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【雑誌『Discover Japan』 インタビュー掲載 #シブラク】
Discover Japan』という雑誌にインタビューが掲載されています。



まだ手元にないので、渋谷らくごの楽屋にあったのを写真撮りました!

日本語というテーマなので、日本語教育のことかなとか、文法や文体論についてかと思いきや、落語のことでした。
落語のなかの日本語となると、ちょっと難しいテーマかなと思ったんですけど(というのは、時代によって変わっているし、落語ならではの言葉って、これです!と言っていいもんかどうかわからないものが多いので。また、落語の言葉といっちゃうと、落語はやっぱり現代人にはわからないのかな?というイメージをつけてしまいそうなので)、
コミュニケーションの戦略(ストラテジー)として語りました。

で、いまオススメの若手の落語家さんを4人!ということで、
今回は、
瀧川鯉八さん、
立川吉笑さん、
柳家わさびさん、
神田松之丞さん(松之丞さんは講談ですけど)
をご紹介しました。



いいよね、この4人。
ほかにもたくさん、素晴らしい才能が蠢いているのがいまの二つ目。
紹介しきれないのでまた別の機会に。

インタビュアーは、九龍ジョーさんだったので大安心。
吉笑さんの『現在落語論』の担当編集さんです。



iPhoneImage.png

こんな感じの写真入ってます。

写真を見ればわかると思うんですけど、松之丞さんのHP掲載のインタビューをしたのとおなじ日ですね。
おなじ服です。
ちなみにこの日は、吉笑さんとのトークイベントがあった日でもあり。

良かったら買って読んでみてください。

2016.04.11

 
posted by: サンキュータツオ | 渋谷らくご | 12:27 | comments(0) | trackbacks(0) |-
【神田松之丞(かんだ まつのじょう)さんのHPにインタビュー掲載  #シブラク】
「渋谷らくご」で毎月お世話になっている、神田松之丞さんのHPに、松之丞さんがインタビューしてくださった私の談話が掲載されています。

松之丞さんのHP、超かっこいいよ!
神田松之丞オフィシャルサイト -講談師 かんだ まつのじょう-
オフィシャルサイトに、ちゃんと自分の名前の読み方を入れているあたり、えらい!そうだよ、そういうことだよ!っていう。
作った人のアイデアかもしれないけど。

で、またちゃんとサイトの存在を知ってもらうため、さらに読み物を充実させるために、私のインタビューをしてくださったのでしょう、本人は一番話したいからとおっしゃってくださいましたが、そうだよみんなもっと松之丞さんのサイト見に行くべきだよと思ったので、たくさんしゃべりました。

私は、立場上、特別な場合をのぞいて、渋谷らくごの演者さんとは飲みに行かないし、なるべくしゃべらないようにしています。
ある程度の緊張感が必要なので。
知りすぎると人としても好きになっちゃうから。
好きなのは芸だけにしておいたほうが、お客さんのためと思うので。
しゃべる機会があっても、全部はしゃべらないようにしています。

だけど、松之丞さんは、興行的な事情もわかってくださっている方なので、聞かれたことにはすべて正直にお話しました。
正直に話すと、公表できないような胃が痛い話ばかりになるのですが、それでも4時間しゃべったうちの30分くらいを掲載することになりました。

サンキュータツオさん(米粒写経)に、訊いてみた。
Vol.1 「タツオさん、寄席演芸の原体験はなんですか?」
Vol.2「タツオさん、なぜシブラク(渋谷らくご)をはじめたのですか?」
Vol.3「タツオさん、あなたにとって「神田松之丞」とはなんですか?」


ちゃんと、(米粒写経)って、入れてくれるあたりとか、うれしいよね。
しゃべってて気づいたんですけど、まだまだしゃべることたくさんあったんだなと自覚しました。
普段はしゃべる必要も、しゃべる場所も、需要もないことなので、口にしてきてなかったぶん、身体のなかに沁みついている感情がまだまだたくさんあって、対談終わったあとも、あれ忘れてたとか、これ言えばよかったということばかり。
言わなきゃ良かったことのほうが圧倒的に多かった。

「渋谷らくご」およびサンキュータツオ(米粒写経)の存在は、
落語界的にはほぼ黙殺されているので、だれも話を聞こうとはしてくれません。
聞いたところで会が立ち上がった経緯くらいのもので、こちらとしてもしゃべったところで興行観など理解できる相手もそうそういないという自負があります。
紙面の都合、というのもありますし。

外向けに、公に経緯を話したのは、読売新聞ONLINEの記事です。これもやはりウェブ。ウェブは文字数の制限が厳密ではないので、いまはその利点を最大限に活かした記事が良いですよね。
唯一、興行という側面からインタビューしてくださったのが、橘蓮二さんの写真と10人のプロデューサーに話を聞いた『らくごころ』です。


今回、松之丞さんと話しているうちに、いろいろなことを思い出したのですが、
やはり「わせだ寄席」に関わったということと、これは対談では話しそびれたのですが、大学4年から5年にかけて、小学館で『CDブック 八代目桂文楽全集』『CDブック 五代目柳家小さん全集』に関わったこと、そして橘左近師匠の『東都噺家系図』で年表を作成したこと、これがけっこう大きかったと思います。

現役時代は大嫌いだった早稲田の落語研究会のOB連でしたが、
3年の夏に「わせだ寄席」で圓太郎師匠の襲名披露を開催するにあたり、いまはなき高田馬場「うどの大木」(これもOBが経営する飲み屋だった)に、ニッポン放送の塙さん(談志円鏡歌謡合戦のプロデューサー)、小学館の畠中さん(上記のCDブックの編集長)、岡本マキ賞の主催の富塚さんなどと膝を突き合わせ、今後の「わせだ寄席」をどうしていくかという議論をして、OBに対する考え方が劇的に変わったのでした。
いまから考えると、圓太郎師匠が引き合わせてくれた縁だったのです。それだけでも圓太郎師匠には感謝してもしきれません。

わせだ寄席はわせだ寄席であって、お前の会ではない、ということ。
では、落語会のコンセプトとはなにか。4年で卒業してしまう学生主催の落語会を、長期的に興行をまわしていくとはどういうことか。
現実とロマンのバランスを見極めていくにあたり、いろいろなことを考えました。
私の代で、「わせだ寄席」を終わらせる、という覚悟があったから、OBと本音の話ができました。

そうして、落語界を支えていくとはどういうことなのか、ということを考えたのです。

その後芸人活動をはじめ、興行観という意味でも浅草キッドさんに大きな影響を受けました。
これはいまでもそうです。

渋谷らくごは、使命を終えたのかもしれませんし、まだはじまったばかりなのかもしれません。
これはもう、成り行きに任せるしかありません。
私がいつまで関わるかもわかりません。来月終わるかもしれないし、10年続くかもしれません。

ですけど、少なくともいまの若手落語家たちが面白いのはまちがいないし、シブラクがおもしろい場所になりつつあることも、たぶんまちがっていないと思います。
落語会はすべて初心者向けです。敷居の高くしている意識なんて、どの会もないと思います。
でも、「外側」からみたとき、「初心者向け」と一言謳うことの安心感は計り知れません。
そして、99人の常連よりは1人の初見を大事にしてください、という空気感を作ること。
身内感を出さないようにしながら、初見の人を仲間にしていく感じ。
そういう風通しの良さを作り上げることが、これから落語に触れる人には大事だと思うのです。
なので、現実的に毎月ないし隔月確実に出ていただける演者、そして安定した力を発揮してくださる演者、この時代に落語以外の知識や興味がある演者、ということで、なんとなくの固定メンバーを形成しているわけですが、これは今後も続くかどうかはわかりません。

いまやれることの精一杯をやって、先のことは考えないようにしています。
毎月最後だと思ってやっています。それくらい、いつ終わるかわからない場所なのです。

今月は、初日の4月8日、松之丞さんがトリをとります。松之丞さんに対する想いは、上記インタビューを読んでください。
そして二日目の4月9日土曜14時回、二つ目(私は、二ツ目ではなく二つ目、と表記する立場です、これは特殊用法です)の柳亭小痴楽さんがトリをとります。唐突に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、今しかないです。そしてその唐突感も楽しいです。

10日は、圓太郎師匠が「野ざらし」をやります。「昭和元禄落語心中」の最終話の、あの「野ざらし」です。
11日は、扇里師匠&こしら師匠の会です。夜は左談次師匠がトリ。
最終日12日は、扇辰師匠と馬石師匠の大吟醸落語会、夜が創作ネタおろし「しゃべっちゃいなよ」。

初日の「志ら乃・春蝶」のふたりらくごに来る人が一番すごいお客さんだと思いますが、土曜の喜多八師匠、日曜の一之輔師匠の会も間違いない内容で、いまからトキメキしかない!

どうぞ今月も「渋谷らくご」、よろしくお願いします。
 
posted by: サンキュータツオ | 渋谷らくご | 01:19 | comments(0) | trackbacks(0) |-
【アニメ『昭和元禄落語心中』 DVD第一巻発売:映像特典に出演しています】#落語心中
現在放送されているアニメ『昭和元禄落語心中』BD 第一巻が発売されました!
めちゃくちゃ面白いアニメです!
原作も大好きでしたが、音と動きがついたアニメもまた素晴らしい!
毎週欠かさず観ています。
最高っ!



そんなパッケージの特典映像として、声優の小林ゆうさん(小夏役)と私の「落語探訪」というコーナーがあります。
プロモーション映像は以下。



普段は覗けない末廣亭のあんなところやこんなところが!
「新宿末廣亭篇 前編」
ということで、第二巻には後編が収録される予定です。

末廣亭はいいぞー!
最高だぞー!
雰囲気ばっちり!

大好きな空間に足を踏み入れて大興奮状態の私をご覧ください。
というか、小林ゆうさんのカオスっぷりも安定していて「安定のカオス」がおもしろいです。

よろしく!

2016.03.07
posted by: サンキュータツオ | 渋谷らくご | 20:36 | comments(0) | trackbacks(0) |-
【読売新聞 YOMIURI ONLINE「深読みチャンネル」 インタビュー掲載】 #シブラク
読売新聞「YOMIURI ONLINE」というサイトの「深読みチャンネル」に、インタビューが掲載されています。

シブヤが落語の名所に!? 「シブラク」が若者の心をとらえたワケ

お時間あるときにでも、ぜひ。
いつまで掲載されるかわかりませんが。

ツイッターでもつぶやいたことですが、最近の所感を。

最近、「渋谷らくご」でテレビを中心に各媒体で何件か取材を受けました。
取材側がブーム、イケメン落語家登場、みたいなストーリーに仕上げたいのはよくわかるのですが、私の受け答えした部分では、どのメディアに対してもそうは思いません、と言ってきました。ブームがきそうかな、くらいです。
現在の時点での話は、現在というよりも「これまで」の蓄積なんです。歴史の積み重ねが「現在」なので。

そして、なにより、「演者さんががんばっている」、これに尽きます。
だって、これがなかったら、まわりがどうがんばってもダメなんですもの。

いま、落語家の数は史上最多、落語会の数も月900公演あるといいます。これはいきなりはじまったわけではありません。
何年もかけてこれだけの数になったのです。一過性のブームではありません。
とはいえ、渋谷らくごの動員数推移からすると、渋谷らくごに関していえば、認知も徐々にされてお客さんが増えた、ということです。それも、普段あまり落語に行っているような年代ではない人々の。
というわけで、ここではけっこう語らせてもらいました。

もちろんアニメ『昭和元禄落語心中』やドラマ『赤めだか』の効果は大きいです。ただ年末年始からなので「地味なモノという偏見を取り払い、興味をもちはじめてくれている」くらいがいまでしょう。
そんなことよりも落語界を支え続けている人たちの努力の蓄積が大きい。『らくごころ』で紹介されている方々をはじめ、いろんな落語会に携わっている人たちの、ホントに草の根活動の賜物です。
彼らの奮闘の歴史がなければ、ここまで受け入れ体勢が整っていなかったからです。
一朝一夕のものではありません。

