Profile
  メッセージを送る
Calendar
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
<< June 2012 >>
米粒写経HP
米粒写経HP
サンキュータツオと居島一平のコンビ「米粒写経」。公式ウェブサイト
熱量と文字数
熱量と文字数
サンキュータツオPresents 二次元を哲学するトークバラエティ音声マガジン
漫才バカ一代
漫才バカ一代
米粒写経が主催する漫才オンリーライブ。年4回、3,6,9,12月開催。 ですが、レギュラーメンバーのスケジュールが合わず、次回は未定。
ワタナベエンターテインメント
ワタナベエンターテインメント所属
DVD『珍遊記〜太郎とゆかいな仲間たち〜』(1)(2)(3)

サンキュータツオの初声優作品!? 漫☆画太郎先生の傑作が春日森監督によってフラッシュアニメ化! 酒の肴にどうぞ。
サンキュータツオ
オリジナルデザインTシャツ
Tシャツリンク_1 Tシャツリンク_2
「一コマ目から好きでしたっ」
オタク心を代弁した魂の一枚をあなたも!
Links
New Entries
Category
Archives
Recent Comment
Recent Trackback
  • 水道橋博士のメルマ旬報 連載:サンキュータツオのお笑い文体論 「POSION GIRL BAND研究」連載開始しています
    Nowpie (なうぴー) お笑い芸人 (08/09)
  • 【ネタバレあり】『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』 タツオ解釈DAT編 〜やはりDATは見ていた!〜
    しげの樹 (11/25)
Search
mobile
qrcode
RSSATOM 無料ブログ作成サービス JUGEM
POISON GIRL BAND覚書(1) 

日々に追われていてなかなかブログが書けない。しかし日々書くことは蓄積している。
いま、私の問題意識に、ぐいぐいと入ってくるものはたくさんある。毎度のことながら、生きていることは楽しい。

POISON GIRL BAND(ポイズンガールバンド)という漫才コンビのことは、私は、同業者でありながら、なにはばかることなく、おもしろいと言い続けている。
なぜならこのコンビはまだ進化の途中だからである。
スタイルの完成をみて、試みていること、あるいはこれから試みているものが視野に入ってくるものは、追いかけなくてもわかることがある。しかし、このコンビだけは、なぜかメディアにはなかなか登場せず、ライブに足を運ばなくては見ることができない。
また、ライブでしか見られないものを、質の高い形で提供している数少ないコンビだと思うのだ。

流行り廃りは私にはどうでもいい。いま、なにを考えているのかを知りたい。ビートたけしや松本人志のテレビや映画や見、立川談志の高座や著作に触れていたのも、きっと「いまなにを考えているのか知りたい」という、進化の過程に立ち会いたい気持ちがそうさせている。
私はいま、そういう「おもしろがり」の対象がいくつかあるが、その一つがお笑いにおけるPOISON GIRL BANDの存在だ。

世の中的に、漫才師を図る尺度がM-1とTHE MANZAIしかないので、そこに出ていない人はおもしろくないと思う人もいるかもしれない。しかし、そういう人には関係ない。見なくていい。うつろいやすい客は、くっついてもすぐ離れる。結果、演者も育たない。うつろいやすい客をずっと魅惑しつづけるのも、自分のコアなファンを魅了し続けるのも、作業はおなじ。つまり、いま魅惑しつづけてくれる存在というのは、売れようが売れまいが、魅惑し続けてくれると私は信じている。

いや、M-1に三回も出ていて、売れていないと認識するのはいかがなものかという声もあるだろう。しかし、私は、彼らほどの才能は、もっと売れていないとおかしい、と思っている。仮にそれは、テレビタレント、あるいはラジオパーソナリティとしてでも、DVDのセールスがどうかとかそういうところでも、もっと評価されてていいコンビだと思っているのだ。

しかし、逆説的なことであるが、彼らの活動はメディア的には「停滞」しているからこそ、まだ独自進化を遂げているのだ。幸か不幸か、劇場で彼らの「本気」を見られることは、「いまこのとき」だけだ。

私も含め思うことだが、芸人が一番、才能気力体力技術が充実しているのは、30代から40代中盤くらいまでだと思う。異論も成り立つが、売れていようがいまいが、いわゆる芸人のオリジナリティや技術が開花するのは、一般的にいってその時期だと思う。そして、その時期に劇場に出ている芸人というのは、生で見られる最高のものを提示している場合が多い。
そういう意味では、私たちがやっている「フライデーナイトライブ」もそうなのだが、吉本はそこは徹底していて、みんな劇場に出る。
しかし、売れている人は勝負をする必要があまりない。それでも安定してネタを作り続ける人たちはいる。しかしその「安定」が、倦怠をまねくこともある。

ただ、このPOISON GIRL BANDというコンビ(昆布と変化ミスしました)に関しては、今年に入り突如活動を激化させているという点で、彼らのファンではなくとも、「必見」な匂いをプンプンさせているのだ。ハッキリ言おう、いまの彼らに注目していないお笑いファンは、お笑いファンとは呼ばない!

彼らのネタの構造の歴史については、不備も多いが、過去このような文章を書いた。

勝手にPOISON GIRL BAND応援キャンペーン

まだまだ勝手にPOISON GIRL BAND応援キャンペーン

どうしても見たい!POISON GIRL BAND



また、連載中の『GetNavi』でも、少ない文字量ではあるが、その進化の過程を書いた。書ききれなかった!

ネタの狙いやおもしろさもさることながら、イベントで「やろうとしていること」という、ある意味興行論ぽい仕掛けも今年に入っていくつかあった。

ひとつは「POISON GIRL BAND 60分漫才」、もうひとつは「ポイズン吉田が5人と漫才」である。
前者はルミネTHEよしもとのプライムタイム22:00〜23:00に漫才をやるという単独ライブっぽいもの。今年に入って3月と6月に一回ずつ行っている。けっこうなペースでやりはじめたのでびっくりした。3か月に一度くらいのペースなのだろうか。

後者は、吉田さんが5人と漫才をするというイベントで、これはシアターブラッツで行われた。
こちらは4月20日。
この間、4月から吉田さんはFMの帯番組まではじめているので、相当なカロリーの仕事を消化していると思われる。
以上の3つのライブ、奇跡的にスケジュールが空いたので(うそ、暇だったから)観に行った。

また、POISON GIRL BANDとしてのトークライブが、神保町花月で毎月行われている。
こちらも可能な月は観に行っている。
こちらは、正確には「POISON GIRL BAND テレビ吉田トーク」というライブで、吉田さんがテレビ番組の司会者、そしてそこに阿部さんとゲストコンビの3人の「その道」の職業の人が来て、どういう仕事なのかとか、エピソードを聞いていく、という「テレビ番組」の体。なのだが、「今日は○○の仕事の方に来てもらいました」は、舞台上で知らされる。アドリブを主軸に置いた、エチュードっぽいライブである。
今年から、この神保町花月のライブが、隔月でPOISON GIRL BANDとしてのトークライブになり、(そちらは観に行けなかった!)、そっちも興味津々なのだが、
ネタにおいて、この「テレビ吉田トーク」の手法が、実は60分漫才と連続的であると私は思っていて、どれも見逃せないライブになっているのである。

しまった、なぜ私がこうまでしてPOISON GIRL BNADにこだわり続けているのか、その問題意識と、彼らのネタの話をしようと思ったのだが、時間が来てしまった。
続きはまた無理やり時間を作って、書こうと思う。

2012.06.17


posted by: サンキュータツオ | フィールドワーク | 15:24 | comments(4) | trackbacks(0) |-