-
講演:小論文指導研修会@かながわ県民センター2012.07.27 Friday
-
本日は、第一学習社という教育系の出版社さん主催の、小論文指導研修会で講演をしてきました。
この会社は、小論文指導に関しては圧倒的な情熱とシェアで業界を牽引している、今日の気温以上に熱い想いをもったスタッフばかりである。
会場は、横浜駅から徒歩数分、かながわ県民センターという場所。
関東一円から、現職の高校の先生方が集まっておられ、小論文指導、作文指導への関心の高さを改めて思い知った。
私は、添削指導の先生方の前に、基調講演的な形で、
「「書く」ことは「読む」こと 〜想像することの大切さ〜」
というテーマで講演しました。
会場はこんな感じ。
150名弱の先生方が、三人掛けの机に三人びっしり。
世の中で、教員ほど仕事の多い仕事はない。
責任も大きく、業務も多岐にわたる。
指導要領が要求するものは改訂ごとに増え、ボランティア的な業務も数え上げたらきりがない。
私は現場の先生方、小学校、中学校、高等学校の先生方を、本当に尊敬している。
私も国語科の教員免許持ってますけど、教育実習の段階でさえ、ああ、いろんな学校にあわせて、教えること全然ちがうし、場当たり的な対応にもなるし、すっげえ大変だなって実感したから。
世間じゃダメな先生ばかりが報道されたりもしてるけど、ほとんどの先生は情熱をもって日々研究し、実践し、生徒と向き合っている。ホントすげえ!
そういった先生方が、近年需要を増している小論文指導に関して、さまざまな悩みを抱えていらっしゃる。
少しでもお役に立てればと、総論的にではあるけれど、自分の思うところ、ここ数年での大学での講義経験を踏まえて、
小論文対策、作文教育というものについてお話してきた。
いやマジでボケれない雰囲気。
先生方も、熱心に聴いてくださり、あっという間の時間でした。
だってさあ、
小論文、文章を書くってそれだけでも高校生とかにとってはハードル高いわけだし、だからこそものすごい心こめてかいちゃうわけで、提出するときの恥ずかしさとか、自分の意見を否定されたときのやるせなさとかハンパないわけで。
先生がどんな人かによって、「これくらいならいいかな」とか「こんなこと書いたら怒られそう」とか、生徒なりに空気も読むわけで。
単なる教科以上に、生徒ひとりひとりのパーソナリティにも関わってしまう場合もあるし、添削の仕方、評価の仕方、課題の出し方も難しい。
大変難しい教科なのである。しかも、大学によって入試対策がまるでちがう教科。
ここでの指導ひとつで、その生徒が一生文章書くの苦手!って思うか、意外と好きかも!って思うか決まっちゃたりもする。
ほら、高校生とかだとほめられると単純に嬉しいし、だめだしされたら、それでも自分は大丈夫!なんていう自信もまだないだろうし。
とはいえ、受験科目としての攻略法もきちんと存在するわけで。
話せるけど文章一行も書けないってレベルの人から、書けるけどオリジナリティがどうも…という人まで、レベルもさまざま。指導方法やアドバイスもさまざま。
というわけで、
私がお話するのは、
作文・小論文指導の際に大前提となる、
「書く」ときの三つの手順の話と、
書く文章に4つの種類がある話。
これだけ覚えて帰ってもらえれば、あとは先生方の手腕でいかようにも料理できると思うのだが、あわせて各論を少々。
教育は、教員の名人芸であってはならない。最低限、だれがやっても均一の成果を保障できるものであるべきだと思い、
「書く」とき、「話す」とき、なにかを出力することに慣れていない状態の人を、どのように段階的に小論文を書ける状態にまでもっていくかという話。
先生たちは、どう受け取ったんだろうか。
不謹慎な話だったか、あるいは役に立つ話だったのか、ひとりずつ直接意見をもらいたいくらいの勢いだった!
ありがたい機会でした!
日本の将来を背負う人たちを教育するなんて、国家を担う一大事業だ。
先生たち! 大変ですけれど、体を壊さないでくださいね!