90年代の閑散とした時代に比べると、20年経ったいまでは想像もできなかったほどに落語のイメージは変わりつつあります。
そのキッカケを探ると、いまの隆盛は少なくとも10年以上前にまいた種、ということになります。『ちりとてちん』とか『タイガー&ドラゴン』の影響が分母底上げの要因のひとつだとは思います。空気感もずいぶん変わりました。
それこそ、アニメやオタクを取り巻く空気感が変わったのと同様。

ただ、落語家になる側の動機としてはたぶんそれは薄くて、噛み応えのある、一生続けられる、舞台を踏めるエンターテイメント、というのにいち早く気づいた才人が落語を選んだのだと思います。
同世代の人たちが「お笑い」に目がいっているとき、「落語」や「講談」や「浪曲」などといった演芸に目を向けられた人たち。
これ大ベンチャーですよ。この時点で頭がいい。
当然、「落語好きな自分が好き」な落研タイプの人たちは、それだけでうっとりしちゃってるので、頭角は現しません。オタクがそのままプロとして通用するほど甘くない、というか、知っているぶん、余計にクセがあって大成しない。ちゃんと「自分だけの味」を自覚してやっている人じゃないと、勝てないジャンルです。
だから、いまの演者さんたちはすごいんです。

渋谷らくごに今足を運んでいるお客さんたちには「ブームだから」という理由で来ている人はほとんどいないと思います。「前から興味あったけど、キッカケがなかった」という人がほとんどです。
そういう人に気づいてもらうために、私のような表に出る人間が旗振りをする、という意味があるのだと思っています。
主催者(正確に言うと私は番組編成者であって主催者ではないのですが)が表に出るのはダメだ、という意見があるのは重々承知していますが、それは「表に出ている人間として依頼された」私にとっては、しょうがないじゃん、というのが正直なところです。
そういう批判に耳を傾けるよりも、表に出ている人間にできること、を模索するのが私のやり方だし、私に求められていることだと思っています。

幸いにして、現時点で私の存在を知っている人は、活字やラジオ、作りこまれたコンテンツを愛する人たちです。
いわば、「巨大メディアに出ているから知ってる」という感じのお客さんではなく、「出会うべくして出会っている」お客さんたちです。
そうした人たちに、落語おもしろいよ、と気づいてもらって、また落語おもしろいよ、と拡散してもらう。それが私の仕事です。
他ジャンルのトークゲストに出てもらっているのも、「潜在的落語ファン」を掘り起こすためには必須のことです。
トークができるのも「表の人間」だからできることです。
以前から落語に興味のある状態にあった人や、活字、ラジオ等で文化を味わう人たちのなかに潜在的な落語顧客層。そこを掘り起こすために設計したのが「渋谷らくご」であり、存在に気づいてもらう工夫をするだけでやっとの状態。
制作スタッフもひとり、あとはボランティアが2名。受付はユーロスペースの映画のスタッフ。
制作スタッフも落語のことはなにも知らないし、他のイベントと兼務ですから、専門に関わっている人はだれもいないのです。
いまだ手探りの状態ですが、私を含め、その「知らない」ことが、原動力になっているような気もします。
結果、既存の会とはそう客の取り合いをあまり起こさない会になりました。

このインタビューでも最後に言っていますが、渋谷らくごで落語を知り、そこから各所へお客さんが広がっていき、渋谷らくごが使命を終え、なくなること。それが渋谷らくご成功のときかもしれません。
あるいは、きちんとした制作スタッフが採算のためではなくプロモーションとして渋谷らくごの制作に入っていただければ、次のステージにいけるかもしれません。
私は渋谷らくごにどれだけお客さんが入ろうが一銭の足しにもなりません。私に入るのは、一公演に換算すると、数千円の編成料です。
また、渋谷らくご期間中には仕事はほとんど入れません。この5日間の間に入れられる仕事の収入のほうが何十倍もいいはずです。また、当然ほかの25日にこの5日間のなにもできない期間のしわ寄せがきます。私のスケジュールは圧迫されます。
つまり、私にはあまりプラスはありません。
これは、純粋にエライねと褒めてもらいたいのもありますが(ないけど)、なんで続けるかといったら、
渋谷らくごで、演者さんたちが最高のパフォーマンスを披露してくださるからであり、
渋谷らくごで、落語おもしろいねと思ってくださるお客さんがいてくださるからであり、
結果的にこれが一過性ではない「文化」になるからです。そこに貢献できているかもなという実感が、少なからずあるからです。

最高の落語は、お金を払えば触れられる、というものではありません。
ですが、渋谷らくごには、「最高の落語」が訪れる瞬間が、毎月、何度もあります。
最高の落語には、余韻と残像があります。
一生残ります。その思い出だけで、一生幸せです。
お笑いもそうですが、人生を豊かにしてくれる演芸に出会う経験。
これはもう、「ありがとうございます」という感謝の気持ち、ありがたい、という気持ちにさせてくれるものです。
そして、若き日の私もそういう経験を、たくさんさせてもらいました。
そんな、落語と落語家さんたちへの恩返しの気持ちで、続けているようなものです。

本当に「演者さんの努力」、これなんです。まずこれあってのことですので。

ブームというのは「とりあえず一度でも観に行ってみるか」の状態の人たちがたくさんいる状態で、それを文化にしていくためには、頻度は高くなくても継続性(再読性=おなじ人、あるいはおなじ噺も何度も聴く)をもった状態にまでもっていかねばなりません。
落語会に呼ぶべきは、習慣的に「継続性」のある行動をしているお客さんです。毎月なにがしかの雑誌やサイトの記事を読むとか、毎月なんらかの芝居やライブなどに足を運んでいる人とか、毎週なんらかのラジオやポッドキャストを聴いている人とか。そういう人なら落語という趣味は継続して付き合うに足るよっていうのをメッセージしているのが「渋谷らくご」です。
イケメンかどうかはともかく、同世代の若者が、落語という芸能と向き合って悪戦苦闘している姿が、いいじゃん。お笑いもそうだけど、着物とか来てて、古典とかもあって、なんか非日常感が一層強いじゃん。応援したいよねー、っていうのが私のスタンスです。

一方で、私は米粒写経という漫才師で、れっきとしたプレイヤーですので、この仕事を一生のメインの仕事にするつもりはありません。
仕事面でのマイナスと負担が大きすぎますし、演者として見られなくなるデメリットも大きいです。
それでも続けていきたい。落語も大好きだし。
本当は、米粒写経で、寄席に出られるのが一番いいし、それが夢でもあるんですけど。いいなあ、寄席。出たいなあ。

とにかく、完全な部外者として落語会を設計したとき、「こういう方法もあるんじゃないか」と私が提案したいことは出してきました。
まだまだやりたいことはアイデアとしてはたくさんありますが、これ以上は現行のシステムでは難しいかもしれません。
あとは持久力です。

老若男女が寄席や落語会の素晴らしさを語り合う世界になってくれたらうれしい。だって若い人は存在を「知らない」だけなんだもん。
知れば、直接、生の演芸に触れたら、絶対わかるんだもん。
これは18歳からずっと思い続けていること。

イケメン云々の話ですが、
昨年末にダ・ヴィンチに取材してもらった時に、瀧川鯉斗さんと春風亭昇々さんはイケメンてことで紹介しました。
でも、それができるのは、きっと彼らを聴いたあと、「イケメン」よりも「おもしろい」という感想を持ってくれるだろうという確信があるからです。
そして、活字好きのダ・ヴィンチ読者なら、それを静かに受け取ってもらえるかなと。

でも。渋谷らくごに出てくださってる落語家さんたちは全員イケメンです。
ハートがイケメンなんです。だって出るメリット0なんだもん。
ギャラもそんなに出ない、持ち時間は負担。普段とちがうお客さん。
でも、そこにメリット感じて出てくれる。落語の未来を見てくれている演者さんたちなんです。

この「渋谷らくご」の物語が、これからどうなっていくのか。
見守っていただければと思います。

2016.03.05
posted by: サンキュータツオ | 渋谷らくご | 01:05 | comments(0) | trackbacks(0) |-
「渋谷らくご」をめぐる議論について #シブラク
5月の「渋谷らくご」も終わり、6月の「渋谷らくご」12日から16日までの公演の準備に入ろうとしているとき、
ツイッター上で、とある方の発言を目にしました。
私はその方に自分からツイートをしにいき、その後何度かの会話をしました。
私は、落語の話や考え方に関して、まずもって共感をしてくださる方がいなかったので、この方の発言は厳しかったけれども全面的に正しいと思っていて、しかも「渋谷らくご」のコンセプトも理解してくださっており、ありがたいものだったと思って会話しました。

事の発端は、昨年12月の「渋谷らくご」において、とある師匠に出ていただいた回で、お客さんが少なかったことについての怒り、さらには、昨今の「渋谷らくご」のプレビューへの不満、といったどちらかというとネガティブな発言だったわけですが、
私がなにに一番感動したかというと、まず去年の11月にモヤっと唐突にやることになった「渋谷らくご」の、12月の公演の段階に、すでに情報を得て、会場にいらしていたということ(あるいは、会の存在を気にしていただいたこと? つまりかなりのリテラシーの高さ)、さらに「渋谷らくご」の理念を理解し、賛同してくださっている上での、お叱りであったことです。
出会い方がちがえば、私はガッチリ握手したい方です(いまからでも落語の話をしたいくらい!)。

「渋谷らくご」は、まだ存在すら知られていないように、宣伝もほとんどできていなければ、よくわからないけれどもイヤなイメージを愛好家のみなさんに持たれてしまっていますが、それは仕方ありません。私のような人前に出ている人がきっとはしゃいでやっているだけだろうとか、そんなに覚悟なくただ落語は客入るらしいぞという安易な考えでやってるだけだろうと、思われる節もありますし、そう思われても仕方ないと思います。
なにせ「渋谷らくご」は、HPすらまだ完成しておらず、ツイッターの告知を主にやっているだけで、正直動員は師匠方、そして出演者の皆さまの知名度や宣伝に頼っている部分がほとんどです。スタッフも正規なものは1名です。しかもネットができるわけでもありません。正直オーナーからお話をうかがったときは、ナメてんのかいなと私も思ったほどです。ですが、いろいろあって、やることになりました。

そんななかで、ツイッターなどをなさっている方で(落語ファンはネット弱者も多いので、うれしいのです。何百人も入る会が終わっても感想がどこにもないこともあるほど)、「渋谷らくご」のハード面に反応してくださり、立ち上げてすぐの段階に足を運んでくださっているという点、またお叱りもすべて私が自分でできていないよなと思っていることだったので、ホントにスタッフとして入っていただきたいレベルの方なんですよね。落語会は都内でも無数にあって、でもツイッターなどネットで感想を言ったりする人は、増えてはいるけれども、分母は限られています。

「好きな演者さんの会にお客さんが入っていないことへの怒り」は、そもそもなんの興味も先入観もない人からしてみたら謎の感情ではあるのですが、愛好家あるあるではないでしょうか。私はすごくよくわかります。演者心理としては、それはお客さんが気にすることではないでしょ、ということなのかもしれませんが、宣伝とかちゃんとしろよと思われるのも、私は客としていろんな落語会やお笑いのライブなどにも行ったり見たりしていたのでわかります。
で、その方にごめんねっていう気持ちを表明したわけです。
ただ謝罪を繰り返すばかりでなにも答えていない、と見た方もいるようですが、そうではなく、おっしゃる通りです、と私が書いたように、その方の主張は、私の考えとほぼ同期していると言ってもいいくらいでした。賛同しています。そうするべきだ、と私も思っています。完全一致でした。

