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【『談志最後の落語論』文庫版 解説を書きました】2018.10.10 Wednesday
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2018年10月10日発売
立川談志『談志 最後の落語論』ちくま文庫(税抜き740円)
解説を執筆しました。
こちらもなんでお前がいけしゃあしゃあと書いてやがんだ案件なのですが、
もううだうだ断っていても仕方がない、
あの人もこの人も断ったのでこれも順番なので
と言われたら、もうやるしかないじゃないですか。
と、いろいろ業界のことをご存じの方は、察していただけるかもしれませんが、
それはそれとして、
40代前半の私がお引き受けするからには、存命中のファンのみならず、これから「立川談志」を知る人に読んでほしい、という想いを込めて、この本が全体のなかでどういう位置づけのものなのか、そしてこれを書き残したのはなぜなのか、どこに重点を置いているか、などをはじめて手に取る方にご理解いただけるよう書いたつもりです。
すでに、談志師匠を追いかけてやまず、家元のことならなんでも聞いてよという方にはあまり新鮮ではないかもしれませんが、それでもこうして談志師匠が亡くなって数年が経ち、落語界を取り巻く環境がこれだけ変わってきたなかで、いま談志師匠を読む意味聴く意味というものも、大きく変わってきていると思います。
「談志最後の落語論」で検索すると、2009年に私がこのブログで書いたものがわりと上位に出てきたので、ああそういうことかぁと納得もしたのですが、とにかくこの頃はテンション高めで天真爛漫に感想を書いていたものです。
「江戸の風」というワードが独り歩きした印象のある本書ですが、個人的には談志師匠のなかに(師匠は直接は言わないけれど、小さんのエッセンスと)志ん生のエッセンス、ひいては志ん生の引用元というかインスピレーション元である金語楼、三語楼、あるいは先代権太楼までたどって紹介している点は歴史的にみても非常に意義深いと思います。
志ん生師匠好きは多いけれど、出典元やインスピレーション元、はたまた共通するエッセンスをもつ先人をしっかり明記したことの重要性です。談志師匠自身もっとも影響を受けたかもしれない人について、そこで思考停止せずに、なぜ志ん生は志ん生となったのかを独自分析しているのが面白いです。
編集者とは一度も会ったことがないし会いにも来なかった、
その上再校チェックなどをさせてもらえなかったので『家元談志のオトコ対決十一番』がなぜか『オトコ対決八番』などと信じられないミスもそのまま印刷されたりしていますが、書名のミスは許されないものと思います。
この場を借りて修正(といっても修正にならないと思いますが)しておきます。
このまま再販も出ないとなると、何十年後かに本書を手に取る人に、タツオが署名間違ってると罵られること必至なのですが、それでもそれで済むならば良しとしましょう。談志師匠にさえ傷がつかなければ!
やー、そういうわけで、2018年の夏は、DVD見たりCD聴きまくったり全集読み返したりで、ホントにホントに談志漬けだったのでした。談志師匠、死んだんだろうか。そこがもうわからなくなってきている。
2019.03
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【『図解 平成オタク30年史』対談 吉田尚記さんと】2018.10.07 Sunday
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2018年の仕事を振り返るシリーズ。
2018年10月7日発売でした。
表紙にもあるように、ニッポン放送の吉田尚記さんと対談、12ページに渡り巻頭で展開されていますが、それでも足りなかったくらい。
非常に充実した紙面です。
これは必読、資料的価値も高く、オタクにとってこの30年はまちがいなく受難の時代を経て、多様性の時代、
異文化共生をいちはやく実現したということを確認されたい。
年表だけでもマジですごい。
目次見ただけでも「あ”−」ってなるので。
新紀元社さんといえば、『腐女子あるある』なども出版しているところですが、オタク文化がどういう変遷をたどったか、力のこもった原稿がたくさん。
これはマジで入手しておいてほしいところ。
よろしくお願いします。楽しかったな、たしか、暑い日に秋葉原で、吉田さんと対談しました。
2019.04
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