またこういう講演あったら行きたいです。
横浜から羽田空港へ。
今日は明日のアニソングランプリの中継レポーターにむけて、福岡に移動です。
-
◆短期集中連載:「絶対に後悔しないための“まどマギ”論」 『DVD&ブルーレイ ビジョン』2012.07.25 Wednesday
-
現在発売中の『DVD&ブルーレイ ビジョン』(日之出出版)という雑誌で、全4回に渡る短期集中連載を開始しました!
テーマは、「絶対に後悔しないための“まどマギ”論」!!
こちらの雑誌。
私は1300字くらい、p127に。
昨年放送されたアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』、社会現象になりつつある大ヒット作で、2000年代のヒット作をみてみても、なかなかないお化け作品だったので、名前くらいは聞いたことがある人も多いはず。
オタクたちにとってはもはや共通言語さ!
というわけで、秋公開の劇場版までに間に合うよう、『まどマギ』の魅力を語りつくす集中連載です!
第1回目は、「まどマギはなぜウケたのか?」ということについて、『家政婦のミタ』、『新世紀エヴァンゲリオン』「AKB48」などのキーワードをきっかけに考察しています。
ぜひご一読を!
450円。お買い得です。
2012.07.27
-
◆1987年放送開始『朝まで生テレビ』 連載:週刊現代「サウダージ」2012.07.21 Saturday
-
週刊現代「サウダージ」1987年7月20日〜7月29日
『朝まで生テレビ』 文化人の動物園化! 文化人はキャラの宝庫
こちらの表紙の今発売の「週刊現代」2012年8月4日号。
私が中森明夫さんと連載中の「サウダージ あの日を旅する」、
今回は、1987年7月20日〜7月27日の出来事です。
「何年か前の、今週なにがあったか」という連載です。
この2ページは、まだその当時生まれていなかった人にとっても、奥行きのある読み物となっており、
年表で読み解く以上の情報がはいっており、大変興味深い連載となっておりま。
今回は、p92〜p93。
『朝まで生テレビ』について書きました。
この番組に出てくる「論客」たちは、総じてキャラが濃い。最後のバラエティ番組であると私は思っている。
そういう意味では、まだ開発されていない、キャラの未開のジャングル的側面のある番組としてみると、より味わい深い。
中森明夫さんが、1987年のこの時期の出来事として、首都圏大停電をお書きになっていた、クーラーが現れてから夏が暑くなったという逆説。
人は、局所的に、目的と手段を見失うからおもしろい。逆説的生き物だ。
是非、本紙に目を通していただければと思います。
-
第6回 全日本アニソングランプリ:地方予選大会編2 仙台2012.07.17 Tuesday
-
一日挟んで、仙台での地方予選。
仙台は震災の影響で昨年は開催されなかったので、2年ぶりの開催である。
会場となったデジタルアーツ仙台校も、一昨年とおなじ会場。
自然と2年前、当時14歳だった趙秋奈(ちょうちゅな)さんが優勝したときのことを思い出す。
ものすごくラフな格好で会場に来て、超絶な歌唱力に独学で学んだという声優力(こんな言葉あるか?)、しかもゴリゴリのオタクで出てくる言葉は私が喜ぶような萌えアニメ路線。
当時、彼女の存在はそれほど衝撃的だったし怪物感満載だった。
いまや、この大会で14歳で驚く人は少なくなった、なにより去年優勝した鈴木このみさんは15歳だった。決勝に残った大倉さんや田中さんもほぼおなじ年。この大会の転換点でもなったとも言える、10代のパワーが炸裂したのが去年の大会だった。
アニソンに年齢は関係ない!というのは、なにも30代、40代の人たちの免罪符ではない、10代にだって言えるのだ。
会場はこんな感じの立派な講堂。楽屋は教室という、ものすごく雰囲気があって印象的な場所なのだ。
舞台からの眺めはこんな感じ。2階席まであるこの広い講堂に、審査員が3名だけ目の前にいるなかで歌うのだ。しびれるねぃ!