演者さんや落語会をどう紹介するか、というのは非常に難しい作業で、ただ何年にだれに弟子入りしたかとか、どういう人柄です、あるいは、こういう噺をします、と見どころを紹介したからといって、それは説明したことにはなるけれど、興味をもってもらえるものなのかどうかはわかりません。というわけで、ここ数ヶ月、いろいろ試しているわけです。
なかには、「これはおかしいだろう」というものもあるかと思います。私も人間ですので完璧は無理ですけれど、でも、続けます。いろいろ試してみるべきだと私は考えるからです。

「他己紹介」という、自分ではない人の紹介文を、大学の授業でも学生に書いてもらったりするのですが、毎回学生たちで議論するのが、「何年生まれで、どこの国のどの大学出身で、なにを専攻しているか、という紹介は、果たしてその人を紹介していることになるのか?」という議論です。またどれくらいの量で伝えるのか、長すぎてもダメ、短すぎてもダメ、でも印象には残したい、とかいろいろ議論されます。情報をどれだけ削っていくかということも考えていかねばなりません。

ここに、落語家Aさんがいたとして(A太郎さんではありません)、「みんなが知ってるあの師匠のお弟子さんだよ、こういうタイプの話をするよ」と伝えるのも有効だし、「ダウンタウンの笑いが好きな人は、もしかしたらハマっちゃうかも」という他ジャンルへのリンクのさせ方も有効だし、「アイドルが好きんだよ」という面をアピールすればおなじ趣味の人が、おなじ現代を生きる人が落語やってんだと共感度が高まるかもしれません。「剣の達人は、斬られた人さえもわからない、あるいは、斬られて気持ちいいそうです。そんな落語家さんです」と紹介すると、内容はわからないけど興味がわくかもしれません。そして紹介は毎月あります。どこをどう切り取るべきか、そしてそれが正解なのか、答えはわかりません。
とはいえ、「これはダメだろ」と言われたらそうなのかもと思います。「これはいい」と言われたら、それもそうかのかもと思います。私は、自分を信じるしかありません。
ですが、決してふざけているわけでも、不真面目にやっているわけではありません。
本職は、ふざけたり不真面目にすることですが、「渋谷らくご」の主役は落語家さんとお客さんです。私の試行錯誤はずっと続くのだと思います。ですが、真面目にやってはいます。あくまで自分でそう言っているので、「つもり」と言われればそれまでですが、「はい、不真面目です」とは言えません。

ハード面に魅力を感じていただきながら、ソフト面の不備、あるいはこれもできるだろうとかあれもできるだろうとか、じれったく思う気持ちは痛いほどよくわかります。私自身もそのジレンマに苦しめられています。ですが、いろんな事情でできなかったりすることが多くて、でも諦めようとは思っていませんし、同志が集える場所にしていこうと思っています。
今回、ご意見をくださった方との会話は、そういった意味で私は理解していただいてる部分と、不備に対する不満双方をうかがえたので、非常に良かったと思っています。

とはいえ、人のこうした話し合いに、当事者でもないのに入ってきたがる人というのはどこにでもいるもので、それも流れを追わないで人を非難したりする人たちや、まとめを見ただけでなにかをわかった気になって賛否を表明したがる人たちもいて、それもツイッターの醍醐味なのですが、私は当事者ではない人が軽々しく賛否を表明すべきではないと思っています。
私はエゴサーチをします、それは言及された当事者ですし、「渋谷らくご」「シブラク」で検索もします。それは当事者だからです。引用して言及もします。対話できる雰囲気があれば、対話をしたいですし、基本的には性善説に基づいて対話をしたいと思っています。
当事者ではない方も表明するのは自由です。またそれができるルールなのがツイッターの面白さです。演者さんは当事者のなかに入りますが、演者さんたちは主催者にもお客さんにも立場の弱い人たちですので、どんな発言であっても大目に見てもらいたいです。それくらいの許容の幅は欲しいものです。少なくとも私は渋谷らくごに出演してくださっている落語家さんたちは全員尊敬しています。そしてそれは「人柄がいいから」とか「考え方が好きだから」とかではなく、「芸がいいと思うから」です。人柄や考え方はオプションです。というか、人柄も考えもよくわかりませんし、ツイッターでは全然わかりません。なので、貶めたくはありません。どんな発言をしようが、芸がよければ、残念には思いません。こういうことがあると、演者さんたちはツイッターやめたり、なにも言わなくなったりすることが多いのですが、そういうことになったら、ホントに申し訳なく思います。

いろいろな議論を通して、いま現在は、ネットなどをやっている情報に敏感な落語愛好家の方には、嫌われてしまっているかもしれませんし、そういった意味では多くのお客さんを失ってしまったのかもしれません。それは私の責任です。
ですが、時間が経って、一度でもいいからのぞきにいってやろう、と思われる会にしていく。それしか私がやることはないのです。

自戒をこめてここに書き残すことにします。

6月の渋谷らくご、どの日にきても楽しめるはずですので、興味があればいらしてください。

5月28日の「WOWOWぷらすと」で、「渋谷らくごを振り返る」というテーマでお話する機会がありますので、
良かったら見てみてください。

 
posted by: サンキュータツオ | 渋谷らくご | 00:13 | comments(6) | trackbacks(0) |-
「渋谷らくご」(#シブラク #rakugo)5/9日 17-19時レビュー 立川志ら乃/神田松之丞/昔昔亭A太郎/林家彦いち ゲスト:劔樹人
「渋谷らくご」2015年5月公演 2日目
5月9日(土) 17:00-19:00

立川志ら乃-長短
神田松之丞-青龍刀権次
昔昔亭A太郎-ほれうそ
林家彦いち-青菜

 ◎トークゲスト(落語体験):劔樹人(ミュージシャン、漫画家など)

「あらかじめ決められた恋人たちへ」のメンバーとして、また「神聖かまってちゃん」のマネージャーとして、さらには『あの頃』などの漫画著作などでも有名な劔樹人さん。
この、なんとも説明できない、平気でジャンル横断しちゃう人がとても好きで、どうしても落語を聴いたらなんていうかを聞きたくて、この回にブッキング。
実は、小学生のころは落語を暗記して演っていたという30代男子。珍しすぎる! 近所では「天才落語少年」と呼ばれていたんだとか。その後、どうしても生の落語を聴きたくて、親にねだって連れてってもらったのが、新宿の末廣亭だったという、そしてそれが初の上京だったんだって! そこで、なにかゴールを見たのか、そこから興味は音楽へと移っていったという。
この回を観たあとのトークで、「音楽もライブハウスとかがなくなり、こういうふうになるんだろう」といった予見であったり、古典がクラシックだとかスタンダードジャズだとか、創作がロックだとかそういう話を。とっても楽しい話でした。
もちろん、アイドル、というかハロプロファンとしても有名なので、そのお話と、落語をめぐるファンまわりの類似点など。
ももちこと、嗣永桃子さんが、いかにブレークスルーし、自己演出能力にたけているか、など、芸人にとっても参考になる話。
「閉じている」と見られがちなジャンルにて、なにが起こっているのか、そんな興味深い話を、エンディングでは志ら乃師匠を交えて延々と。


立川志ら乃「長短」

ホントはトリをお願いしたいクラスの真打を、トップにお願いできる贅沢。これを許してくださる師匠。
さすが、ハロプロの応援話から一門の話、もうマクラから縦横無尽に話をつないで、沸かせてくださった。松之丞さんが二つ目昇進の会に素人時代に観に来てくれていたときの話とか。
そして落語「長短」。これ、気の長いほうの気の長さに途中からイライラしちゃうとストレスのかかる噺なんだけど、志ら乃師匠はいい具合に省略の痕跡を残し、「気が長い人なんだけど、聴いている人にはストレスがかからない」工夫を随所にしてくださっていて、とっても気持ちいい。このコントラスト、実に不思議なやりとりなのだが、呑気な感じがホントにすき。
なんでもできるなァ、この師匠。ホントにすごい! 
以前聴いた「無精床」もすごく好きなんだけど、この人には、なんか「柳家」がいるんだよ。ゆっくりやると柳家が見えてくるんですよ!(思い込みだけど。あ、志ら乃師匠の師匠の師匠の師匠が、柳家小さん、という方だったのです)


神田松之丞「青龍刀権次」

出た!松之丞の古典!
カッコいい! ひゅー!と言いたくなるような、なんというか、超絶ギターソロを聴いたときのような興奮を、松之丞さんの古典、とくにアクションシーンには感じる。ギター聴かないけど。
この噺は、昼の部にもしかしたら玉川太福さんがやっていたかもしれない候補のネタだった。しかし、結果的に昼は太福さんが新作を選択したことで、この日「権次」は松之丞さんが演じることになった。長い話のなかでも「エピソード1」の部分。
談志師匠もこの噺は好きだった。
「薩摩侍」が、湯島で芸者を斬りつけるシーンなんかは、ホントに映画を観ているよう。しかもモノクロの。個人的には仲代達矢が演じている雰囲気。
幕末から明治にかけての時代の雰囲気の説明も、良かったなァ。なんか、私はこの時代に生まれたかったのだ。明治10年くらいに生まれたかった。どうでもいい話なんだけど。この時代は、若い世代が国を動かした、歴史上でも稀有な時代なのだ。
見せ場になると、会話の間をショートカットし、カミシモもそんなに大きくは切らず、声色とリズムでもっていく気持ちよさ。これはもう、生で味わうに限る。これだけでお金を払う価値がある。しかも伸び盛り、キレてて気持ちいい。貴重なものを観ていると実感する。
松之丞さん、月曜はトリです。受付にてDVDも販売しているので、渋谷らくごにぜひ。


昔昔亭A太郎「ほれうそ」

この人は、端正な見た目と、ネタのくだらなさから、根っからの明るさを感じる人もいるかもしれないが、えてしてこういう人は闇を抱えているものです。
今日はそんな闇を、というか、「渋谷らくご」ではそんな闇が、時折というか、けっこう頻繁に出ているんですけど、それがまた良い!
嘘と毒。芸人としてのどうしもない性がいつにも増して顔を出した愛らしい一席だった。
あと、この落語家さんは、ある瞬間から、階段を一歩ずつ上がらないブロックに入るのだ。つまり、いきなり「飛ぶ」。
今日の創作落語「ほれうそ」でも、「鶏の反対は?」「ナムル」というくだりあたりから、「?」という言葉にならぬ声をもらしていたお客さんがちらほらいたのだけれど、そこが面白い。だれにでもわかるものをやる必要はなくて、雰囲気だけでもいい、「おもしろげ」であれば。そこ説明しちゃったら、もうおもしろくなくなるから。飛ぶことでしか表現できない面白さが絶対にある。
感動的なまでに、感覚的であり論理的であるという、不思議な演目。これは癖になります。


林家彦いち「青菜」

まさかの「青菜」!!
いや、まさかと言ってはいけない。彦いち師匠だって古典やってくださるのだ、そして彦いち師匠にとって落語に「古典」も「新作」も実は存在しない、そこには「彦いち落語」しかない。
五月になってあたたかくなってくると、そろそろ「青菜」だなって季節なんですが、彦いち師匠の青菜が聴けるとは!!
そこは彦いち師匠、身体性を入れてくるあたりが、さすが創作落語をなさっている師匠。
古典の解釈が、ひとつひとつ「どこか隙がないか。もっとおもしろくなるのではないか」という批評眼と隣り合わせ。
こういう落語家さんのおかげで、落語は長生きしているとさえ言えるのだ。
隠居と植木屋の会話から、酒を飲み洗いを食べってところで、もう浮かれいく植木屋のさまがおかしい。結果、隠居に好感をもつ、素直に「符牒」に憧れる、という流れができる。江戸っ子は、ご機嫌でないと「けッ、知識をひけらかしやがって」となるからだ。
植木屋の奥さんが、「短命」の奥さんレベルに、口の悪い奥さんで笑っちゃう。
古典でありながら、すべての会話が彦いち師匠の言葉、現代風の言葉、それでいて世界を壊さない、そのバランスのなかで成り立っている。これは奇跡のバランスだと私は思っているんだけど、今日もその奇跡のバランス。楽しい!


