったなんて話も聞きました。

だからいい加減な気持ちでなく、心から惚れた書籍を紹介しました。

 

担当してくださった記者のみなさんにも感謝しています。

このような機会を与えてくださりありがとうございます。

 

いやー、それにしても芸人が書評委員をやる日がくるなんて。

最初の一年は最年少だったしリズムをつかむまでに時間かかった!

 

書評するタイミングがなかったけれども、ほかにも良書に巡り合うことができました。

これまで献本などもいただきましたが、一冊も読む時間がありませんでしたので、それじゃ意味がないと叱られそうですが、これからこっそり読もうと思います。

そして、これは委員を終わってから読もうと楽しみにしていた本も、これから読んでやろうと思います。

 

なんか隔週だったんだけど、この委員期間中にご一緒した方々との時間は、宝物でした。

 

タツオ

 

2019.03

 

posted by: サンキュータツオ | 書き物 | 06:58 | comments(0) | trackbacks(0) |-









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