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BRUTUS ポップカルチャー特集
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現在発売中の『BRUTUS』における、水道橋博士師のビートたけしと松本人志に関するコラムは、このためだけに本誌を購入するだけの価値ありと思われるほどおもしろく読みました。

ご存知の方には今更のことであるかもしれないが、どこまでも「男の子」な両者の発言の数々、さりげなく書いてはいるが、共演者でもあり取材者でもある博士師の炯眼と質問力は、業界でも他にいない存在である。
単なる評論家には及ばぬ領域にまで到達しておられる。
こういうものを読むたびに、批評家なる存在はなんなのか、と考えさせられるわけであるが、博士師の場合は、プレイヤーであることすら批評家であるためのアプローチに見えてくるから脱帽する。

むろん、外側から「結果」しか見ない形での評論というのも否定はしないが、内側にいる人間は、内側からも外側からも対象を観察することができる。

私の学部時代の師・平岡篤頼は、文学研究をする傍ら自ら小説を書くという、非常にリスクの高いアンビバレントな所業をやってのけていたが、彼が言うには「書くのも読むのもおなじこと」という理屈であった。つまり、どちらのためというわけではなく、両方やってみることで、片方からしか見えない景色以上のものが見えてくるというわけである。
平岡先生は結果的に芥川賞候補にもなり、「本業」のフランス文学研究でも画期的な仕事を成し遂げたわけであるが、私のなかには彼の思想が、否定したくとも否定できないなにかとして、根強く生きているのかもしれない。

別の話になるが、「笑い」と「切なさ」という組み合わせについて、まだだれも具体的に例証をもって回答してくれる方がいない。「切なさ」の定義問題にもなるのであるが、「どうしようもなさ」だったり「業」だったりするのであろうか。
「悲しみ」とはどう違うのであろうか。
「おかしみ」と「かなしみ」という表現であればまだ自分なりに理解できるのであるが、だれかたっぷり「切なさ」について記述してくださる方がいないものかと密かに期待している。
「切なさ」は、多様な解釈が成りたつほどに、さまざまな下位分類を有している。


posted by: サンキュータツオ | - | 19:57 | comments(6) | - |-
えっーー!タツオさんって平岡篤頼氏の下で研究してたんですか!!??
いやぁ、もう氏は「歴史上の人物」ぐらいの認識でしたので、すげぇビックリしてしまいました。
| キャス | 2010/05/16 10:37 PM |
>キャスさん、

はい、そうです。
「君は私の最後の弟子だ」とおっしゃっておられました。
私が入学した1995年から、先生が定年を迎えられた2000年3月まで、5年間に渡り、早稲田文学の編集委員もやらされ(これはやらされましたwそのおかげで留年?)、いろいろな居酒屋に連れまわされ、文学論だか人生観だか屁理屈だかわからぬ「つぶやき」を浴びせかけていただき、私の卒業論文の指導教員も受け持っていただきました。卒業後も渋谷のカルチャーセンターでの講座などうかがったりしました。終始自分のことをだれも評価してくれない、という理由で自慢話をたくさんしてくださいました。
筆字でのお手紙もいただいたりしました。
文学の全ては平岡篤頼に教わりました。
先生が亡くなり、一昨年夏に軽井沢に平岡文庫(旧別荘)が完成したのはご存知でしょうか?
毎年夏に奥様が受付をなさり、その期間は無料で自由に出入りできます。奥様の気が向けば、珈琲か紅茶も出してくださいます。

それにしても平岡先生をご存知の方がおられ私は底知れぬ幸せを感じております。
たしかに歴史上の人物ですものね。世間的には、やや難解な小説を書き、研究者としてはヌーボーロマンの紹介者として認識されておりますが、スタンダールや谷崎潤一郎、井伏も愛する永遠の文学青年でございました。声が古今亭志ん生に似ており、タバコで喉に大きい患いができたのにもかかわらず、研究室では終始タバコをのんでおられました。

その後、大学院でも別の歴史上の人物の指導を受けられた私は、本当に学術の面では最高の幸せ者だったと思います。
平岡先生から教わったことは数え上げられません。
しかし、「君は小説を書くべきだ」と、遺言のように何度も言われていたのに、生前一度も期待に応えられなかった自分が残念でなりません。平岡先生の思い出はありすぎて、ブログでもなかなか書ききれません。いつか書ける日がくるといいなと思います。