古典、古典、創作、古典、と結果的には古典のナンバーが色濃い会になったけど、そんな硬さを感じた人はだれもいないと思う。
終演後にも劔さん、志ら乃師匠と、お話は盛り上がりました。
みなさん大熱演、いやー、幸せだっ!

タツオ
posted by: サンキュータツオ | 渋谷らくご | 22:48 | comments(0) | trackbacks(0) |-
「渋谷らくご」(#シブラク #rakugo)5/9日 14-16時レビュー 立川吉笑/隅田川馬石/玉川太福/立川生志 #ぷらすと
「渋谷らくご」2015年5月公演 2日目
5月9日(土) 14:00-16:00

立川吉笑-新銭形平次
隅田川馬石-四段目
玉川太福(曲師:玉川みね子)‐三ノ輪橋とか、くる?
立川生志-百年目

 ◎ニコニコ公式生放送『WOWOWぷらすと』ストリーミング配信
  トークゲスト:東美樹、池田裕子


あたたかい季節になってきた。
こうなると、春らしい演目なのか、初夏らしい演目なのか、古典の演じ手は考えちゃう季節のはざま。それが5月。
毎月恒例となっている、ニコニコ生放送「WOWOWぷらすと」でのストリーミング配信はこの回となった。
生志師匠の定点観測的な意味合いもでてきた。
とはいえ落語は、お客さんと演者で作り上げていく芸。ぜひとも実際にユーロライブに足を運んでくださいね。
一人でも、そういった方がいてくださると信じて、演者さんにも協力してもらって成立している番組です。
番組スタッフにも感謝です。土曜返上で働いてくださっています。なによりも2万人近い視聴者と生のお客さんの前で演じる難しさを了承してくださっている落語家さんたちには感謝してもしきれません。


立川吉笑「新銭形平次」

トップの吉笑さん。
先月から封印していた、渋谷ならではのマクラ。とにかく「渋谷らくご」では毎回おなじツカミのバリエーション違い(マイナーチェンジ版)を出していて、個人的には「毎回新しい」という気持ちで楽しんでいる。
のだが、「オチ」がおなじだと多くの人が「おなじ」と錯覚してしまうのだろうか、「オチ」の部分がネタバレはじめると、そこがウケなくなっていく。しかし、本来このツカミが考案された経緯は「フリ」をマイナーチェンジできることの面白さだったはず。
開演前の池田裕子さんの「吉笑さんのあのマクラが楽しみ」というエクスキューズに急きょ応える形にはなったものの、ここで件のツカミが復活、相変わらず道中のフリに変化があってとても楽しかった。
そこから、引っ越しにあたり、はじめて自分でカレーを作ってみた、というマクラに。「人生初」の話は、その新鮮さをきちんと伝えてくれたら、だれの話だって私は大好物だ。「カレーを一晩寝かせる」という比喩的表現から、実際にカレーが起きてテレビを見ているといった世界に飛ぶのが吉笑流。このマクラも素晴らしかった。
吉笑さんは、ちゃんとマクラで「想像することに慣れてもらう」ことをしゃべってくれる。
会場を出て歩く想像、カレーを作る想像、カレーと話す想像。見事に、ホップ、ステップ、ジャンプになっているのだ。
ネタは、銭形平次が、銭を投げたあとに銭を拾っているのかどうか、といったところから着想を得たような、楽しい噺「新銭形平次」。
だれの心にもあるかもしれない「本音」と「建前」だとか、プライドとか、銭を投げることで起こる「もしかしたら平次はこういう悩みにさらされていたのかもしれない」といった、物語の裏側を読む楽しさ。笑いが多かったということは、共感した人が多かったんだろう。こういうパターンにも持っている落語家さんだから不思議だ。


隅田川馬石師匠「四段目」

この師匠のやる市井の人々はかわいらしい。芝居(歌舞伎)が好きで好きでたまらない定吉は、旦那に嘘をついてでも芝居を見に行ってしまうが、そのウソもちょろいものですぐにバレてしまう。蔵に閉じ込められておしおきされるのだが、その蔵のなかでさえも芝居のマネゴトばかり。呑気な噺で大好きだ。芝居の知識がなくても、「この人は本当に芝居が好きなんだな」ということが伝われば成立する噺。
こういった噺を、もしかしたらはじめて落語を聴く人、画面の前で落語を聴く人がいるとわかっている状態でかけてくださるその心意気が、本当にありがたい。
マクラの、時計がないはずの時代に時計を見るシグサをする、という失敗談も意図的だったかもしれない。
まったく文句のない、素晴らしい出来。これが「良いもの」と私は思っているし、それが伝わるまでずっとこの落語会は続けていくつもり。


玉川太福さん「三ノ輪橋とか、くる?」

緑の着物を着て、都電荒川線の「三ノ輪橋」駅商店街のとある純喫茶「フレンド」での、若者二人の会話。
そんな極小の出来事を、浪曲という仰々しい芸で歌い上げるのが、太福さんの醍醐味。
そんななかにも、ささやかな人の感情の揺れ動き、人情、会話になっている部分と、会話になっていない部分の心の会話があって、それを理解できる、日本人ならではの機微。そして、忘れたくない、失われつつある風景。
風景、人間二人。これだけあれば太福さんの浪曲は完成してしまう。
古典の楽しさも、新作の楽しさも、「浪曲」という魂を活かして表現してくださる。場内大爆笑。
「カッコいいイケメン」
「それ意味重なっているからさ…」「ここだけ聞こえてないのかよ」…などなど。おもしろフレーズ連発。
稀有な才能です。ホントにすごいスタイル。これは浪曲の「発見」である。


立川生志師匠「百年目」

旦那と番頭、またさらにその下の使用人。馬石師匠の「四段目」では、厳しいなかにも優しさのある、旦那と小僧とやりとりだが、この「百年目」はもうひとつ上の世代、大旦那と番頭のやりとり。
百年目は桜の季節の噺で、ちょうど桜が満開のなかを、どうしても外に出たくないという番頭を、芸者連が船で連れ出したら、まさかまさかの旦那に出くわすという噺。
しかし、あの花見の船のシーンでは、とくにこれといって緻密な描写がないものの、両岸に満開の桜、そして花びらがチラチラと散りつつ、なんなら水面を桃色にしているくらいの映像が、どうしたって想像される。しかし、それはとりもなおさず、私が日本人だからなのだ。
ちょうど、船のなかを閉め切ると「暑い」というくだりは、この時期にきくとちょうどいいのかもしれないけれど、寒い4月に聴いたら、春から夏への予感にも満ちて、とっても幸せな噺でもある。
ちょうど、川岸には「長屋の花見」の一同や、「花見の仇討」の面々も出てきたりして、遊び心満載の「百年目」だった。
理想の上司、あるいは部下の育て方、そんなキーワードも出てくるような、酸いも甘いも知り尽くした人こそ、上に立つべきなのかもなあなどと、いろいろ考えさせられる、気持ちのいい噺です。
さすがの生志師匠の「百年目」。人の優しさに、ジーンときます。番頭に説き伏せる直前に、使用人を説教するところが効いてて、良いよね!

太福さんが短めに終わったことで、引き出せた生志師匠の「百年目」だったかもしれませんが、まったく長さを感じさせない「百年目」でした。

んー、いい会!みんな好き!


 
posted by: サンキュータツオ | 渋谷らくご | 21:54 | comments(0) | trackbacks(0) |-
30歳の神田松之丞 #シブラク
5月の「渋谷らくご」、11日の月曜、20時の回は、特別な回です。

立川談奈/橘家文左衛門/春風亭一之輔/神田松之丞

「渋谷らくご」っていっているのに、講談の、しかも芸歴8年目の二つ目である、神田松之丞さんにトリをとってもらうことになりました。
松之丞さんは83年生まれ、現在31歳。
この4月に、DVDが発売になりました。



DVD実物↓

講談師 神田松之丞」(アマゾン)

素晴らしいDVDです。
松之丞さんの魅力を余すところなく引き出しているDVD。インタビューも収録されていて、今現在の松之丞さんがなにを考えているのか、非常によくわかる内容ですが、なによりも、「講談ってなんだ!? 落語となにが違うんだ?」と思っている方にもおすすめできる、講談初心者向けでもあるものとなっております。
もちろん、従来の講談ファンは、すでにこの天才の存在を知っていると思うのですが、神田山陽さんが忽然と姿を消してからというもの、男性の講談師にはもはや期待してはいけないのではないかという風潮すらあったなかに、この男が現れてからというもの、にわかに事態は変わりまだ講談の世界に入って10年経っていないこの講談師によって、講談界はおそらく今後数十年、この男を中心にまわっていくことになることを予見しているでしょう。

DVDに収録されている時点で、松之丞さんはあと二週間ほどで30歳だと言っている。
20代の男性講釈師は、唯一私だけだと、言っているのである。


このほど、「家元の軌跡 談志30歳」というCDを聴いた。


家元の軌跡 談志30歳」(アマゾン)

30歳のころの談志師匠の音源である。
源平盛衰記、らくだ、芝浜、蒟蒻問答……ハッキリ言って「震撼」の一言である。
なにより、当時の客席の教養の高さが高座からもうかがえる。
談志師匠は29歳で『現代落語論』を著し、その翌年。伸び盛りの芸というには、あまりにも完成された変幻自在かつ華のある高座。
わかんないところがあっても、楽しい気持ちにさせてくれるCDだ。
このあとの45年、いったい談志師匠はなにを考え、どう一席一席と向き合っていったのか、そんな途方もないことすら想像させてしまう。だって30歳でこのレベルって、どうよ!?っていう。もう普通に上手くなることには、そのうち興味なくなっちゃうでしょこれだけできちゃうんなら!という。

さて、松之丞さんのDVDを観て、この30歳のときの談志師匠を当時生で見ていたらどんな気持ちになっていたのだろうと想像していたが、もしかしてこんな気持ちなのかも、とすら思うほどに、私は30歳の松之丞さんを聴けていることは存外の幸せなのではないかと思っている。

謙虚さもあるがもちろん自信もある。
自分にできることがどこまでなのか、絶対的に信頼を寄せている師匠・神田松鯉に師事し、いま温かく見守られながら、ひとつの才能が開花している。
知識も、技術も、表現力も創作力も、さらには愛嬌もある。
松之丞よ、よくぞ講談を選んだ!と快哉をあげてしまうほどに、彼が見せてくれる可能性は無限に思える。

談志師匠が30歳のころから時代は変わり、観客の演芸に対する教養は年々下がっていっているのかもしれないが、それでも大衆に寄り添うのが演芸だ。
彼はときにはアジり、煽って自らを追い込んでいく。
彼を飛躍させるには、講談界は狭いのかもしれない。落語界にも狭さを感じているかもしれない。
松之丞さんは、つねに自分の存在を証明するために戦いつづける孤高な存在、ジャンルはちがえど、批評的でありながら実践的な、談志的な存在だと私は思っている。

そんな才能に、みなさんぜひ「震撼」してもらいたい。

松之丞さんと出会う縁があり、「渋谷らくご」に出演してもらう運びとなり、現在まで欠かすことなく毎月出てもらっているのだが、
彼が主催者の期待を裏切ったことは一度もない。
「一之輔師匠の出る回に出たい」、彼は最初にそう言った。
不思議なことに、まだ一度も一之輔師匠とおなじ会に出たことがないということだった。
そして「渋谷らくご」で共演は成った。今年の頭のことである。

そして私は先月のこのDVD発売を知り、トリをもちかけた。
文左衛門、一之輔の両師匠のあとの、トリである。
並みの二つ目なら押しつぶされてしまうところだろうが、すでにこの人はトリを務める力量と野心がある。

条件が揃えば、トリをとってもらいたい。
ずっと彼に言い続けてきたが、今月、ついに約束の時がきた。

もし、まだ神田松之丞という人を知らない人がいるのであれば、
講談だの落語だのというジャンルのことはいったん忘れ、規格外の人間を見るような気持ちで、
ぜひ一度彼を生で見に来てほしい。できれば、「渋谷らくご」という場所で。
ほかの場所ではなかなか実現できない、通常では考えられない位置で出すことができる、超法規的落語会だからだ。

この機会に、胸を貸してくださる、談奈さん、文左衛門師匠、一之輔師匠にも本当に感謝したい!