そりゃ緊張しますわ。
相方は札幌に引き続き、喜屋武ちあきさん。
喜屋武さんとのタッグは、もう何度も経験してきているので、お互い馴れ合わず、でも遠すぎずの距離感で、もはや二人で試合をしている感じ。打ち合わせなしの試合を。
昨年WEB審査から決勝にあがった金子絢音さんは山形、石垣さんは仙台、そして第3回で優勝した
佐咲さんが秋田と、東北からは毎年逸材が出てくる。
今年も個性的な面々が鎬をけずり、熱戦だった。
優勝は、最後に歌った
29番 太田怜花さん、
WEB審査に残ったのは、
審査員枠で
19番 栗林裕子さん、
そしてリアルタイム投票枠で
10番 杉澤千秋さん。
栗林さんは、直前に歌った男性に頼まれて、緊張をとるためにビンタをしたという方。
私もレポーター室でビンタしてもらった。彼女が残ってビンタされた甲斐があったというものだ。
杉澤さんは一大決心をしてこの大会のために減量もしたという杉澤さん。現在のところ16キロ減、これは決勝に残った場合、どれくらいやせてくるかも楽しみだ。歌は堂々たるものだった。
太田さんは『けいおん!』のノーサンキュー。風格も品もテクニックもあって、すわりのいいチャンピオンだ。彼女なら胸を張って東京に送り込める
印象に残った人もたくさんいた。忘れられない才能もいる。
16番の佐々木さんの歌声は他に変えがたい声質だったし、23番の男子高校生デュオは癒しのハーモニーで可能性を感じた。25番の林さんには、なにかをやり遂げられるようなカリスマ的オーラすら感じた。シャアのコスプレをしてきた男性、ネコミミをつけた女の子、子どもが二人いる主婦、なんだろう、もう仲間だ!と思ってハグしたい人たちばっかりだ。
そんななかでも、私は特に4番の佐伯さんが忘れられない。5人姉妹の末っ子というちゃっかり系お調子者キャラで愛嬌もあり、しゃべる内容も構成やカツゼツもはっきりしていて、歌声は迫力があった。不思議な魅力満載の女性で、もし私が高校生でおなじクラスにいたら好きになっちゃうねって感じの、親しみやすさがあった! アピールタイムでのアピールも芸人くさい発想の構成だったので、この人ホントに……って思った。
あー、もう全員覚えてて書ききれない。やっぱ一人ひとり書いていくと、書けなかった人に申し訳ない。書かないほうがいいのかもしれないなあ。
そうだね、歌とかのことではなくて、キャラ的に印象深かった人を記録していくとするか!
帰りは仙台でずんだ餅を買って新幹線で食べた。
東北のずんだ、関西の赤福。私にとってはそんくらいのレベルのソウルスイーツ!
東京から1時間半で着いてしまう、実は名古屋よりも近い仙台。
東京駅に降り立っても、まだあの講堂の緊張感が、ずんだの後味くらいは残っている。
2012.07.21
-
Tシャツラブサミット優勝2012.07.16 Monday
-
この夏も、「Tシャツ版コミケ」のようなイベント、「Tシャツラブサミット」のイベントスペースで行われた「お笑いサバイバーシリーズ」に呼んでいただきました!
このイベント、日本全国のインディーズのTシャツブランドが一同に介するという、なんか私、ものすごい好きなイベントなんですよね。
「やりたいこと」が詰まっている場所って、笑顔しかないわけですよ、そして徹夜明けです、みたいな顔もちらほらあるわけですよ、そこがいい!
「お笑いサバイバーシリーズ」というのは、お客さんからのおひねりを集めて、それを芸人のギャラにするという過酷なシステム。
今回も、我々米粒写経、優勝させていただきました!