先生をご存知の方がいた!ということが嬉しくて、ついたくさんコメントしてしまいました。

ご紹介した、水道橋博士師のコラムも、是非読んでみてくださいね。
| タツオ | 2010/05/17 7:22 AM |
手前勝手なコメント(後で気付いたのですが、タツオさんのプロフィールの欄に平岡氏の記載がありましたね)に対して、いやはや丁寧なレスをいただいて、まことに恐縮しております。ありがとうございました。
私は末端の許可局員ですが、毎週更新を楽しみにしている「東京ポッド許可局」のサンキュータツオが平岡篤頼の弟子だったという事実があまりに驚きで、勢い余ってコメントしてしまった次第です。

ただ、一つだけ、タツオさんの「誤認」を指摘させていただきたいのですが、平岡氏は「ご存知の方がおられ」るといった表現を、ましてや直近の弟子が、使われるほど名のない方ではないと思われます。
それは、文学部出身でもなく、「教養」なんてものには程遠い、田舎の若輩(私です)でさえ「早稲田に平岡という偉い先生がいた」と認識していた、という事実が証左でしょう。
少しだけ日本とフランスの文学に興味がある、という程度の私ですら、ロブ=グリエの日本での知名度は平岡氏の訳に依る所が大きいだろうと知っていますし、これまた「歴史上の人物」であらせられる所の江藤淳氏との論争など、氏に接続する機会は数多くあります(しかし、最近は江藤氏ばかり「神様扱い」されていますね。福田和也さんの影響でしょうか。。。。ところで、歌手の一青窈さんは福田和也さんのゼミ出身らしいのですが、「一青窈は江藤淳の孫弟子」と考える度に少し吹き出してしまいます。「一青窈は福田和也の弟子」でさえけっこう面白いのに...)。

先ほど検索してみたら、ウィキペディアにも「平岡篤頼」の項目が立っていましたし、それほど謙遜されることもないと思うのです。

私個人としては「サンキュータツオと平岡篤頼の交流」が垣間見れただけで凄く幸せで、言うなれば「師弟萌え」を味わわせていただいたのですが...。

レスいただき、また平岡文庫のことなど教えていただいて、本当に嬉しかったです。ありがとうございました。

繰り返しですが私は末端の許可局員で、浅草キッドの大ファン、尚且つビートたけしと松本人志など、最早「歴史上人物」どころか「神」として崇め奉っている人間ですので、神々の織りなす「神話」を(あるいは、水道橋博士氏風に言えば「男の星座」を)見逃すわけにはいけません。
ブルータスの記事は未読なのですが、必ず読もうと思っています。

それでは。お目汚し恐縮でした。お相手していただいてありがとうございました。
| キャス | 2010/05/18 9:37 AM |
>キャスさん、

ホントに嬉しいコメントありがとうございます。
あ、いや、ヌーボーロマン、個人名で言えばロブ=グリエ、シモン、ビュトール、サロート、デュラス……
知る人ぞ知る、ですが、およそ一般の方にとってはなじみのない作家たちなもので、というかむしろ(「というかむしろ」は私が好きな平岡節のひとつ)、小説が好きな人たちのなかでもマイノリティな、しかも海外の作家なので、キャスさんのようなインテリゲンチャ(という言葉を使われるのはお嫌でしょうが、それ以外に言葉がありません)でもない限り、逆に文学部でもなんでもない方はご存知ないかと思いまして。
もっと言うと、一青窈は知っていても、江藤淳や福田和也を知らない方たち、もっとほかの専門をお持ちの方たちを常日頃相手にしている感もあるので、私の感覚が鈍っているのかもしれませんが。
私個人としては、平岡篤頼を知らないなんて!日本一の学者で作家で翻訳者だよ!と全国民ひとりひとりに言ってやりたいほどですが、思わずそういう表現になってしまったことはお許しください。

平岡先生は、ご存知のように、弟子の教育に関しても素晴らしい足跡を残されました(と、弟子の私が言うのもアレですが)。
栗本薫氏にはじまり、最近ですと小川洋子さんや角田光代さんまで、早大文芸科においても名だたる作家が平岡先生の薫陶を受けていることが、先生の「ブンガク」(よくカタカナでブンガクとおっしゃっていたのです)の教授法、理屈でなく感性の部分での教育という難しい領域における教授法の正しさを証明しているように思います。
平岡チルドレンの一人として、姉弟子、兄弟子たちを応援しております。

大学院からは、中村明、野村雅昭という、こちらもレジェンドたちの教育を受けましたが、このあたり響いてくださる人がなかなかおらずさびしい限りです。
いや、ホントに中村先生すごいんですってば。
野村先生は、ひどいんですってば。
| タツオ | 2010/05/18 3:02 PM |
まさかまさかの二度目の返信(よろしいですか、私は青春時代など脳内のほとんどがお笑いで占拠されていたような人間です。その頃に米粒写経の漫才も観ました。そんな男が、芸人さんと、サンキュータツオと、言葉を交わすのです。打ち震えるほどの緊張をもよおすのは自明であります)、ありがとうございます。