そして、こうなったからには、松之丞さん、お願いしますよ。
11日、お時間のある方は、この歴史的な会に足を運んでみてください。

DVDも会場で販売予定です。

 
posted by: サンキュータツオ | 渋谷らくご | 02:12 | comments(0) | trackbacks(0) |-
渋谷らくご(シブラク) 5月8日(金)~12日(火) プレビュー #シブラク #rakugo #ぷらすと
今月も「渋谷らくご」の時期が近づいてきた。
毎月第二金曜から5日間連続、
渋谷らくご
よろしくお願いします。

5月はこのような番組を組みました。
ちゃんと二つ目さん、若手真打を堪能できる贅沢な場所に入れておりますので、どうぞお楽しみに。

2015年5
8() 夕席
18─19
「ふたりらくご」
 
瀧川鯉八、立川こしら
夜席
20─22
「渋谷らくご」 柳亭小痴楽、春野恵子
春風亭昇々、柳家喜多八
9() 昼席
14─16
「渋谷らくご」 立川吉笑、隅田川馬石
玉川太福、立川生志
夜席
17─19
「渋谷らくご」 立川志ら乃、神田松之丞
昔昔亭A太郎、林家彦いち
10() 昼席
14─16
「渋谷らくご」 瀧川鯉斗、立川こしら
三遊亭遊雀、桂春蝶
夜席
17─19
「渋谷らくご」 笑福亭羽光、瀧川鯉八
玉川奈々福、橘家圓太郎
11() 夕席
18─19
「ふたりらくご」 立川吉笑、立川志ら乃
夜席
20─22
「渋谷らくご」 立川談奈、橘家文左衛門
春風亭一之輔、神田松之丞
12() 夕席
18─19
「ふたりらくご」 入船亭小辰、入船亭扇辰
夜席
20─22
「創作らくご」 瀧川鯉八、台所鬼〆、春風亭昇々
春風亭百栄、林家彦いち
開場:各開演時間の30分前。(出演者は予告なく変わることがあります)「渋谷らくご」は持ち時間は30分。
「渋谷らくご」は、二席目と三席目の間に、2
分間のインターバルが入ります。




「渋谷らくご」を楽しむためには、なんの知識も準備もいりません。
想像する脳みそさえあれば、どなたでも楽しめます!
少しくらいわからない言葉があっても、そういうのがあるんだなくらいに思って聞けば大丈夫。すべてわかる必要もありません。
 
私の仕事はこの番組を組むまで、なのですが、もういてもたってもいられず、今月も見どころなどを簡単に説明したいと思います。
落語気になってんだよ、どこ観に行けばいいかわかんないんだよね、という方から、
普段の落語会とは雰囲気のちがう「なにが起こるかわかんないとこ」を見てみたいという上級者まで、
全方位で、どの回も楽しめる番組に設計したつもりです。

「渋谷らくご」は二つ目と若手真打中心の番組ですが、講談、浪曲、漫才、そして中堅、ベテランの域に入る落語家の方まで出演しております。
どなたか一人でも気になって追いかけてくだされば、最終的には落語界全体を俯瞰して観られるよう、工夫しているつもりですので、まずはこの「渋谷らくご」をプラットフォームとしていただけるとものすごくうれしいです。

全体としての見どころは下記です。


▼どの回でも充実のトリ陣 11日は、松之丞がトリに挑戦! 持ち時間は全員30分!
8の喜多八師匠、
9日の生志師匠、彦いち師匠
10の春蝶師匠、圓太郎師匠
11日は、二つ目、神田松之丞がトリに挑戦、
12日の彦いち師匠 
どの日のどの回にいっても安定感抜群の師匠方がトリをとってお客さんを満足させてくれるはずです。
二つ目も真打も、持ち時間は全員30分! 思い切り力が出るぶん、たっぷり楽しめます。最初の出演者から楽しめる番組です。
 
どなたでも楽しめる、新しい落語「創作らくご」
現代を生きる人であれば、だれでもが楽しめる創作らくご。
今回は、彦いち、百栄両師匠に加え、台所鬼〆さんが初参加。無理やり創作の会にお呼びしましたが、なんとこの回のために創っているという情報も!? 鯉八、昇々というキャラクターの濃い創作の騎手たちが、どんなネタをひっぱりだしてくるのかにも注目!
ぜひお友だちをお誘いあわせの上、ご参加ください。
 
▼平日18時「ふたりらくご」にも注目
18時から19時までの一時間。ちょっと仕事を早めに切り上げてこられる人、学校帰りの学生、買い物の帰りに1時間、気軽に落語を聴くことができる平日の夕方公演。業界の価格破壊とも言われていますが、どうぞお友だちを誘ってきてください。
会社の午後半休とってでも来る価値アリ!
今月は「鯉八×こしら」の鬼才対決、「吉笑×志ら乃」の談志孫弟子対決、「小辰×扇辰」のプチ親子会、
どの回もみどころたっぷりです!
 

▼9()ニコニコ公式生放送『WOWOWぷらすと』で生中継
2万以上を動員し、90%以上の満足度を獲得する「渋谷らくご」の中継。
もちろんアーカイブには残しません。ストリーミング配信です。
出演者の方々にご協力いただき、ありがたく中継という段取りとなりました。ぜひ現場に来ていただきたいです。
落語はお客様と一緒に作り上げる演芸ですので! 
なお、ご来場のお客様はなんら気を使う人はありません。顔も映りませんし、無理に笑う必要もありません。あくまでメインは、会場にいるお客様です。

あとは、充実のラインナップ、具体的に見どころを手短に説明したいと思います。

※「渋谷らくご」には、二席目と三席目の間に「2分間のインターバル」が入ります。
これは、休憩ではなく、「脳を休める時間」です。
落語は脳をつかい想像し楽しむものです。普段あまり使っていない人でも、使っている人でも、2分休めると、より楽しめると思います。
※また、「脳の筋肉使用」の目安を三段階で設けました。初心者でも楽しめるかと思いますが、脳筋肉痛に注意してください。
※「渋谷らくご」は、開演してすぐ出てくる人から30分をお任せし、「トリ」のつもりでやってもらいます。出演者全員「トリ」です。また、出演順は年功序列ではありません。最初からトップギアでお客様を楽しませることをモットーとしております。
※開演前と終演後に「落語体験」というトークコーナーがある回があります。あくまでおまけのようなもので、いろいろな仕事の方をお呼びして、落語を生で体験し、現代人としての意見をうかがいます。お時間ある方はおつきあいください。
 
 
 
▼8 金 18:0019:00 「ふたりらくご」  脳の筋肉使用★★
瀧川鯉八 たきがわこいはち
立川こしら たてかわこしら
 
二つ目の鯉八さん、真打のこしら師匠。二人は否定するかもしれないが、この二人が今後の落語の空気感を決めていく存在になるのはたしかです。
 新作落語で、ほかにない独特の高座をすでに自分のものしている鯉八さん。発想の突飛さもさることながら、表現力も高くて、決していそがず、お客さんを置いてけぼりにしない。なにより「瀧川鯉八」という落語家をキャラクタライズしていて、演出力も高いと思うのです。こんなことを言うと演者さんはやりにくくてしょうがないと思うのですが、ハッキリ言っちゃいます。鯉八さんのキャラの作りこみ、すごいです。しかも、キャラを作ると、やれることに制限がかかってくるというのが芸人のジレンマなのですが、鯉八さんは決してそんなことはなく、むしろこのキャラクターでどんな噺もひっぱっていける、というくらい可能性を感じさせてくれます。
 かたや古典をお笑い的に解体するこしら師匠。素人だったら落語のここに違和感覚えるよなってところを、落語家になって十数年、いまだに持ち続けられる感性。こういう人の解釈によって、落語は延命していくのです。
 評価が定まらない才能のことを、世間は「鬼才」といいます。この「ふたりらくご」は、「鬼才らくご」です。
 
 
▼8 金 20:00〜22:00 「渋谷らくご」  脳の筋肉使用★★★
柳亭小痴楽 りゅうてい こちらく
春野恵子 はるの けいこ
春風亭昇々 しゅんぷうてい しょうしょう
柳家喜多八 やなぎや きたはち
 
お名前だけはずいぶん前から耳にしていましたが、春野恵子先生の浪曲をはじめて聴いたのはNHK Eテレの『NHK東西浪曲特選』という番組で、とんでもない存在感と歌唱力に衝撃を受けたのですが、彼女が大阪を拠点にして活動していることを知って、すぐに生で聴きたいと思ったものの地団駄を踏んだのを覚えています。その後、西荻窪の浪曲祭りに出演なさるという情報を得て、恵子先生目当てに赴いたさいに、玉川太福先生の新作浪曲にも出会うことができ、この「渋谷らくご」にも出演していただいているというわけです。
生の恵子先生の歌声の迫力たるや! そして浪曲のなかにある日本人のリズム感、テンポ感、すべてが心地よいのだと、彼女は教えてくださいます。そんな恵子先生が、「東京も活動拠点にします」という宣言があり、急きょ出演をお願いしました。無理なお願いにも関わらず、気持ちよく出演を決めてくださいました。
東京の若い人にはなかなか触れることがない春野恵子の浪曲、ぜひ堪能ください! 
  小痴楽さんの元気のよい落語、昇々さんの爆笑落語。威勢のいい二つ目さんで恵子先生を挟みます。そしてトリは喜多八師匠。毎月ぼやきながらも出演してくださっている、温かい師匠です。最高の落語です。
 
 
▼9日 土 14:00〜16:00「渋谷らくご」  脳の筋肉使用★★★
立川吉笑 たてかわ きっしょう
隅田川馬石 すみだがわ ばせき
玉川太福 たまがわ だいふく
立川生志 たてかわ しょうし
 ◎ニコニコ生放送にて、生中継!ライブストリーミング
 
 立川生志師匠は50歳を超えてもなお30代のパワフルさと謙虚さで、古典落語の世界を極めつつある、観ていてとても気持ちよくなる演者さんです。立川談志師匠のお弟子さんで、談志師匠の独自の教育方法のなかで、二つ目昇進に9年かかり、決して順風満帆な芸能生活のスタートとはいえないのかもしれないけれど、二つ目昇進、真打昇進と、ひとつひとつの「壁」を乗り越えるたびに、談志師匠のエキスと教育が滲透していくよう。生志師匠の骨太な落語にファンも大勢いらっしゃいます。とっても丁寧な落語で、だれが聴いても楽しめる、味わいのある落語です。
 いっぽうおなじ立川流でも、二つ目の吉笑さんの落語は新時代を予見するような、まだ落語が掘り下げきれていない「ロジックの面白さ」を追求する落語。落語という芸能の懐の広さを感じてもらいたいと思います。
 また、隅田川馬石師匠の落語は、無駄のない、それでいて想像するのに必要な情報はたしかに織り込まれている、小気味いいリズムの落語。大好きです。玉川太福さんの浪曲とともに、多くの人に知っていただきたい芸です。
 当日は、「WOWOWぷらすと」の生中継でニコニコ生放送で配信されますが、会場にいらっしゃる皆様は、気にしないでくださいね。
 
 
▼9 土 17:00〜19:00「渋谷らくご」  脳の筋肉使用★★
立川志ら乃 たてかわしらの
神田松之丞 かんだまつのじょう
昔昔亭A太郎 せきせきていえーたろう
林家彦いち はやしや ひこいち
 ◎落語体験 劔樹人(ミュージシャン、漫画家)
 