コンビで34000円強。
居島さんと山分け後の小銭の数々。
小銭には、多くのみなさんの想いが詰まってて、とってもうれしいのです。
お笑いのいいところは、お客さんの反応がすぐかえってくるところ、そして芸人は、お客さんの反応によって、まったく違うネタへと展開していくこと、つまり、お客さんと一緒に作るものであるということ。
我が愛すべき相方、居島一平も、ピン芸との境目がなくなってしまうハメのはずし方もしたはしたんですが、温かく受け入れてくださるお客様もいるので、お叱りを受けるのは私だけでよかろうと思います。
毎年5月と7月にやっている、ホントにあったかいイベント。
おかげさまで、Tシャツに還元して帰ることができました。ご来場くださったみなさま、ありがとうございます。お金をくださった皆様には、ひとりひとりご実家にうかがってご両親に一言ご挨拶をしたいです、「どうやって教育したら、このようなすばらしいお子さんができるんですか?」とキレ気味にうかがいたいものです(うそですしません)。
-
第6回 全日本アニソングランプリ:地方予選大会1 札幌2012.07.15 Sunday
-
今年もANIMAXのアニソングランプリの季節がやってきた。
7月14日、朝6時の飛行機で最初の会場となる札幌へ。
東京の、早くも自己主張をはじめたうだるような暑さと比べると、やはり札幌は涼しい場所だった、しかしそれもこの一日だったらしい、その証拠に札幌駅からのタクシーの運転手は注意深く「涼しいのは、今日だけだけどね」と念を押してきた。いつも涼しいと思ってもらっては困るという自己主張が感じられて、なるほどそういうものかと気づかされた。
会場から近くの橋には絵に描いたような、川らしい川が流れている。
札幌の街は碁盤の目のようにデザインされているので、歩いていても楽しい。
過去、この札幌地方予選からは第三回優勝者の佐咲さんが出ている。
今年も1万を超える応募者のなかから、どのような人材が出てきてくれるのか本当に楽しみだ。
今年は昨年からシステム変更があり、
各地方予選からは優勝した一人だけが、10月の東京決勝への進出が確定、
あとは2名がWEB審査に残り、各6会場×2名=12名のうち、8月のWEB投票上位4名が、決勝にすすむことができる。
つまり、決勝は10名で行われる。
昨年は準優勝者も決勝進出確定だっただけに、確定枠が1名減ることになった。
過去、この大会で優勝している人、あるいはメジャーデビューした人のなかには、地方予選準優勝者がけっこうな数いる。
しかしその枠がなくなり、代わりにWEB審査で勝ち上がる人の数が1名増えた。決勝進出はお客さんの投票で決まることになる。
見ている側も参加してほしいという主催者側の判断だろう。私は内部の事情は正確にはわからないが、そういう気持ちの表れと受け取りたい。
こういうことを考えること自体、中継レポーターの職責を逸脱している、しかし逸脱していようが、私はこの大会にそれなりの感情移入しているのだ、許してほしい。
その日、審査員が選ぶWEB審査残留者とは別に、番組を見ている視聴者が投票する「リアルタイム投票」で決まるWEB審査残留者。
最終的には、デビューしようがしまいが、優勝しようがしまいが、「人に愛される人」が強い。このシステムは、そんな愛され指数をはかるものだとも思う。
29組が、緊張のなか熱唱、私は中継レポーターとして喜屋武ちあきさんと、彼らがパフォーマンスした後の感想戦をお届けする立場にある。
喜屋武さんとのこの仕事は、打ち合わせなしで本番を楽しめる(と、一方的に思っている)。
彼女のボキャブラリーと状況判断能力、そしてアニメ愛、アニソン愛は、「え、どうしちゃったの? 大人になるまでなにがあったの?」というレベルである。
相変わらず、オタクにとっては夢のような存在だ。むろん、オタクではない人にもそうであるのだろうけれど。
私たちは、審査員の前では出せなかったかもしれない、「素の顔」に近いものを、なるべく出そうとがんばる。
もちろん、どれだけアニメが好きか、そしてどういう人なのか、ということは、審査にも大事な要素ともなる。
そうでなくとも、今大会はお客さんの「リアルタイム投票」でWEB審査に残る人も1名いる。
大事な役回りだ。
彼らの今後の人生を左右しかねない重責を背負い、それでもリラックスをしてのぞんでもらう。
なんて、なんて罪な立場なのだろう!(だけど、すごい楽しい!)
