-
NBA論2008.05.03 Saturday
-
NBA論
どうしてもNBAの話がしたい。
周りの友人にだれもNBAを語れる人がいないのである。
芸人が好きなスポーツはたいがい野球かプロレスである。
それがデフォルトであるようなのだ、どうやら。苦しい。生きにくい。居心地が悪い。
というよりは、野球もプロレスも芸人にとっては「教養」なのである。
テレビっこはみんなこの2つが好き、というのが「定形」である。
今年はベイスターズも最悪の出だしなので、ことさら野球の話はしたくない。
サッカーの話もしたいのだけれど、サッカー好きも周りにあまりいない。
なので、だれのためでもなく、ただブログでNBAの話をしてしまおう。
なにせいまのNBAは「西高東低」がますます激しくなっている。
今年の西カンファレンスは、上位8チームが勝率6割5分以上だからハンパない。
かたや東カンファレンスは、8位のチームが勝率4割4分という、「負け越しでもプレーオフ進出」の状態。
そう、いまNBAは多くの才能ある選手が、西のチームに固まっているのだ。
この現象は、史上最強センターのシャキール・オニールがレーカーズに移籍したときくらいから続いている。
この時期ちょうどジョーダンが引退したこともあり、東はしばらくどんぐりの背くらべだった。
当時のレーカーズはジョーダンの後継者とまで言われたコービー・ブライアントとオニールが組んだ、もう「手のつけられない」チームだった。
正直つまんないくらい強かった。間違いなくあの頃のシャックは「史上最強センター」だったのだ。強いし早い、という無敵状態。
このレーカーズをやっつけるべく、いろんな西のチームが有能な選手の囲い込みをはじめる。
自然、西の16チーム全体のレベルアップにつながり、交流戦ではほとんど西が勝ち星をあげて、こうした「西高東低」現象につながった。
で、今年なのだが、いまのNBAは最高におもしろい。
なにせ若手とベテランのバランスが絶妙なのだ。マイケル・ジョーダン全盛だった頃に若手と言われていた選手たちがみな「円熟」の境地にさしかかり、試合を見ていると、「あ、この人、名前知ってる」という人と、「おや、知らない若手だ」の配合具合が絶妙の時期なのである。
一昨年、そんな「西高東低」にもかかわらず、東の優勝チーム・デトロイトピストンズが、「最強のディフェンス」をひっさげて西のチームを倒し優勝してしまったのは記憶に新しいが、これでちょっとは東もレベルアップするか!? と思いきや、それは脆い王朝だった。
一昨年のピストンズは、往年のバットボーイズ(ロッドマンがまだひたむきだった頃)の再来かというほどの迫力があり、まさにスターのいない「職人軍団」の栄光を見せてくれて涙したものだが、それも昨年はあっさりと負けてしまった。
レブロン・ジェームズの登場である。
レブロンにはジョーダン的なカリスマ性がある。去年のファイナルはまだチーム全体の力不足を感じさせたが、それすら初期ジョーダンが経験したブルズが優勝できなった頃と重なって期待させるものがあった。
でもまだ早い。ジョーダンにとってピッペンがいたように、レブロンにはまだ生涯の相方が見つかっていないような感じがする。ピッペン出現前のマイケル・ジョーダンと状況が非常に似ているのだ。
東は、ピストンズ、レブロンのいるキャブス、そして今期超大型補強をしたボストン(ガーネット擁する)、この三つ巴だ。
しかし、問題は西なのである。
私の大好きなアイバーソン率いるナゲッツ。カーメロ・アンソニーという素晴らしい相方を得て、「円熟期」に入ったアイバーソンの能力が光るチームではあるが、やはりあと一人、大きな才能が必要だった。3ポイントシューターかセンター。どちらかが欲しい。
ナゲッツは、デビジョン1位のレーカーズに敗北。
そう、レーカーズは今年断然優勝候補なのだ。
こちらも円熟期に入ったコービーに、ガソルという器用なセンターが入った。
このガソルの加入が、レーカーズのチームとしての完成度を高めたのだ!
ガソルはオニールほどセルフィッシュでないし、手先も器用、パスもさばけるし、ゴール下も頼もしい。
まさにコービーにうってつけの相方なのだ。
そこに3ポイントの強いフィッシャーなどがいるから、はやり過去最高の完成度かもしれない。監督は栄光のブルズ時代を率いたフィル・ジャクソン。
レーカーズはおもしろい。強い。チームとして円熟している。「大人のバスケット」なのだ。
この磐石なレーカーズを倒せるのは、もしかしたらロケッツかもしれない。
もう勢いとか奇跡が起きない限り、レーカーズにはどこも勝てない。
そんな「勢い」と「奇跡」を起こしてくれるのは、ロケッツくらいしかいなさそう。
ヤオ・ミンを怪我で欠いたあとに、なんと22連勝した勢い!
そして残り35秒で13点差をひっくり返した、マグレディというエースの存在。
脇を固める職人軍団の勝負強さも頼もしい。
レーカーズに勝つという「まさか」が起こりうるとしたら、もうロケッツしかない。
東はどこが勝ちあがろうが、レーカーズには勝てない。
しかし西でレーカーズが負けたとしたら、東にも分がでてくる。
くー!!
プレイオフ見たい!
アイバーソンがもう見られないのは残念だけど、ふてぶてしく勝負どころで決めてくるコービーの背中が見たいものである。
すいません、まとまりなくて。ただ書きたかっただけで書いてしまいました。
-
11年後の今読んでもすごく的確な文章でNBA愛が伝わる。
そして11年前の記憶が蘇る〜
レイカーズ強かったな。ピストンズはプリンス、ベンウォーレス、ビラップスかな?ナゲッツのアイバーソンがどんなプレイだったか思い出せん。。。レブロンルーキー時代は衝撃的だった、とか懐かしい。| tk | 2019/06/11 1:00 PM |