 攻めている人だけを集めたらどうなるのか。この回はそんな「攻めの姿勢」の回です。
 若手真打ながら、常に挑戦の手をゆるめない志ら乃師匠。来月にはこの「渋谷らくご」で創作らくごのネタおろしにも挑戦しますし、先月は「まくら王」でトリをとり、前に出たすべての演者のまくらを回収する古典落語を披露するなど、その才能にまだ限界が見えません。声優さんをゲストにして落語をやってもらうとか、『落語心中』を勝手に落語化してしまうとか、仕掛け上手。
 松之丞さんは講談界の希望です。講談界で唯一の若手男性ということで、注目も浴びますが、決して古典の世界に安住することなく、「講談は宝の山」と豪語する肝っ玉。常に落語ファン、講談ファンを刺激し続ける演目と技術で、これからの演芸界を背負ってたつ男です。
 A太郎さんは、新作落語の魔王、昔昔亭桃太郎師匠の門下、師匠譲りのバカバカしい芸風を色濃く継承しつている二つ目さん。創作でも笑わせるだけではなく、聴かせるパターンも持っているという、何が出てくるかわからない魅力のある落語家さんです。
 そして彦いち師匠。中堅の位置にさしかかっても、いまなお創作意欲おとろえず! この「渋谷らくご」でも創作らくごの会を牽引してくださっている、まさに「攻め続ける」真打です。
 この攻めるメンバーを聴いていると、演芸界は希望しかない!と確信するにちがいないです。
 
 
▼10 日 14:00〜16:00 「渋谷らくご」  脳の筋肉使用★
瀧川鯉斗 たきがわ こいと
立川こしら たてかわこしら
三遊亭遊雀 さんゆうてい ゆうじゃく
桂春蝶 かつら しゅんちょう
 ◎落語体験 中井圭(映画解説者)
                                        
先月の鯉斗さんの高座「暴走列伝」には、とにかくときめいた。高校時代、暴走族の総長だったエピソードを30分に渡って展開、「これこのままずっと聴いていたい!」という気持ちにさせる不思議な語りの魅力。この演者さんは、ニコニコさわやかに、あっさりとキラーフレーズを連発する、見ているだけでも楽しい気持ちにさせる華があります。小さくまとまっていないところがなによりも大好き! ぜひそのスケール感の大きさと技術力のアンバランスさに、ひやひやしていただければと思います。ヤンキーが落語やってるんですから! こんなドキュメントありませんよ!
 かたや桂春蝶師匠、落語研究会出身とかのハンパな落語エリートではなく、芸人の家の子という、まさに本物の落語エリート。子ども時代に父親の先代春蝶師匠や、亡くなった枝雀師匠、そしていまの鶴瓶師匠などとひっきりなしに接していたわけであるから、芸人の醸し出す「匂い」をずっと嗅いでいる人です。そんな師匠の高座は、品があってわかりやすくて無駄がない。だれが聴いてもわかりやすい思いやりと、統制のとれた語り口から自分への厳しさを感じます。
 前半の素人っぽいドキュメント落語の流れから、後半の遊雀師匠、春蝶師匠へと色っぽくなってく様をお楽しみください。
 
 
▼10 日 17:00〜19:00「渋谷らくご」  脳の筋肉使用★★
笑福亭羽光 しょうふくてい うこう
瀧川鯉八 たきがわ こいはち
玉川奈々福 たまがわ ななふく
橘家圓太郎 たちばなや えんたろう
 
 圓太郎師匠、高座からはやさしいオーラが漂っていて、ここ最近の「渋谷らくご」のなかでも圓太郎師匠の出る会はお客さんの反応が一番あったかい、なんて評判です。が、圓太郎師匠は努力と気合の人、もとは福岡の出身で、ヤンキーでしたが、売れっ子の小朝師匠に弟子入りしてから、方言を直したり忙しいなかをぬって稽古、稽古の日々。なによりすごいのは、マラソンもやるしトライアスロンもやるし、そのぶん酒は飲むし、という「気合い」がほとばしっている生き方である。温厚だと思ったら大間違い、なかにはまだまだたぎるもののある、第一線の落語家さんなのです。その師匠の柔和な部分と剛健な部分、どちらも落語に反映されているから楽しいんでしょう。この日はなにをしてくださるんか、楽しみですね!
 浪曲、玉川奈々福さんは浪曲界でも活発に活動している演者さんの一群にあって、他のジャンルの演者さんとの他流試合もさることながら、小説やアニメの浪曲化など、他ジャンルの「浪曲化」などにも積極的に取り組んできた、挑戦者。そんな苦労は表情からは微塵も感じさせませんが、どうやったら浪曲をひとりでも多くの人に身近に感じてもらうのか、ずっと考え続けている芸人さんです。古典の浪曲も、他ジャンルの脚本を経験するたびに、むしろさらに磨きがかかっているようにも感じます。羽光、鯉八という鬼才が暴れ倒したあとに、どう転がっても大丈夫な人たちが後ろにいる安心感。4番がしっかりしているチームの1、2番がむしろ楽しみです。
 
 
▼11 月 18:0019:00 「ふたりらくご」  脳の筋肉使用★★
立川吉笑 たてかわ きっしょう
立川志ら乃 たてかわ しらの
 
 立川談志→立川談笑→立川吉笑と受け継がれた、異端の遺伝子。狂気の遺伝子。
 立川談志→立川志らく→立川志ら乃と受け継がれた、気骨の遺伝子。目立ちたがり屋の遺伝子。
 おなじところをスタートとしながらも、孫弟子になるとかくも変わるのかということを、この二人を観ているとまざまざと感じるわけです。20時からの談奈さんなんかは、談志→左談次→談奈というラインでとらえると、寄席の遺伝子とか、正統の遺伝子だといってもいいわけで、若い落語家さんでも、目指す方向性によって、かくもちがいがでてくるものかと、しみじみしちゃうわけです。
 といっても、吉笑さんと志ら乃師匠、年齢でいえば一回りくらいちがいます。キャリアももちろん全然ちがいます。ですがあえて二人で番組をお願いしたのは、志ら乃さんが上の人にも下の人にもライバル意識を燃やして全力で落語と向き合っているからです。志ら乃師匠は才能に敏感です。それが年上だろうが年下だろうが、つねに才能のあるところに興味をもって突進していきます。先入観もありません。そのひたむきさを、心を打たれます。そして、吉笑さんはまさに、そんな志ら乃師匠を刺激することができる年下だと思います。おびやかしてほしいです。なんなら潰してほしいです。志ら乃師匠を食っちゃってもいいんです。
 そんな激突が見れたらいいなあという、「ふたりらくご」です。
 
 
▼11 月 20:00〜22:00 「渋谷らくご」  脳の筋肉使用★★★
立川談奈 たてかわ だんな
橘家文左衛門 たちばなや ぶんざえもん
春風亭一之輔 しゅんぷうてい いちのすけ
神田松之丞 かんだ まつのじょう
 
松之丞よ、よくぞ講談を選んだ!
先月末に発売になった松之丞さんのDVDを拝見して、改めてそう思うに至りました。高校時代に圓生(えんしょう)の落語を聴いて興味をもち、立川談志師匠に傾倒しながらも、最終的にたどり着いた「講談」。自分に合っていると直感したという自信も気持ちいい。演者には、うぬぼれと謙虚さとが常に同居していないといけない。「講談は宝の山だ」と言い切る松之丞さんは、講談というベンチャーに飛び込んだ若者だと思っていいと思う。2007年に入門して丸8年、講談界はいまこの若者の双肩にかかる。オレがやればそれはすべて講談。落語じゃなくて講談なんだと言い張る感じ。たまらない! こういうスターを待っていた。
「一之輔師匠とまだ一緒になったことがない」と言っていた初登場時。次には一之輔師匠のヒザ(トリの前)をお願いしました。しっかりと会場を沸かせてくださったし、その後もこの「渋谷らくご」には人一倍の熱意をもって臨んでくださっています。「条件がそろえば、トリでお願いしたい」、将来のある若い人が、力のある真打がしっかりと脇を固めるなかで、トリを任される。こんなに楽しみな機会はありません。文左衛門師匠、一之輔師匠の激突も楽しみですし、一之輔師匠がこの位置であがって、松之丞さんにどうつなげるのか、これも楽しみでなりません。
断言します。この回は歴史になります。松之丞さんのための回にしました。師匠方、談奈さん、お願いします!
 
 
▼12 火 18:0019:00 「ふたりらくご」  脳の筋肉使用★★★
入船亭小辰 いりふねてい こたつ
入船亭扇辰 いりふねてい せんたつ
 
扇辰師匠の落語に流れる時間は、非常に濃密です。一言ひとことだけなく、目の動き、しぐさにいたるまで意味がしっかり乗っていて、なにも考えずとも、師匠を観ているだけで情景が浮かんできます。それはとてもとても気持ちのいい瞬間です。理屈ではないのです。見て、聴いて、五感で味わう落語。
 先月の「三方一両損」という演目では、財布を拾った江戸っ子が、財布を落とした江戸っ子のところへ届けにいくというくだりから、なぜか二人が喧嘩になる、というくだりを、ほほえましくもじれったく演じてくださいましたが、もうこの二人の仲の良さといったら! 本当は根っこから似たもの同士だからこそ、反発しあっている感じがホントにおかしくって、涙が出てきました。なんでしょう、そういう「幸せの空間」に連れていってくださるのが、扇辰師匠なのです。基本的に、性善説の落語なのです。
 もちろん扇辰師匠にもお弟子さんがおります。今回お呼びした小辰さん、「渋谷らくご」は初めてなのですが、ご自分の言葉で落語の世界を表現している、気持ちのいい演者さんだと私は勝手に思っています。
 今後も何十年と堪能したい「入船亭」という屋号の芸。私はこの二人を観ていると、もうほかになにもいらないってくらいになっちゃうと思います。はじめて落語聴きますって人に、聴いていただきたいお二人です。プチ親子会。
 
 
▼12 火 20:00〜22:00 「創作らくご」  脳の筋肉使用★★★
瀧川鯉八 たきがわ こいはち
台所鬼〆 だいどころ おにしめ
春風亭昇々 しゅんぷうてい しょうしょう
春風亭百栄 しゅんぷうてい ももえ
林家彦いち はやしや ひこいち
 
 創作らくごの会。なぜ落語家は創作するのか。古典だけを追求する日々を選択することもできたのに、なぜ創作をするのか。
 それは、今日この会場に来るお客さんのため。落語に興味を持っている若い人たちのため。明日落語ファンになるかもしれないあなたのお友だちのため。古典もいいけど、創作もアリなのが落語という芸能の懐の深いところ。
 日々、お年寄りを相手にすることのほうが圧倒的に多い方々にも関わらず、創作に打ち込むのは、作ることが好き、楽しませたい、自分の存在を証明したい、まだ落語にはこういう可能性があるんだ、などなど、いろんな理由があるはずです。
 今日のこの場に集ってくださった落語戦士たち(なんてダサい表現なんだろう!)は、ずっと戦っています。古典だけをやっている人が戦っていないというわけでないのです。ただ、登場人物の名前が現代的ではないというだけで、あるいはしゃべっている言葉が現代ではないというだけで、話を聴いてくれない人たちがいます。舞台がなぜ江戸なんだ?なんでいま昔の話を聞かなきゃいけないんだ? そんな疑問を感じる人たちに、いや、こういうのもあるんだぞ、と胸を張って言える根拠を、この人たちは作ってくれているのです。
posted by: サンキュータツオ | 渋谷らくご | 02:06 | comments(0) | trackbacks(0) |-
渋谷らくご(シブラク) 4月10日(金)~14日(火) プレビュー #シブラク #rakugo #ぷらすと
今月も「渋谷らくご」の時期が近づいてきた。
毎月第二金曜から5日間連続、
渋谷らくご
よろしくお願いします。