地方予選の結果は、リンク先に掲載されている。
優勝は、19番 斉藤麻都香さん、
WEB審査に残ったのは、
31番千田愛梨さん(審査員枠)
と
5番岡本菜摘さん(リアルタイム投票枠)。
歌い終わった後、まだ緊張で手が震えている人、体が紅潮している人、なにごともなかったかのように飄々としている人、楽しそうに笑う人、アニメ愛を絶叫する人、悔しさをにじませる人、さまざまである。
しかし、そのだれしもが、この日まる一日を空け、予備予選も札幌まで来て受験し、練習してきたのだ。
いままで多くの歌手が、この大会からデビューした。
そして、その彼らはみんな、この日の出演者のように、緊張し、笑い、絶叫していたのだ。
中継レポーターも、3年目に入った。
今年は全会場に行く予定である。
多くの出演者を見てきた身としては、地方予選に残っている時点で、彼ら全員にそのチャンスがあることを身にしみて感じている。
だからこそ、この一日、一回だけのチャンスをものにできるかできないか、ということが大きい。
「次がんばる」と思っても、もうそのとき、「次」はないのだ。
レベルがあがればあがるほど、そして決勝なんかのレベルにいったらなおさら、そうなのだ。
この日選ばれた三人は、その日居合わせた審査員のみなさん、そしてその日見ていた視聴者のみなさんとの相性によって選ばれた、「運」の持ち主でもある。
このチャンス、次はないので、決勝ではがんばって欲しい。
印象深かったのは、
トップをかざった女性デュオの吉村さんと小田さんのコンビ、
社会人になっても挑戦しつづける、高音が魅力の26番柴田くん
28番の「宙のまにまに」を歌った高谷さん、
そしてなんといっても、現役自衛官にして三児の父、トリコの「ガツガツ!」を歌った神田さんだろう。
神田さんの存在は、アニメ、そしてアニマックス視聴者の姿そのものかもしれない。
子どもと一緒にアニメを見、いつしか歌を口ずさむようになり、子どもとアニメを心から楽しんで、
職場の同僚にも応援される形で出てきた。
神田さんのパーソナリティは、見るものすべてに元気を与え、要求すれば匍匐前進までしてくれるというサービス精神。
自衛官って、かっこいいな!! イメージ変わったぜよ! ああいう人に、国を守ってもらえているなんて、私たちは幸せな国民だ。そして彼は、自衛隊の仲間からも、愛されている!
もう、いろんな「すげえ!」がはいっちゃってて、言葉にならない。
こういう人が出てくるのが、アニソングランプリの魅力の一面である。
初日からすごい戦いだった。
今後は、感想などはあまり書かないようにするかもしれない、だって、歌った全員のことを覚えているのに、彼らのことを書く時間がない。どこかでしゃべる機会があれば、全員のことを、しゃべりたい。
この後、仙台、名古屋、大阪、福岡、東京と地方予選が続き、
10月に決勝がある。
現実に、いまこのときにはじまった、「7月新番」とも言っていい「アニソングランプリ」という「アニメ」の第6期、10月のエンディングを知っている者は、いまこの世界にはだれもいない。
ただし、ゴールだけは決まっている。聖杯を得るのは、一人だけだ。
来年の今頃には、レコーディングも済ませ、事務所にも所属し、なんらかのアニメの主題歌を歌ってプロになっている人が、確実にいるのだ。
勝つ人というのは、その自分の姿を、いまこの時にだれよりも強くイメージできる人なのかもしれない。
2012.07.20
-
◆ムック『考える人』新潮社 発売:「代弁」からの脱却 〜ゼロ年代のツッコミ・イノベーション〜2012.07.12 Thursday
-
現在発売中の『考える人』(新潮社)に寄稿しました。
「笑い」の特集です。
笑いに関しては、哲学的、心理学的、社会学的、医学的な研究、そして私が携わる言語学的研究というのがあり、
うかつに語れない。
一般向けのムックとはいえ、専門性の高い雑誌なので、やや身構えた。
このテーマに関しては、身近であるがゆえに、素人でも、好きなこと、実感していることをなんとでも言えてしまう。