ましてや、私のことを「インテリゲンチャ」などと称揚していただくなど・・・、いやはや、もうなんとお答えしていいのやら。
ただただ恐れ多く思っている次第です。
事実、おそらくすでにタツオさんのお耳に入っているだろうと思いますが、TBSラジオ「文科系トークラジオLife」において社会学者の澁谷知美さんがこのブログに言及されていたのですが、まぎれもない、澁谷女史のような方こそ「インテリゲンチャ」なのであって(実は気になって『広辞苑』(第五版)を引いたのですが、「共産圏における知的生産者」が語源でありました。つまり澁谷女史は本来的な意味においてもそうなのだ、と)、またそんな「インテリゲンチャ」層がこのブログを閲覧していると想像するにつけ、拙文が見識豊かな彼ら/彼女らに晒され、嘲られているのではないかと戦々恐々としているのです(なら、書かなきゃいいんですが・・・いやいや・・・お恥ずかしい)。
というわけで、「インテリゲンチャ」については、謹んでご辞退申し上げます。全く面倒な自意識にお付き合いいただくのも恐縮なのですが、「you tubeとウィキペディアさえあれば誰でもインテリ」の時代です、ネット上で耳学問に少し長けたガキと遭遇した、というくらいにお思い下さい。


と、ある種の予防線を張った上でのご返答なのですが、タツオさんが薫陶を受けられた中村明氏と野村雅昭氏について、私はその全くを知りませんでした。
新世紀のマナーの一つ、「いちおうググる」を駆使した結果、タツオさんの専門領域である「文体」の専門家であると知り得ましたが、私のようなミーハーな文芸読者(例えば江藤淳や福田和也、あるいは柄谷行人などを「知っている」のは彼らの「学者としての業績」よりも、「パフォーマティヴな言動」に注目したからです。つまり、昔から言われる「悪い読者」の典型なのです)は、「文壇」などから距離を置く、それこそパフォーマティヴに対比させて言えば、コンスタティヴな「文学者」に不案内なのです。
しかし、それはジャンルとして相対的にコンスタティヴなのであって、あまり注目を浴びないジャンルにもとびきり「パフォーマティヴ」で「パンク」で「アナーキー」、かつ「おもしろい」学者や論文があるという事実から出発したのが、タツオさんの活動の一つである「おもしろ論文」なのではないか、と私は理解しています。


ですからもし都合がよろしければ、このブログのエントリーで、お師匠であられる所の中村氏、野村氏のこと、あるいはタツオさんがオススメする著作などを教えていただきたいです。
それに、「萌え」と「BL」を語る上で「師弟」などかっこうの「設定」でしょう。誰もが欲しがって手に入るものではありません。
そんな観点からも、お師匠の話楽しみにさせていただきます。
お付き合いありがとうございました。
| キャス | 2010/05/23 3:52 AM |
>キャスさん、

メッセージありがとうございます。

「あまり注目を浴びないジャンルにもとびきり「パフォーマティヴ」で「パンク」で「アナーキー」、かつ「おもしろい」学者や論文があるという事実から出発したのが、タツオさんの活動の一つである「おもしろ論文」なのではないか」

まさしくその通りでございます。
学者はパンクです。本人にその自覚もないのがほとんどです。

中村明先生に関しては『日本語レトリックの大系』(岩波書店)、また、入手しやすいものとしては、『名文』(ちくま学芸文庫)が一押しです。

野村雅昭先生は、漢字の研究者(しかも常用漢字表掲載の漢字を、少なくしていこう、というお立場からの)で、専門書多数ですが、師、という側面からすると、
『落語の言語学』『落語のレトリック』『落語の話術』という、落語シリーズがオススメです。岩波書店『落語の世界2 名人とは何か』に寄せておられる、古今亭志ん朝の文七元結の分析は、個人的には落語研究史上もっとも刺激的な考察と思っております。

中村明先生は、集英社『国語辞典』、野村雅昭先生は、小学館『国語辞典』をそれぞれ編纂なさっておりますので、是非この2冊はご自宅にどうぞ。

国語辞典、熱いっすよ。
いつかどこかでお話したいです。

師弟関係に関しては、だれが興味あるんだという話ですので、もしそういう機会があれば、できるといいですね。



| タツオ | 2010/06/06 12:39 AM |