4月はこのような番組を組みました。
過去最高に真打の多い、豪華な番組になりましたが、
ちゃんと二つ目さん、若手真打を堪能できる贅沢な場所に入れておりますので、どうぞお楽しみに。


2015年4
10() 夕席
18─19
「ふたりらくご」
 
POISON GIRL BAND
立川こしら
夜席
20─22
「渋谷らくご」 立川吉笑、隅田川馬石
神田松之丞、立川生志
11() 昼席
14─16
「渋谷らくご」 三遊亭歌太郎、橘家文左衛門
瀧川鯉八、春風亭一之輔
夜席
17─19
「渋谷らくご」 柳亭小痴楽、瀧川鯉斗、立川こしら
瀧川鯉昇
12() 昼席
14─16
「渋谷らくご」 立川志ら乃、玉川奈々福、
春風亭昇々、桂春蝶
夜席
17─19
「渋谷らくご」 立川吉笑、柳家喜多八、
春風亭正太郎、林家彦いち
13() 夕席
18─19
「ふたりらくご」 瀧川鯉八、瀧川鯉昇
夜席
20─22
「渋谷らくご」 春風亭昇々、三遊亭遊雀、
神田松之丞、橘家圓太郎
14() 夕席
18─19
「ふたりらくご」 隅田川馬石、入船亭扇辰
夜席
20─22
林家彦いちプレゼンツ
創作らくごネタおろし会
「しゃべっちゃいなよ2」
柳家わさび、春風亭吉好、玉川太福、
立川志ら乃、林家彦いち
開場:各開演時間の30分前。(出演者は予告なく変わることがあります)「渋谷らくご」は持ち時間は30分。
「渋谷らくご」は、二席目と三席目の間に、1
分間のインターバルが入ります。


「渋谷らくご」を楽しむためには、なんの知識も準備もいりません。
想像する脳みそさえあれば、どなたでも楽しめます!
少しくらいわからない言葉があっても、そういうのがあるんだなくらいに思って聞けば大丈夫。すべてわかる必要もありません。
 
私の仕事はこの番組を組むまで、なのですが、もういてもたってもいられず、今月も見どころなどを簡単に説明したいと思います。
落語気になってんだよ、どこ観に行けばいいかわかんないんだよね、という方から、
普段の落語会とは雰囲気のちがう「なにが起こるかわかんないとこ」を見てみたいという上級者まで、
全方位で、どの回も楽しめる番組に設計したつもりです。

「渋谷らくご」は二つ目と若手真打中心の番組ですが、講談、浪曲、そして中堅、ベテランの域に入る方まで出演しております。
どなたか一人でも気になって追いかけてくだされば、最終的には落語界全体を俯瞰して観られるよう、工夫しているつもりですので、まずはこの「渋谷らくご」をプラットフォームとしていただけるとものすごくうれしいです。

全体としての見どころは下記です。
 
▼どの回でも充実のトリ陣 持ち時間は全員30分!
10の生志師匠、
11日の一之輔師匠、鯉昇師匠
12の春蝶師匠、彦いち師匠
13日の圓太郎師匠、
14日の彦いち師匠 

どの日のどの回にいっても安定感抜群の師匠方がトリをとってお客さんを満足させてくれるはずです。
二つ目も真打も、持ち時間は全員30分! 思い切り力が出るぶん、たっぷり楽しめます。最初の出演者から楽しめる番組です。
 
どなたでも楽しめる、新しい落語が生まれる瞬間『しゃべっちゃいなよ』
林家彦いち師匠の声かけではじまった、創作らくごのネタおろし会「しゃべっちゃいなよ」。
90年代には活発だった創作らくごの会も、あまりにエネルギーがかかることや、各自の独演会でのネタおろしに集中し、10年代ではあまり見かけなくなりました。彦いち師匠は、若い人にもとっつきやすい落語、昔の落語にはなかったモチーフやテーマで、落語の可能性を広げようと、この会を立ち上げました。歴史的な会です。
現代を生きる人であれば、だれでもが楽しめる創作らくご。ぜひお友だちをお誘いあわせの上、ご参加ください。

 
▼平日18時「ふたりらくご」にも注目
18時から19時までの一時間。ちょっと仕事を早めに切り上げてこられる人、学校帰りの学生、買い物の帰りに1時間、気軽に落語を聴くことができる平日の夕方公演。
10日の「ふたりらくご」では、漫才のPOISON GIRL BANDが初出演。立川こしら師匠が後ろの30分を務めます。熊と八が会話しているような落語的な漫才と、お笑いの人がやっているような漫才的落語。ものすごい化学反応が起こるはず。
13日の「ふたりらくご」では、今月「渋谷らくご」初登場の瀧川鯉昇師匠が、弟子の鯉八さんと師弟で一時間。いわゆる「親子会」といわれる番組になっております。
14日は隅田川馬石師匠と入船亭扇辰師匠という、それぞれコアな熱狂的落語ファンに愛されているお二人がまさかの邂逅。純米大吟醸は下戸でも飲める。ぜひ落語になじみのない方にも、この奇跡の組み合わせを観ていただきたい!
終わったあとに食事をして20時からの公演に来ていただくのもオススメ! 1200円で楽しむ1時間、お友だちを誘ってどうぞ。


▼10()ニコニコ公式生放送『WOWOWぷらすと』で生中継
2万以上を動員し、90%以上の満足度を獲得する「渋谷らくご」の中継。
もちろんアーカイブには残しません。ストリーミング配信です。
出演者の方々にご協力いただき、ありがたく中継という段取りとなりました。ぜひ現場に来ていただきたいです。
落語はお客様と一緒に作り上げる演芸ですので! 
なお、ご来場のお客様はなんら気を使う人はありません。顔も映りませんし、無理に笑う必要もありません。あくまでメインは、会場にいるお客様です。

あとは、充実のラインナップ、具体的に見どころを手短に説明したいと思います。

※「渋谷らくご」には、二席目と三席目の間に「1分間のインターバル」が入ります。
これは、休憩ではなく、「脳を休める時間」です。
落語は脳をつかい想像し楽しむものです。普段あまり使っていない人でも、使っている人でも、2分休めると、より楽しめると思います。
※また、「脳の筋肉使用」の目安を三段階で設けました。初心者でも楽しめるかと思いますが、脳筋肉痛に注意してください。
※「渋谷らくご」は、開演してすぐ出てくる人から30分をお任せし、「トリ」のつもりでやってもらいます。出演者全員「トリ」です。また、出演順は年功序列ではありません。最初からトップギアでお客様を楽しませることをモットーとしております。
※開演前と終演後に「落語体験」というトークコーナーがある回があります。あくまでおまけのようなもので、いろいろな仕事の方をお呼びして、落語を生で体験し、現代人としての意見をうかがいます。お時間ある方はおつきあいください。
 
 
 
▼10 金 18:0019:00 「ふたりらくご」  脳の筋肉使用
立川こしら たてかわ こしら
POISON GIRL BAND ぽいずんがーるばんど
 
POISON GIRL BANDは、00年代のお笑いブームのなかにあってもっとも影響力のあった「M-1グランプリ」において、三回も決勝に進出した東京漫才界の至宝です。私はいまでもお金を払って彼らの漫才を観に行っています。
彼らの魅力をわかっていただける場所はどこか? 考えたら、落語のお客さんかもしれない、と思いました。いわゆるボケ・ツッコミ的な漫才とはちがって、まるで落語の熊さんと八っつぁんがしゃべっているような、ふたりともどこか抜けている感じ、愛らしい会話。ずっと聴いていられるのです。そして、そんな彼らのファンの方にもまた、落語の幅広さを味わってもらいたい。そういったわけで、まずは「ふたりらくご」で、立川こしら師匠と共演、という形にしました。
「渋谷らくご」の漫才は初登場です。漫才の破壊者、POISON GIRL BANDと、落語の破壊者、立川こしら。この二組を一緒に見ていただければ、破壊こそ創造、という見方もできるかもしれません。
談志師匠の孫弟子の、こしら師匠。すべてが「落語家らしからなぬ」ところが魅力です。髪は染めているし、ネットゲームはやるし、とにかくITに強い。「現代人が落語をやっている」とリアルに実感できる方です。この二組の化学反応に期待!

 
 
▼10 金 20:00〜22:00 「渋谷らくご」  脳の筋肉使用★★
立川吉笑 たてかわ きっしょう
隅田川馬石 すみだがわ ばせき
神田松之丞 かんだ まつのじょう
立川生志 たてかわ しょうし
 ◎ニコニコ生放送にて、生中継!ライブストリーミング
 
およそ二万人の潜在的落語ファンが視聴する「渋谷らくご」のストリーミング配信。
ご理解のある演者さんのご協力と、配信スタッフの心意気だけでもっているのだが、生志師匠の熱演がはやくも会場のお客さん、そして視聴者の間でも話題になっている。「紺屋高尾」「柳田格之進」と、名演を残したからである。
また、松之丞さんは前回の出演時、「末広亭でつるんつるんに滑ってきたところ」という話から入り、一瞬にして観客の心をわしづかみにするマクラで強烈なインパクトを残した。
この回は、若き天才、立川吉笑からはじまり、馬石師匠の本当に粋の美学が詰まった無駄のない落語が炸裂し、講談の松之丞さんが8年目とは思えない堂々たる高座をつとめ、トリの生志師匠がなにをしてくださるのか、楽しみに待つという、最初から最後までまったく気を抜けない回です。
生志師匠の緩急自在、表現力のありあまる高座は、あのかわいらしい出で立ちからは想像もつかないような登場人物たちの人物像を活き活きと再現してくださいます。馬石師匠の、省略の美学ともいえるいなせな落語も、吉笑さんのロジックの落語も、すべて落語。その懐の深さを堪能してください。
 
 
▼11日 土 14:00〜16:00「渋谷らくご」  脳の筋肉使用★★★
三遊亭歌太郎 さんゆうてい うたたろう
橘家文左衛門 たちばなや ぶんざえもん
瀧川鯉八 たきがわ こいはち
春風亭一之輔 しゅんぷうてい いちのすけ
 
文左衛門師匠と一之輔師匠。この組み合せに心躍る人も多いと思います。
文左衛門師匠は、先月の「猫の災難」では、ただ、どうしてもお酒を飲みたくなった人がお酒を飲む、これだけのシーンだけで爆笑を誘い、直木賞作家 三浦しをんさんを感動させました。いかつい出で立ちの師匠がかわいく見える、それが落語の芸のマジック! 文左衛門師匠、実はロックバンドなんかもやっていたりして、歌もお好きなんですよ。親近感湧きますよね!
一之輔師匠は、ユニクロのCMでもおなじみですが、毎週日曜日には朝から生のラジオ番組「サンデーフリッカーズ」のパーソンリティをなさっていたり、この3月までは「酒とつまみと男と女」というBSの番組で、ただひたすら酒を飲む、なんていう番組でもレギュラーで出演していたりした大の酒好きでもあります。そんな師匠が土曜にいくら飲んでも、日曜の朝の番組を欠かさない、というのが、ホントにすごいです。
さて、そんな両巨匠の激突の間に、「渋谷らくご」は二つ目さんの奮起を見てもらう、ということで二つ目さんをフィーチャーするのが慣わしです。トップにでる歌太郎さんは、後ろに文左衛門師匠、一之輔師匠が控えるとあって、なんとか存在を最後まで記憶してもらおうときっとがんばってくれるんじゃないかなと。そして鯉八さん。独特のキャラクターと落語で、両師匠を喰うか!?
最初から気を抜かずに見てください! とっても貴重な回です。
 
 
▼11 土 17:00〜19:00「渋谷らくご」  脳の筋肉使用★★
柳亭小痴楽 りゅうてい こちらく
瀧川鯉斗 たきがわ こいと
立川こしら たてかわ こしら
瀧川鯉昇 たきがわ りしょう
 