まず、「笑い」というカテゴリのなかでも、なにをみて笑うのか、ということと、笑う人のなかでどういうことが起こっているのか、
そういう峻別すらいまだにされていない、
交通整備がされていない状態です。
語るのが非常に難しいジャンルなのですが、私は専門なので、わかりやすく伝えるのも仕事だと思っている。
笑い特集というのは、どんな雑誌でも安易に手をつけてしまいがちな企画なので、
企画を頂戴したときは、
正直お受けするかどうか考えたほうがいいかもな、と思っていたのですが、
企画書に「中村明」の名前があったので、すぐにお引き受けした。
中村明は私の修士・博士課程の指導教授である。師である。
笑いに関する洞察に関して、この人の書籍は絶対にはずせない。
笑いを語るうえで、いろいろな問題を交通整備してくださった研究、そして執筆なさった数々の読み物があるからである。
その存在を、しっかり調べた上で、要においていたので、これはもう間違いない。
私の文章よりも、中村先生の笑いの体系表が掲載されているので、それを読むだけでも価値があるだろう。
他の執筆人に関しては、身近な話題としての「笑い」であったりするので、気楽に読める。
私は、このお仕事をお引き受けするにあたり、中村先生に許諾を受け、研究の一端を書きました。
見開き2ページを頂戴したので、言語的に笑いを増幅する「ツッコミ」という機能の、イノベーション(技術改革)を紹介した。
あくまで、紹介したにすぎないが、こういう視点があるということを知っていただけると嬉しい。
この原稿では、
南海キャンディーズ山里さんの2回ひねりツッコミが許容されていく過程について紹介しました。
この雑誌が出たあと、中村先生から「笑いをとるツッコミは、ボケなのではないか」という指摘を受けた。
そうなのである。まだ「ボケ」と「ツッコミ」の定義すらあいまいなのが、笑いという研究なのである。
そこでさっそく、議論である。先生は少年のように、そして同業者のように、がっぷりよつでご意見くださいました。
印象批評からの脱却、そのためには言語的事実というものをよりどころにしております。
そういう方法を、知っていただければ。
楽しい雑誌なのでどうぞ。
2012.07.19
-
◆『日本語教育ジャーナル』で「サンキュータツオの 先生、それ知らないの?」連載開始2012.07.11 Wednesday
-
日本語教育の業界では有名な、アルクという出版社の、
『日本語教育ジャーナル』で連載を開始しました。
けっこう前に発売になった雑誌ですが、まだアマゾンとかでも買えるはずです。
お知らせ遅くなりすみません。
国内外で、外国人に日本語を教えている日本語教師の方々のための雑誌。
季刊誌ですが、情報の密度、そして「硬くない感じ」が、非常に感じのよい雑誌です。
私はこの雑誌で、
「サンキュータツオの 先生、それ知らないの?」
という連載をはじめました。
お仕事をくださった担当編集さんが、
私がやっている東京ポッド許可局や、私が出演したTBSラジオの番組などを熱心に聞いてくださっており、
ありがたくお引き受けしたというわけですが、
私は日本語教育をしてはいますが、専門ではないので大丈夫かなと思ったのですけれど、
「現場の日本語教師に、外国人が日本語に興味をきっかけであるポップカルチャー、カウンターカルチャー、サブカルチャーについて、教えてあげてほしい」
という発注でしたので、
それならオタクの私にもなにかできるかもしれない、ということでやることになったわけです。
けっこう執筆人も、いまのメディアで活躍されている方々をはじめ、専門性の高い方、そして現場の方など多岐に渡っていて、
日本語教育従事者には必携の読み物であると思います。
たしかに、
日本語教育はできても、アニメやアイドルの事情や、「文化の語感」を知っている先生は少ないです。
でも実は、
学生はそれを先生が知っているか知らないかで、心の開き方がちがいます。
国を問わず、「この先生、まじめだな、硬いな」と思ったら、興味のある話もしませんよね?
