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マイダーリン
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「あんちゃんたちよ、声がいいよ、気に入った!」

とあるライブでご一緒した前田隣先生は、私たちの出番が終わると、楽屋で待ち構えていてそう声をかけてくださった。
出番途中にも、舞台後ろの楽屋から、私たちのネタを、薄くドアを開けて見ているのがわかっていた。

……これはなにかお叱りを受けるに違いない。

そう思って、楽屋に戻ると、いの一番にそう声をかけてくださったのだ。

「なんだかさ、
 声が低いのと高いのが揃ってるしさ、
 声が大きくていいや。
 音楽みたいだよ。
 漫才てのはこうじゃなきゃな」

私たちにとっては、前田隣先生といえば、雲の上の存在であった。
学生時代から寄席で拝見していた姿と寸分もちがわない。

しかし、隣先生は癌を患い、実はそのときも病院から舞台にかけつけていた。

「先生は話がわかる人でさ、
 好きなことやるのが一番いいってんで、
 こうして外に出てこられるわけ」

隣先生は、舞台衣装の赤いストライプのパジャマに着替えてこうおっしゃった。
傍からみたら、病院を抜け出してきたというよりも、脱獄してきたかわいい囚人のようであった。
そう告げると、隣先生は、

「これだから漫才師は嫌いだよ」

とニコニコして返答してくれるのだった。

「いやあ、最初いった病院でさ、
 とにかく詳しくみてもらったほうがいいってんで、
 紹介状書いてくれたんだよ。
 なんかやばい病気なのかなあ、って思って行ったらさ、
 『国立癌センター』って、癌じゃねえかよ!」

と舞台でイキイキとネタをなさるのとほとんど同じ調子で楽屋でもまくしたてる。

私たちはそれから前田隣先生に一発で惚れ込んでしまったのだ。

そんな隣先生が、脳梗塞で倒れられた。
癌の上に脳梗塞である。

それでも先生はいまも元気である。
また舞台に還ってきてくれる。

そんな、隣先生が還ってくるまでの間、先生の留守を守るという意味で立ち上げたライブ、
それが「前田隣るすばんライブ」だった。

今日、また留守を守ってきます。
posted by: サンキュータツオ | 土曜♪随筆(開設〜2009年9月まで) | 17:04 | comments(0) | - |-