鯉昇師匠、渋谷らくごに降臨! 記念すべき回です。
シブラクではおなじみの鯉斗さんや鯉八さんの師匠、瀧川鯉昇師匠。「春風亭」から「瀧川」に名前を変えたのが05年なので、ちょうど「瀧川」という亭号が復活して10年、いまや10人以上の門弟をかかえる大きい一門になった。私が鯉昇師匠を知ったころは、まだ弟子をとっていなかったし、ご結婚もされておらず、お見合いを50回以上したことがあっていまだ独身、というのをよくマクラでおっしゃっていたが、古典の本格派としてすでにその名を知られた存在だった。そんな鯉昇師匠のお弟子さんも多彩で、暴走族出身の鯉斗さんもいれば、新作をやる鯉八さんもいる、まさに「自由」な一門だ。基本がしっかりしている師匠に学び、個性を発揮したいという人が集まっているように見える。まずはこの、鯉昇師匠の、おばちゃんかおじさんがわからない境界線にある存在感を味わってもらいたいです。
というわけで、小痴楽さん、鯉斗さんというヤンチャな二つ目さんコンビの奮闘を聴いてもらいつつ、こしらさんという異分子が「アーティストにしては落語がうまいほう」(本人談)という落語モドキを演じ、最後にちゃんとした落語を聴いていただきたく思います。
 
 
▼12 日 14:00〜16:00 「渋谷らくご」  脳の筋肉使用★
立川志ら乃 たてかわ しらの
玉川奈々福 たまがわ ななふく
春風亭昇々 しゅんぷうてい しょうしょう
桂春蝶 かつら しゅんちょう
 
立川志ら乃師匠、このほど国立演芸場の花形演芸大賞銀賞を受賞した。国のお墨付きが出た、ということである。これが「立川志ら乃」のとって、どれくらいすごいことか説明しておくと、まず落語界内に「賞」が非常に少ないということと、賞があっても参加できる落語家が限られている、ということを知っておかなければならない。つまり、寄席の定席に出ている、落語協会と落語芸術協会の落語家しか参加資格がない賞もあるのだ。そんななかにあって、立川流の若き真打がこの賞を受賞するということは、ほぼ「一回しかないチャンス」をものにしたということと同義だ。しかも、志ら乃師匠は、NHK新人演芸大賞で大賞を受賞しており、コンテストでの勝負強さはすごい。真打トライアルでは非常に苦労した師匠だが、その経験がコンテストに活きているのだろうか、とにかく喜ばしいことだ。そんな志ら乃師匠がトップから飛ばしまくる。こういう位置で出てくださることもありがたいし、志ら乃師匠がトップで出る落語会もほかではありません。
この回では、浪曲の奈々福さん、そして上方落語の桂春蝶師匠に挟まって、二つ目さんをもみます。それが春風亭昇々さん。昇々さんはシブラクレギュラーとして月二回のペースでヘビーローテーション中ですが、創作に古典にさまざまな魅力を持った若手注目株です。必ずや世に出ます。最初から最後まで非常にエッジの効いた回になると思います。
 
 
▼12 日 17:00〜19:00「渋谷らくご」  脳の筋肉使用★★
立川吉笑 たてかわ きっしょう
柳家喜多八 やなぎや きたはち
春風亭正太郎 しゅんぷうてい しょうたろう
林家彦いち はやしや ひこいち
 
 芸人は、普通の人の人生を歩まないという意味では「冒険家」です。また、お客さんは、そんな彼らの日常を「非日常」の話ときくことを楽しみにしています。つまり、芸人は「冒険譚」をするのが使命のような部分もあります。彦いち師匠、先月のシブラクには出演していなかったですけれど、それはヒマラヤに行っていたらから。普通の会社員が長期休暇して行くのはなかなか難しい場所です。彦いち師匠、お仕事お忙しいなかでも、むりやり時間を作ってヒマラヤにいって、帰って写真だけでおしゃべりする「エベレストしゃべり倒し」を先日を開催していました。なんというフットワークの軽さ、なんという芸人性。芸人も、日常に埋没してしまいがちです。いま無理やり動かなくても、まわっているという世界のなかで、自分からアクションを起こすことに、みな疲れてしまいがち。そんななか、彦いち師匠はこの「渋谷らくご」でも創作らくごネタおろしの会を企画してくださったり、「この回でこないだネタおろししたネタやりたい!」とおっしゃってくださっています。つまり、この回で彦いち師匠が演じるネタは、前回の「しゃべっちゃいなよ」で演じたネタです。どう変わっているのか、楽しみです。初めて聴く方もぜひお楽しみに。
 通りすがりの天才、二つ目の吉笑さん、そして私が大好きな喜多八師匠、先月は「愛宕山」を熱演してくださった二つ目、正太郎さん。個性的な面々が揃った回です。必ずや満足していただけると思います。
 
 
▼13 月 18:0019:00 「ふたりらくご」  脳の筋肉使用★★
瀧川鯉八 たきがわ こいはち
瀧川鯉昇 たきがわ りしょう
 
今月「渋谷らくご」に初登場してくださる鯉昇師匠。その鯉昇一門にあってひときわ異彩を放つ鯉八さん。
落語を聴いてみれば、まったく方向性が違うような二人に見えますが、こうして親子会的な雰囲気で見てみると、その神出鬼没といってもいいような、飄々とした佇まいが師弟で共通していることが伝わってくるかと思います。
落語の世界には「フラ」という言葉があります。「持って生まれた面白さ」とでも言いましょうか、なにもしゃべらなくても、なんかおかしな空気を持っている人。私はこのフラでさえ、演出として意図的に出せるものだという立場の考え方なのですが、意図的かどうかは置いておいて、このお二人には「フラ」があります。
次にどんな言葉が出てくるのか、つい期待をしてしまう落語家。非常に貴重な存在ですが、鯉八さんが鯉昇師匠に入門したことは、最初はとても不思議でしたが、よくよく考えてみればわかる気がします。「この師匠に学べばまちがいない」、爆笑の神髄を知る師匠から、弟子がどのようにそれを学んだか。ぜひ堪能していただければと思います。
ハッキリいって、こんなにお得な会はありません。業界広しといえども、渋谷らくごだけです。そうそう何回もできるものでもありません。この機会をお見逃しなく。
 
 
▼13 月 20:00〜22:00 「渋谷らくご」  脳の筋肉使用★★★
春風亭昇々 しゅんぷうてい しょうしょう
三遊亭遊雀 さんゆうてい ゆうじゃく
神田松之丞 かんだ まつのじょう
橘家圓太郎 たちばなや えんたろう
 
ものすごい力と力の激突が起こるであろうこの13日の夜。
昇々さんはどんなときでも必ず結果を残してくれる、ものすごい二つ目さんです。古典もできるし新作の完成度も高い。「落語っておもしろいなあ」と思えることはまちがいないですが、誤解しないでください、おもしろいのは、昇々さんです。
遊雀師匠、おしゃれなオジサマがお昼から一杯ひっかけてきて話し相手になって聴いてる、くらいの感覚で聴くと最高です。古典落語を、力まずに、70くらいの力で100点の結果を残すという、寄席の落語家さん特有の雰囲気がたまりません!
そして、神田松之丞さん。古典の鬼が前後にいるなかで、果たしてどうでるか? 渋谷らくごは忙しいなかスケジュールを縫って出てくださっています。DVDも出ているので、ぜひ観てみてください! ちなみに、趣味は「落語を聴くこと」。チェスが趣味の羽生善治名人みたいですね。よくぞ講談を選んでくださった!
 トリの圓太郎師匠は2月「化物使い」、3月「棒鱈」と、会場を爆笑に包んで、まさに鬼気迫る出来だったと会場のお客様からの感動の声が届いています。そんな圓太郎師匠は福岡出身、意外にも元は不良だったということですが、やんちゃな部分があるのは面白くなる要素のひとつですね。
 
 
▼14 火 18:0019:00 「ふたりらくご」  脳の筋肉使用★★
隅田川馬石 すみだがわ ばせき
入船亭扇辰 いりふねてい せんたつ
 
とんでもない番組になってしまった。
この日の「ふたりらくご」、紆余曲折を経て、このお二人での会になったわけですが、贅沢すぎます。今後あるような番組ではありません。いったいどうなるのか、まるで想像が尽きません。どうか、はじめて落語を聴くという方にぜひ観ていただきたい!
馬石師匠、スラっとしていて手が長い。江戸の職人や、気の早い棟梁、市井の人を演じているところがもう抜群にいい! モタっとやらない。「もう少し観ていたいな」くらいのやりとりで切り上げるアッサリ味がまたたまらない。決して物足りない、というわけではなくて、そうしてアッサリやってくれることで「余白」が生まれるぶん、あの棟梁は普段からああなんだろうなあ、とか、あの二人はいっつもこんなやりとりしてるんだろうなあとずっと想像できる。それが楽しい。
扇辰師匠。スピードでまくしたてるわけでもない、オーバーに演じるわけでもない。静かに語り始めるのに、「圧倒的」なのだ。
このお二人が繰り広げる「一時間」は、ファンタスティックな体験になると思います。2本のお芝居を観たような気持ちになるほどに濃密な時間を過ごせることをお約束します。
 
 
▼14 火 20:00〜22:00 林家彦いちプレゼンツ 創作らくごネタおろし会 「しゃべっちゃいなよ」  脳の筋肉使用★★★
柳家わさび やなぎや わさび
春風亭吉好 しゅんぷうてい よしこう
玉川太福 たまがわ だいふく
立川志ら乃 たてかわ しらの
林家彦いち はやしや ひこいち
 
猛烈な熱気のうちに終了した第一回創作らくごネタおしろ会「しゃべっちゃいなよ」。
何度も言いますが、日々オーバー60歳のお客様を相手にすることが圧倒的に多い落語家さんにとっては、落語を新しく創作するメリットはあまりないかもしれません。落語家と聴いてまずイメージするのは「古典落語」を演じる人のことであり、また寄席に来るお客さんが求めるものも大概は「古典」を求めてくるのです。そんな心の葛藤を、先月春風亭百栄師匠は創作「天使と悪魔」で演じられていましたが、落語界で創作(新作)を求められている場所は極めて少ないのです。
ですが、それだけではお客さんが先細るだけだ、どうしても見た目にわかるわかりやすさや面白さ、同時代感が必要だ、と考える演者さんたちがいます。そしてその人たちは、自分の主催する独演会という、自分の「理解者」が一番多い場所で、創作のネタおろしをして、自信をもらうのです。ですから、創作の、しかもネタおろしを、自分の会ではない落語会でやることに、なんのメリットもありません。ですが、「渋谷らくご」という、若いお客さんが集う場所だったら、と決意してこの胃がヒリヒリする会に出演してくださる演者さんがいます。だからこそ、「しゃべっちゃいなよ」は二回目を迎えることができるのです。こういった会は、落語会が多く開催されていても、なかなかほかにありません。業界の注目度も非常に高い回です。
前回の「しゃべっちゃいなよ」が終わったあと、玉川太福さんから直接、「出させてもらえませんか」と連絡をいただきました。こんなにうれしいことはありません! 花形演芸大賞銀賞の志ら乃師匠に、ネタおろしの会どうですか、とうかがったら「のぞむところです」とお返事いただきました。
林家彦いち師匠が音頭を取るこの回に、熱意のある演者さんたちが集まってくださっているます。
二つ目のわさびさんは古典も創作も手掛ける方、オタク落語の吉好さんは創作を大量になさっている方。今回も、個性豊かなメンバーが揃いました。
歴史に立ち会ってください。
 
どの回も見逃せない!
だれかに勧めるのなら、まず「渋谷らくご」!
落語初心者から、落語通まで。全方位落語導入イベントです。どうぞお楽しみに!


 
posted by: サンキュータツオ | 渋谷らくご | 19:07 | comments(2) | trackbacks(0) |-