国内の教育なら別にそれでいいのですが、
日本語教育となると、「思っていることを日本語にして出力する」ということがメインのものなので、
思っていることをまずはダイレクトに出してもらうことが大事です。
そのためには、その教師がどういうパーソナリティかということはとても重要で、
私は日本語教師は、普段着ているもの(衣装)から考えてもいいのではないかと思っているほどです。
漫画の『ワンピース』を知らない先生、AKB48を知らない先生には、
学生は「よそいき」のことしか話しません。
そうなると、どの国の子も「大人が喜ぶ答え」を知っているので、「置きに行く」回答になっていくわけです。
これが教育と呼べるのでしょうか?
そういう問題意識もありながら、
わかりやすく、読み物としても読めるような、日本の「現在の」文化と、そのニュアンス(語感)を伝える連載です。
第1回は、「AKB48」について書きました。
アイドルオタクではないですが、なんとなく、傍目から見ていて伝わってくる「語感」のようなものを、形にしてみました。
日本語教育従事者に限らず、「日本語」というものに興味のある方、ものすごく楽しめる紙面となっているので、興味の幅を広げたいとき、読んでみてはいかがでしょうか?
2012.07.20
-
◆連載:COMPASS「サンキュータツオのヒントの答え」2012.07.10 Tuesday
-
公務員試験対策の講座の小冊子『COMPASS』(実務教育出版)に、
毎月連載している、受験テクニック(主に読解)コラム「サンキュータツオのヒントの答え」。
講座受講生に毎月配布される小冊子なのだが、裏表紙に思いっきり「出題パターンは限られている」とか、「ほぼ同じ」は「厳密に言えば違うということ!」だったり、論説文の読解は、とにかく冒頭が一番大事!とか、こういう文末にマーク!とか、生々しいテクニックを書いているわけです。
毎月、若干冊子の色が変わったりしていて、なんかデザインとか見るの楽しいのです。
で、この連載に、いつもイラストがついているんですけど、
この伊藤さちこさんというイラストレーターさんの絵が、なんかすごい好きになってきた。
上記リンク先を拝見したら、もうこのような実用書のカットなどのイラストはそうとうなさっているスゴイ方のようで。なんかありがたいなあ!
前にもちろっとこのイラスト楽しいみたいなことを書いたんですが、
なんか、ここ最近、「サンキュータツオ」なる人物を具体化しようとしているのか、
サンキュータツオが受験生にとってのスーパーマン的な存在として描かれているのですよ。
たとえばですけど、
「ほぼ同じ」というのは「厳密に言うとちがう」なので、本文と選択肢が似たようなこと書いていても、それは「ちがう」っていうメッセージなんだよー、みたいなことを具体例を交えながら書いたときは、
こんなイラストで。
なんか、サングラスしていて、マントして、シャツに「39」って入ってるんすよ!!
なにこの「サンキュータツオマン」!!
似てるけどちがうってことで、間違い探し的なイラストに仕上げてくださっているですよ。
(ちなみに、どこがちがうかわかりますか?)
言っていることを汲んだうえで、それをヴィヴィッドに伝えてくださっていて、ああ、こういう実用書のイラストレーターさんも、なんかすごい考えてくださっているんだなあ、としみじみです。
このサンキュータツオマンがですね、
翌月には、
なんか空飛んでるー!
タツオマンは空飛べるみたいなんですひゃっほーい!
この緊張感のなさとか、ホント雰囲気つかんでくださってますよ。
で、そのまた次の号では、「文章の冒頭には大事なことが凝縮されて述べられている」みたいなことを具体例を交えて書いたところ、
果汁絞ってくださってる! 「凝縮」を具体化してるー!
そして、タツオマン、ついに見切れたー!!
ついでにみかん的なもの持って笑ってるー!
このタツオマンのふわふわした感じが毎回ツボで、気に入っています。
まだ一度もお会いしたことがない方なんですが、
想像のなかで、私をイメージし、そして受講している方になんとなくイメージが伝わるように、いろいろ考えてくださっているんだなあ、とマジで感激しています。
イラストレーターさんて、漫画とはちがって一枚の絵でいろいろ表現しなくてはならないので、使う脳みそとか技術が、漫画家さんのそれとはまた別なんだと思うのです。
毎月、伊藤さんも私の原稿を読んで、イメージし、イラストを描いてくださっていると思うと、もう、なんか、仕事って素敵だよなって思います。
楽しいです。
2012.07.21
-
◆『グラビア ザ テレビジョン』(角川ムック)発売:インタビュー掲載2012.07.09 Monday
-
どんだけ昔の話なんだシリーズなんですが、
『グラビア ザ テレビジョン』という雑誌に、インタビューを受けました。
上記WEBを拝見したら、まだまだ最新号として発売中です。
今年のAKB総選挙前に発売というか、直前発売だったのです。
見て!
がっつり2Pに渡って、
アニヲタとして「萌え」るアイドルというアングルで。
写真がすごく賢そうな、胡散臭そうな感じで掲載されているので、これが見ものです。
えらそうに語っておりますが、
あくまでも外野から見ていて感じることをのびのびと語らせてもらいました。
『東京ポッド許可局』で語った、前田敦子論が好評で、
いまだに会う方々にお褒めの言葉をいただきます。
『ドキュメンタリーオブAKB48』を見てから、
この手法というか、
熱闘甲子園を飛び越えた、もはや戦争ドキュメントとしてのAKB48だからこそ、
「萌え」もあるという。
私は、日本一薄い、松井珠理奈ファンなのですが、
彼女を見ていると、弱さを「強さ」という鎧で隠している、
あの『風の谷のナウシカ』のクシャナ殿下であったり、あるいはナウシカ的な芯の強さを感じるのです。
はい、宮崎駿監督も、彼女にあえば、「アニメ化したい!」と言ってくれるに違いありません(適当なことを言っています)。
私の直前のページでは、ドランクドラゴンの塚地が、思い切りももクロちゃんのことを語り倒していて、これが4P。
紙面の色使いからも、気合いが伝わってきますが、
私はももクロよりもプリキュア!と、健気に言い張っておりますので、
「その発言、いったいだれが得するんだ」的なことばっかりですが、
あえてそういう感じで。
ファンよりも、ファンじゃない人が発信したほうが、いいという局面もある、ということで。
日本一薄いAKB48評をご笑覧ください・
これは非常に楽しい雑誌でした!
角川さん、サンキュー!
さて、いつ中村春菊作品を語らせてもらえるのだろうか。
一番上のリンク先に飛んでいただければわかりますが、
中身の目次紹介はこのようになっており、
私がいかにアイドルたちと同列に並び、そして共演しているか、おわかりだろう。
ちょっと、目次だけでも見て欲しい。
*****
[COVER A-side]渡辺麻友 島崎遥香 川栄李奈 岩田華怜(AKB48)
[COVER B-side]渡辺美優紀 山田菜々 上西恵(NMB48)
[特別付録]AKB48 A1サイズ特大両面ポスター
[特集1]
総選挙直前!AKB×SKE×NMB×HKT48=38ページ拡大特集
AKB48 渡辺麻友&島崎遥香&川栄李奈&岩田華怜
SKE48 矢神久美
SKE48 小木曽汐莉
NMB48 渡辺美優紀&山田菜々&上西恵
HKT48 宮脇咲良&本村碧唯
[特集2]女優旬撮
剛力彩芽
山本舞香
杉咲花
[特写グラビア]
モーニング娘。 田中れいな
℃-ute 矢島舞美
スマイレージ 和田彩花&福田花音
さくら学院 中元すず香&堀内まり菜&田口華
私立恵比寿中学 松野莉奈&星名美怜&廣田あいか
LinQ 坂井朝香
紗綾
[from ザテレビジョンLite]
長澤まさみ
北乃きい
大島優子
[特集企画]
合計1万字インタビュー!
塚地武雅「ももクロこそ、わが人生」
サンキュータツオ「AKB48と萌え」
*****
なんでここに私がいるのだ!?
合計1万字のうち、明らかに塚地さんの獲れ高が多かったパターン炸裂!
2012.07.20
< 前のページ | 全 [1] ページ中 [1] ページを表示しています。 | 次のページ > |